食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05240010475
タイトル フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、カドミウムによるばく露から消費者及び職業従事者を保護するために基準値を提案
資料日付 2019年9月26日
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概要(記事)  フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は9月26日、カドミウムによるばく露から消費者及び職業従事者を保護するために基準値を提案した。
 カドミウムは自然に、また農業活動及び工業活動などの人工的な理由で環境中に広範囲に存在する金属の微量元素である。カドミウムは根から作物に容易に吸収されフードチェーンに入る。カドミウムは発がん性、変異原性、生殖毒性があると認識されていて、主に食品と飲料水の長期経口ばく露によって腎臓障害及び骨脆弱性を引き起こす。
 国民全体へのカドミウムのばく露源は食品、喫煙者についてはたばこである。2011年、第2回トータルダイエットスタディ(EAT2)の結果、一部の集団はカドミウムの毒性参照値(VTR)を超えていて健康リスクを引き起こす可能性があることが明らかになり、食品由来のばく露量を低減することを推奨した。そのためにANSESはばく露源、特に土壌中のカドミウム濃度(最終的には食品中のカドミウム含量)の増加の一部の原因である肥料への対応を推奨した。
 ANSESは肥料に関連するカドミウムの汚染サイクルを評価した。そして健康影響を防ぎ、消費者及び職業従事者をより適切に保護するために、以下のように新たな基準値を提案する。
・最近の科学研究を考慮し、一般集団のために、摂取による新たな毒性参照値を設定する。
・土壌への肥料の施肥から摂取される食品まで、カドミウムの汚染レベルを最小限にすることを推奨する。リン酸ミネラル肥料中のカドミウム濃度、特に肥料全体に由来するカドミウムの土壌への年間流出量を制限する。
・肥料に関連する職業従事者のカドミウムの職業ばく露を評価する。
 ANSESの推奨事項は、国内及び欧州のすべての肥料の市場に関する調整の一環に組み込まれる。
 ANSESは健康へのカドミウムの重要な影響として、骨粗しょう症や骨折のリスクを挙げた。提案された毒性参照値は0.35μg/kg体重/日で、経口摂取による耐容一日摂取量(TDI)である。更に、摂取が唯一のばく露源と仮定すると、60歳の成人の基準値としてカドミウム濃度0.5μg/g尿中クレアチニンを提案する。
 またANSESは、肥料によるカドミウムの摂取量に関しては、化学肥料又は堆肥のような農地を肥沃にするための廃棄物にしても、1年間に2g/haの流出を超えないことを推奨する。更にリン酸ミネラル肥料を使用する場合は、肥料中のカドミニウム濃度を五酸化二リン(カドミウムを含むリン酸ミネラル肥料の主な成分)1kgにつきカドミウム20mg未満にすることを推奨する。
 これらの基準は、土壌中のカドミウムの蓄積、及び農作物、地表水や地下水への移行を低減するためには必要不可欠である。これらの基準の適用によって、食品由来のカドミウムのばく露をより防ぐことが可能であると考えられる。この観点からカドミウムのばく露量を低減するために国内及び欧州レベルで努力を継続することを奨励する。
 意見書は下記URLから入手可能。
https://www.anses.fr/fr/system/files/VSR2015SA0140.pdf
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
情報源(報道) -
URL https://www.anses.fr/fr/content/exposition-au-cadmium-l%E2%80%99anses-propose-des-valeurs-limites-pour-mieux-prot%C3%A9ger-les
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