食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05400310301
タイトル 論文紹介:「ヘテロ接合体(Met/Val)の変異型クロイツフェルト・ヤコブ病患者でプリオン株の順化は見られない」
資料日付 2020年5月1日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  Emerging Infectious Diseases(2020
, 26(6):1300-1303)に掲載された論文「ヘテロ接合体(Met/Val)の変異型クロイツフェルト・ヤコブ病患者でプリオン株の順化は見られない(No Adaptation of the Prion Strain in a Heterozygous Case of Variant Creutzfeldt-Jakob Disease)、著者A Boyle、AB Diack(The Roslin Institute
, 英国)ら」の概要は以下のとおり。
 2016年、プリオンたん白質遺伝子のコドン129がメチオニン/バリンであるヘテロ接合体(PRNP 129MV)遺伝子型のヒトで臨床的に変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)と確定された症例が英国で報告された。当該患者の典型とは異なる臨床的特徴から、著者らは、株の順化が起こったのかどうか、又は患者の遺伝的背景が疾病の表現型に影響を与えた可能性があるのかどうかを調べるために、当該プリオン病原体を確認する事が重要であると考えた。過去のメチオニンホモ接合体(129MM)遺伝子型のvCJD患者で確認されたものと同じプリオン株を、当該129MVのvCJD患者から分離できるのかどうかを調べ、牛海綿状脳症(BSE)との因果関係の仮説と矛盾がないか検討した。
 129MVのvCJD臨床症例に由来する10% wt/volの凍結中枢神経組織をRIIIマウス18匹に対し、0.02mLを脳内に、0.1mLを腹腔内に注入した。129MV患者の脳に由来する分離株は伝播し、これらのマウスにはプリオン病に関連した臨床及び神経病理学的兆候が見られた。著者らは、平均潜伏期間、神経病理学的兆候及び生化学的分析について、英国の129MMのvCJD中枢神経系伝播及び英国のBSE伝播の過去の記録と比較した。
 感染後300~392日(dpi)の潜伏期間を経て臨床兆候がマウスで観察された。病理学的に病気の進行が確認されたのは16匹中14匹であった(平均潜伏期間341±6dpi(標準誤差))。この結果は、当該マウス系統における英国のvCJDの過去の伝播研究の範囲(306~387dpi)内にあり、BSEの結果(316~335dpi)と類似する。免疫組織化学的分析では、脳の全体にわたって顆粒状及び小斑状の異常プリオンたん白質(PrP)の沈着が認められた。この染色パターンは、英国のvCJD及びBSE伝播で観察されたものと非常に類似していた。MV分離株の生化学的分析により、プロテアーゼ耐性PrP(PrPres)の存在が確認された。その生化学的プロファイルは、検査されたRIII-MV、RIII-MM及びRIII-BSE分離株の間で同一と見られるが、RIII-BSE分離株についてはPrPresが少ないように見受けられた。
 RIII マウスを用いたこの伝播研究は、129MVのヒトvCJD確定症例から分離されたプリオン株が、典型的な129MM vCJD症例及びBSE症例で確認された株と同じものであることを示すエビデンスを提供する。様々なマウスモデルを用いた更なる特性評価が進行中である。
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) その他
情報源(報道) Emerging Infectious Diseases (2020 , 26(6):1300-1303)
URL https://wwwnc.cdc.gov/eid/article/26/6/19-1116_article
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