食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05350370149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、アグリフード(agri-food)領域における植物Synbio進展のマッピングに関する外部機関による科学的報告書を公表
資料日付 2020年3月20日
分類1 --未選択--
分類2 --未選択--
概要(記事)  欧州食品安全機関(EFSA)は3月20日、アグリフード(agri-food)領域における植物Synbio進展のマッピングに関する外部機関による科学的報告書を公表した(2019年7月11日採択、PDF版36ページ、doi:10.2903/sp.efsa.2020.EN-1687)。概要は以下のとおり。
 合成生物学は、急速に発展している研究分野であり、その成果として、遺伝子組換え生物(GMO)の設計を目的とする新たな技術が創出されている。商業化に向け完成しつつあるGMOへの適用に関する概要を得るため、EFSAはユリウス キューン研究所(Julius Kuehn Institut)に、ホライズンスキャンを利用して合成生物学分野の進展状況を詳述するよう要請した。より具体的には、本ホライズンスキャンは、意図的環境放出を目的とし、近い将来にアグリフード製品としての潜在的適用が想定される遺伝子組換え植物(GMP)の活用を詳述する合成生物学(Synbio)に焦点を当てる。本要請は、EFSA質問登録(register of questions)・委任番号M-2018-0205の下に公表された、本トピックに関する欧州委員会(EC)の委任事項に対応するものである。
関連するSynBioケースは、体系的文献レビュー、専門家のインタビュー、企業対照調査等の検索戦略を活用して特定された。アグリフード製品の種類及びGMPの用途に関する基準を算入することにより、関連するSynBioケースのリスト化が可能となった。論文のスクリーニングにより、関連性があると推定される論文60件、概念実証研究387件、関連性があると推定される総説362件を取得した。本文の完全なスクリーニングにより、27件の論文が関連性を有すると見なされた。関連する27件のうち7件は、植物の油組成又はファイトステロール生産の最適化に関する文献であった。細菌の遺伝子導入や炭素固定経路のC3経路からC4経路への変換による光合成能の改善を試みる研究が多く実施されていた。しかしながら、近い将来(~5年)に上市に至る可能性があると考えられる開発は5件だけであった。3件の文献は、非生物的ストレス(塩ストレス、干ばつストレス、熱ストレス、或いは、それらの組み合わせ)耐性の改善に対処している。3件の文献では、生物的ストレス要因に対する耐性の改善が目標とされていた。検索にて取得された1件の研究では、生産された特殊繊維の医療用途利用が報告されていた。潜在的に上市と関連する文献として選抜された内の1件は、ゲノム編集を利用した野生型トマトのde novo栽培品種化に関するものであった。別の論文2件は、作物の栄養価を改善する方向性の文献であった。窒素固定の改善、及び、侵入する病原体の植物よる感知(phytosensing)を目的とする研究が1件ずつ検索された。現在、亜麻における医療用繊維の生産が最も上市に近いと推測され、既に、欧州にてフィールドテストが実施されている。
専門家との協議では、植物における合成生物学の応用の大半は、実用には程遠い現状であることが明確となった。Synbio企業の調査では、Synbio製品の開発を支援する18社を特定した。本報告書にて合意されたSynbioの定義を鑑みれば、代謝工学の適用により改変された植物が今後10年間に国際市場に参入する可能性が最も高いと推測される。さらに、植物シャシー、パーツライブラリー、人工オルガネラは、基本的に代謝工学や改変光合成等の他のアプローチとの関連において進化すると推測され、スタンドアローン製品として環境/フィールドに放出されるとは考えられない。
 (訳注)
・ ホライズンスキャン: 利用可能な情報の体系的・継続的な収集・分析を通じ、将来社会に多大なインパクト(潜在的な機会、脅威、リスク等)をもたらす可能性のある変化の兆候を把握し、将来を洞察することを目的として実施する活動。
・ 植物シャシー: 植物個体を産業レベルにおける有用物質生産のために利用することを指す。
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) -
URL http://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1687
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