食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05390250464
タイトル オーストリア保健・食品安全局(AGES)、化学物質の複合影響に関するリスク評価の新たな手法に関する論文を公表
資料日付 2020年5月8日
分類1 --未選択--
分類2 --未選択--
概要(記事)  オーストリア保健・食品安全局(AGES)は5月8日、化学物質の複合影響に関するリスク評価の新たな手法に関する論文を公表した。概要は以下のとおり。
1.狙い
 汚染物質は、食品に意図せず混入する場合があり、規制が困難である。その結果、食品に由来する化学物質の混合物及び関連する健康影響が注目されることは少ない。
 AGESは、食品汚染物質の存在に関するデータを収集し、それを基に、汚染物質の混合物による累積リスク推定を試みた。食品に由来する汚染物質は、有害影響の対象器官別に累積評価グループ(CAG)に振り分けられた。CAGの分類は、生殖発生毒性、腎毒性、神経毒性、肝毒性、血液毒性、甲状腺への影響が可能である。
 また、オーストリアの集団における食品中の汚染物質へのばく露を推定するため、欧州食品安全機関(EFSA)の食品摂取に関する包括的なデータベースから入手可能なオーストリアの消費に関するデータが使われた。
 化学物質の複合影響に関するリスク評価は、食品安全の諸領域において依然として課題であり、現時点で、広範な領域(食品由来の汚染物質、添加物、農薬など)において一般的に使われることが可能な手法は開発されていない。
 累積リスク評価の新たなアプローチ(モディファイドリファレンスポイント指数:modified reference point index(mRPI))は、広く使われている2つの手法(ハザード指数:hazard index及びリファレンスポイント指数(reference point index:RPI)の利点を取り入れたものである。更に、物質に特有の影響に関する不確実係数を導出するための決定木(decision tree)も開発された。この決定木を用いることで、mRPIは、データが乏しい食品由来の汚染物質の分野においても、累積リスク評価に利用可能な手法となる。
 mRPIは1を指標値とし、1より低ければCAGによるリスクは許容できると判断され、1を超えると累積リスクが実際に存在するのかを見極めるため、又はリスクの判定をより詳細に行うための更なる評価が必要であることを示す。
2.結果より抜粋
2-1 成人
 各ばく露シナリオにおけるmRPIは、腎毒性に関するCAGにおいて指標値1を超過していた。当該CAGによるリスクへの最大の寄与はカドミウムであった。
2-2 小児
 各シナリオにおいて、生殖発生毒性、発達神経毒性、トリコテセン類による成長阻害、発達神経毒性、神経毒性及び腎毒性に関するCAGで、指標値1以上であった。累積リスクへの寄与が最大だったのは、アクリルアミド、フザリウム属かび毒の総量(デオキシニバレノール、3-及び15-アセチルデオキシニバレノール)及びカドミウムであった。
 論文「不確実係数導出のためのmRPI及び決定木:食品由来汚染物質の複合影響に関する累積リスク評価への実践的アプローチ(Modified Reference Point Index (mRPI) and a decision tree for deriving uncertainty factors: A practical approach to cumulative risk assessment of food contaminant mixtures)」(Food and Chemical Toxicology に2019年12月公表)の抄録は以下のURLから入手可能。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0278691519306027?via%3Dihub
地域 欧州
国・地方 オーストリア
情報源(公的機関) オーストリア保健・食品安全局(AGES)
情報源(報道) -
URL https://www.ages.at/en/wissen-aktuell/publikationen/bewertung-des-risikos-von-chemischen-cocktails-in-lebensmitteln/
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