食品安全関係情報詳細
| 資料管理ID | syu05550240149 |
| タイトル | 欧州食品安全機関(EFSA)、残留農薬によるアセチルコリンエステラーゼ阻害の慢性の累積摂食リスク評価に関する科学的意見書を公表 |
| 資料日付 | 2021年2月9日 |
| 分類1 | 化学物質 |
| 分類2 | 農薬 |
| 概要(記事) | 欧州食品安全機関(EFSA)は2月9日、残留農薬によるアセチルコリンエステラーゼ阻害の慢性の累積摂食リスク評価に関する科学的意見書を公表(2020年12月21日承認、151ページ、doi: 10.2903/j.efsa.2021.6392)を公表した。概要は以下のとおり。 2016年、2017年及び2018年における農薬残留物への食事由来ばく露の遡及的な累積性のリスク評価(CRA)が、慢性の赤血球AchE阻害に関して実施された。 過程の第1段階は、この作用の原因となる農薬の累積評価グループ(CAG)を設定することであった。これは、2019年に公表された神経系への作用に関するCAGの設定に関するEFSAの科学的報告書において報告された。脳及び(又は)赤血球のAChE阻害に関するCAGへの収載に向けて、400以上の有効成分が検討された。全部で47有効成分が収載され、11有効成分がN-メチルカルバメート系(N-methyl carbamate(NMC)農薬であり、36有効成分が有機リン系(OP)農薬であった。全ての有効成分は、試験、種、性別をまたがる入手可能な全ての情報を用いて、最も感度の高い指標から導出された短期及び長期の累積ばく露量及びリスク評価のための無毒性量(NOAEL)により特性評価された。毒性学的データの収集と評価に使用された手法に関連し、利用可能なデータ及び科学的知識の限界に起因する不確実性の原因が、適切な検討を行うためにCRAの期間に特定された。 第2段階では、2016年、2017年、2018年の公式モニタリング計画下でのEU加盟国によるモニタリングデータ、及び異なる欧州の国々、異なる年齢グループから成る10の消費者集団から得られた個々の食品摂取データ用いて累積ばく露量の計算を行った。関連する食品の選択に関して、評価には水、乳幼児・幼児用食品及び欧州内で広く摂取されている植物由来の未加工の35品目を含んでいる。 ばく露量の推定値は、2次元確率法を使用するSAS(登録商標)ソフトウェアを用いて取得された。母集団内の変動はインナーループエクセキューションを通してモデル化され、ばく露量分布のパーセンタイルとして表現された。アウターループエクセキューションは、これらのパーセンタイル(入力データのサンプリングの不確実性を反映した)を中心とした95%信頼区間を導出するために使用された。 植物、動物、食品、及び飼料に関する常任委員会(SC PAFF)におけるリスク管理者の合意により、算出は段階的な方法(tiered approach)で行われた。第1段階(Tier I)の計算では、過小評価するリスクが低い効率的なばく露量のスクリーニングに関する非常に保守的な仮定を使用するが、第2段階(Tier II)の評価では、更に精緻化されるが依然として保守性を意図する仮定を含んでいる。各シナリオでは、推定ばく露量はばく露量分布が異なるパーセンタイルに関して取得され、総ばく露マージン(MOET:推定ばく露量に対する毒性学的参照値の比率)が各パーセンタイルで算出された。ばく露量分布の99.9%で算出されたMOETが100以下の場合に、SC PAFFで合意された閾値に従って更なる規制上の検討が必要とされる。 第2段階のシナリオによると、ばく露量分布の50パーセンタイルでのMOETの推定値の平均値はいずれも100を大きく上回った。95パーセンタイルから、100以下のMOETの推定値が10集団中2集団に関して観測され、99.9パーセンタイルでは推定値は10集団中8集団で100を下回った。MOETの最小値はイタリア人の成人及びフランス人の小児の集団に関して推定された。全ての集団において、高いばく露量の推定値は物質と食品の数組の組合せにより影響を受けた(油糧生産用オリーブ中のオメトエート 及びジメトエートの存在量、小麦中のピリミホスメチル、オレンジ中のクロルピリホス、及びそれらよりも程度は低いが飲用水中のモノクロホス及びジクロルボスの存在量に関するワーストケースの仮定)。 前述のとおり、ばく露量計算はより精緻化した第2段階のシナリオにおいてさえばく露量を過大評価することが考えられる保守的な仮定を使って実施された。この過程の影響を評価するために、いくつかの感度分析が実施された。これらの分析は、加工係数が欠落している場合、未加工の一次産品中の全ての残留物が加工品中で全く減少することなく最終消費者に到達するという仮定が保守的な計算に最も寄与することを示した。 3番目の最終的な評価の段階は累積性のリスク判定であった。これは、最初の2つの段階の結果に基づき、科学的知識及びデータにおける限界及び評価の全段階で使用された仮定を考慮するために、EFSAの科学的委員会のガイダンスに従って行われた不確実性分析を含んでいた。入力データ、モデルの仮定及び評価法に影響する35の不確実性の要因が各々6名の毒性学者とばく露の専門家から成るワーキンググループにより特定された。不確実性の影響は、専門家の知識引き出し(EKE)技術及び一次元モンテカルロシミュレーションを使用して段階的アプローチで評価された。先ず、ばく露量の99.9パーセンタイルにおけるMOETに関する不確実性の各々の要因の影響が、イタリアの成人集団に関して定量化された。イタリアの成人集団が参照集団として選ばれたのは、MOETの推定値が最も低かったからである。この定量化は、MOETを過大評価する傾向(いくつかの事例では、代謝物が評価に考慮されなかった)や過小評価する傾向(加工係数の利用が限られていること等)など、不確実性が様々な影響を及ぼすことを示した。不確実性の要因を組み合わせた影響はその後イタリアの成人集団に関して定量化された。最終的に不確実性の要因間の依存関係及び集団間の差異が評価された。 この過程の結果として、不確実性の全体的な影響を考慮するために累積ばく露量計算から導出された99.9パーセンタイルにおけるMOETとそれらの信頼区間が調整され、ばく露量分布の99.9パーセンタイルにおけるMOETが100以下である確率が全ての10集団に関して評価された。 慢性的な赤血球のAChE阻害に関して専門家により特定された全ての不確実性を考慮して、累積ばく露量は検討されたどの集団グループに関しても様々な程度の確実性をもって規制上の考慮のための閾値を超えない。この確実性は2つの成人集団に関して90%を超え、他の成人集団に関して85%を超え、各々2つの小児及び幼児集団に関して67%~90%の範囲にあり、デンマークの幼児に関して60%~90%、フランスの小児に関して50%~90%である。 この評価でAchEの阻害の原因としてのOP及びNMC以外の物質による酸化的ストレスの関連及び寄与に対応することはできなかった。報告書の最後で、このCRAにおいて特定された不確実性の影響を緩和するための助言が行われている。 |
| 地域 | 欧州 |
| 国・地方 | EU |
| 情報源(公的機関) | 欧州食品安全機関(EFSA) |
| 情報源(報道) | - |
| URL | https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6392 |
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