食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05490470149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、合成生物学を適用して作成される微生物の特性決定及び環境リスク評価に対する既存のガイドラインの妥当性を評価した科学的意見書を公表
資料日付 2020年10月28日
分類1 --未選択--
分類2 --未選択--
概要(記事)  欧州食品安全機関(EFSA)は、10月28日、合成生物学を適用して作成される微生物の特性決定及び環境リスク評価に対する既存のガイドラインの妥当性を評価した科学的意見書を公表した(9月16日採択、PDF版50ページ、doi: 10.2903/j.efsa.2020.6263)。概要は以下のとおり。
 EFSAは、欧州委員会から、近い将来に想定される農業食品(agri‐food)を標的とする合成生物学(訳注1)の発展を検討し、当該技術の適用が、環境に対する潜在的なリスク及びハザードの構成要素になると予想されるかどうかを判断するよう要請された。さらに、リスク評価時に適用される既存のガイドラインの妥当性を評価し、ガイダンス更新の必要性を評価するよう求められた。
 本意見書は、環境に意図的に放出されると予想される、合成生物学を適用して作成される生存可能な微生物類(synthetic biology microorganisms、SynBioMs)を対象範囲とする。本評価は以下に基づく。
(i) 公開情報のホライズン-スキャニング(horizon scanning)(訳注2)
ホライズン-スキャニングから、複数のSynBioMs適用例が、今後10年間に欧州連合(EU)域内の環境に意図的に放出される準備段階に達している可能性のあることが示された。しかしながら、大規模に操作された(extensively engineered)(訳注3)SynBioMsは、より幅広い将来にのみに予想される。また、遺伝子組換え微生物とSynBioMsを区別するための明確な基準は特定不可能であった。
(ii) 本任務の対象範囲を扱う既存のガイドラインにおけるギャップ分析
微生物の特性決定及び環境リスク評価に関しては、既存のEFSAガイダンスが基礎として有用である。既存のガイダンスが適用可能となる程度は、SynBioMsと非改変生物とのfamiliarity(訳注4)に依存する。ガイダンス更新に向けた推奨事項として挙げられるのは、全ての農業食品用途を対象とし、且つ、全種類の微生物、それら微生物と関連するばく露経路、それら微生物を受容する環境を考慮した上で、評価される製品の用途の範囲に関し規定することである。新たなEFSAガイダンスは、指令2001/18/ECに従い、全ての「特定のリスク領域」に対処することを提案する。
(iii) 将来への展望
現在及び近い将来のSynBioMsに対して、新奇となる環境ハザードは予想されない。しかしながら、SynBioMsが環境と相互作用する有効性は多様である可能性があり、ばく露及びリスクが増加する可能性はある。より幅広い将来においては、xenobionts(訳注5)の開発と関連付けられる新奇ハザードが予想される可能性がある。
当該意見書に対して実施された公開協議の結果は、下記より入手可能。
EU域内及び北米(ベルギー、オーストリア、フランス、ドイツ、オランダ、スペイン、デンマーク、英国、米国、カナダ)の16機関及び団体(公的機関-5、教育機関-1、NGO-3、私的機関-4、その他-3)から提出されたコメントが検討されている。
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1934
 (訳注)
1. 合成生物学: 新たな生物学的システムを開発し、生細胞に新しい機能を付与することを目的とする、工学と生物学のインターフェースにおける学際的な分野を指す。食品、飼料、環境システムに対して適用される可能性が考えられ、EUでは市販前認可を要する。
2. ホライズン‐スキャニング: 将来的に社会に大きな影響をもたらす可能性のある変化の兆候をいち早く捉えることを目的とし、利用可能な情報を体系的・継続的に収集・分析し、潜在的なリスクや可能性を把握する活動を指す。
3. extensively engineered: 染色体の大部分が改変されている生物、或いは、生物の中枢となる代謝経路(エネルギー変換や同化作用等)が改変されている生物を指す。”xenobionts”は”extensively engineered”と見なされる。
4. familiarity: “familiarity”の概念は、「食品用或いは飼料用となる遺伝子組換え微生物の大半は、十分に特性が決定された微生物種に属する」という事実を指す。“familiarity”により、リスク評価者は、類似する微生物を食品及び環境へ導入した際に得られた、既存の知識と経験を利用することが可能となる。“familiarity”は、特定の環境において微生物の規模を拡大する前に、実施されたリスク/安全性分析から得られる知識及び経験からも導出される。
5. xenobionts: 非天然の成分から構成される生物を指す。現時点では完全には開発されておらず、生存可能ではないが、当該生物の作成を目的とする研究が活発に行われている。細胞の天然の構成要素を天然ではない新たな産物(new-to-nature products)へと置換する標的は、主として、タンパク質と核酸である。xenobiontsの遺伝子機構は、希少な、改変された、又は、新奇であるアミノ酸の挿入を実現するためにリファクタリング(ソフトウェアの外部機能を保ちながら、内部構造を変えることを指す用語)され、xenoペプチド又はxenoタンパク質をもたらす。地球上のあらゆる細胞の生存において、タンパク質と核酸が中枢的役割を果たすことから、これらのレベルにおける改変は得体の知れない特性を持つ生物を作成する可能性がある。
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6263

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