食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05340310301
タイトル 論文紹介:「腸管侵入性大腸菌の診断及び疫学的課題を強調する胃腸炎集団発生、ハッランド県、スウェーデン、2017年11月」
資料日付 2020年3月5日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  Eurosurveillance(2020
, 25(9):pii=1900466)に掲載された論文「腸管侵入性大腸菌の診断及び疫学的課題を強調する胃腸炎集団発生、ハッランド県、スウェーデン、2017年11月 (Outbreak of gastroenteritis highlighting the diagnostic and epidemiological challenges of enteroinvasive Escherichia coli
, County of Halland
, Sweden
, November 2017)、著者N Lagerqvist、C Jernberg (Public Health Agency of Sweden
, スウェーデン)ら」の概要は以下のとおり。
 腸管侵入性大腸菌(EIEC)及び赤痢菌(Shigella spp.)感染の臨床所見は非常に類似しており、一般に下痢、腹部の痙攣、吐き気及び発熱を呈する。両病原菌は糞口経路を介して伝染し、その感染はしばしば汚染した食品及び水の摂取に関連する。
 2017年11月スウェーデンのハッランド県の会議会場において83名の患者が関わる集団胃腸炎が発生した。当該患者は以下の症状を報告した。腹痛(n=74; 89%)、出血性下痢(n=4; 4.8%)、下痢(n=73; 88%)、吐き気(n=55; 66%)及び嘔吐(n=8; 9.6%)。
 当該会場を訪れた2名及び家庭で伝染したと考えられる1名の有症二次症例から糞便検体が採取され、Shigella spp.及びEIECが有するipaH遺伝子のPCR検査で陽性が確認された。糞便検体からEIECが分離され、全ゲノムシークエンス解析(WGS)によって、当該原因菌が既知の血清型であるEIEC O96:H19であると示され、ST99 (sequence type 99)に分類された。3分離株は高い塩基配列相同性を示した。
 会場の訪問者及び従業員におけるコホート調査が実施され、その結果、汚染された葉物野菜が感染源として関与したことが示唆された。しかしながら、この調査結果を支持する微生物学的なエビデンスは得られなかった。
 著者らは、本報告においてスウェーデンではじめて記録されたEIEC集団感染に関する調査について説明し、また、集団感染におけるShigella/EIECの検査鑑別に関する課題を述べている。スウェーデンでは、EIECの存在について現在知見がなく、また集団感染調査チームが活用できる特定の集団感染株の分布に関する情報がない。すなわち、EIEC O96:H19がスウェーデン国内で循環しているのか、或いは同株が輸入食品を介して持ち込まれたのかは不明である。EIEC O96:H19などの新興EIEC株は、赤痢菌よりも大腸菌に表現型が類似し、生存能が優れている可能性があり、将来EIECによる集団食中毒の増加に寄与するかもしれない。このため、検査準備の改善及びShigella/EIECのPCR陽性糞便検体に関する公衆衛生対策上の推奨事項の合意が必要となる。
 
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) その他
情報源(報道) Eurosurveillance (2020 , 25(9):pii=1900466)
URL https://eurosurveillance.org/content/10.2807/1560-7917.ES.2020.25.9.1900466
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