食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05230320314
タイトル ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、ポリアミド製の台所用品と高温食品の接触に関する意見書を公表
資料日付 2019年9月17日
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分類2 -
概要(記事)  ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は9月17日、ポリアミド製の台所用品と高温食品の接触に関する意見書(2019年9月17日付け No.036/2019)を公表した。概要は以下のとおり。
 ポリアミド製の台所用品(しゃもじ、へら、泡立て器など)は、焼く、炒めるなどの調理工程及び加熱調理において広く使われている。しかし、これらの台所用品のプラスチック成分が食品に移行する場合があり、食事経由摂取の可能性がある。
 当該成分ではオリゴマーが問題となる。オリゴマーは、プラスチックの製造において意図せず生成される。低分子量の一部のオリゴマーは、プラスチックを通って食品へ移行する場合がある。本意見書は、キッチン用品の製造に使用される主要な2種類のポリアミド(PA6及びPA66)に関するものである。
 BfRは、2018年の意見書の中で、PA6及びPA66から食品へ移行する環状オリゴマーによる健康影響に関して評価を行った。毒性学的な実験データがなかったことから、初期の健康リスク評価は毒性学的懸念の閾値に(TTC)に基づく手法に基づいて行われた。当該PAオリゴマーは、Cramer Class III(※訳注)であったことから、1日当たりの摂取量は、体重60kgのヒトの場合で90μgまでとされた。
 しかし、2016/2017年のデータからは、環状PAオリゴマーの台所用品から食品への移行量は遥かに大きい可能性が示された。最終的なリスク評価の実施を可能とするため、BfRは、食品接触材料メーカーに対し、欧州食品安全機関(EFSA)の定める要件に従って社内で毒性学的データを収集し、BfRに提出することを推奨した。
 食品接触材料メーカーから提出された新たなデータに基づき、PA6及びPA66については、グループ移行値に関して評価を行うことが可能と考えられた。これらの化合物は、遺伝毒性は無いと考えられる。しかし、高用量では、代謝による肝臓及び甲状腺への健康影響が考えられる。現在のデータに基づけば、PA6及びPA66のグループ移行値である5mg/kg食品は、「毒性学的に許容できる」に分類される(欧州連合(EU)プラスチック指令No.10/2011)。
 台所用品からの環状オリゴマーのグループ移行に関して2016/2017年に行われた調査結果では、33品目中23品目において5mg/kg食品未満であった。しかし、それを超過する移行が10品目で確認された。PAオリゴマーの移行の最小化は、台所用品の製造段階で尊重されるべきである。BfRは消費者に対し、PA製の台所用品を食品に接触して使用する際は、特に、高温(70℃超)での接触は可能な限り短時間に留めるよう助言する。

※訳注
Cramer Class I~III:Cramerらによる構造の分類。
Cramer Class I:単純な化学構造を有し、効率のよい代謝経路があり、経口毒性が低いことが示唆される。
Cramer Class II:クラスIの物質のように経口毒性が低いとはいえない構造を有するが、クラスIIIの物質と違って毒性を示唆する特徴的構造を有しない。
Cramer Class III:安全であると推定できないような化学構造を有するか、又は重大な毒性を示唆する可能性のある化学構造を有する。
地域 欧州
国・地方 ドイツ
情報源(公的機関) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
情報源(報道) -
URL http://www.bfr.bund.de/cm/343/polyamid-kuechenutensilien-kontakt-mit-heissen-lebensmitteln-moeglichst-kurz-halten.pdf
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