食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05170370450
タイトル 論文紹介:「豚肉から分離された大腸菌からプラスミドによってもたらされたチゲサイクリン耐性遺伝子tet(X4)が検出される、四川省及び山東省、中国、2019年2月」
資料日付 2019年6月20日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  Eurosurveillance(2019;24(25):pii=1900340)に掲載された論文「豚肉から分離された大腸菌からプラスミドによってもたらされたチゲサイクリン耐性遺伝子tet(X4)が検出される、四川省及び山東省、中国、2019年2月(Detection of plasmid-mediated tigecycline-resistant gene tet(X4) in Escherichia coli from pork
, Sichuan and Shandong Provinces
, China
, February 2019)、著者L Bai (Key Laboratory of Food Safety Risk Assessment
, National Health Commission of the People’s Republic of China
, Beijing
, 中国)ら」の概要は以下のとおり。
 2019年5月、Heらによって、中国の地理的に異なる3つの省の食用の動物及びその肉(鶏及び豚肉)由来の多くの腸内細菌科菌群(Enterobacteriaceae)及びアシネトバクター属菌から、伝達性プラスミドによってもたらされた2種のチゲサイクリン耐性遺伝子(tet(X3)及びtet(X4))が見つかったという報告がなされた。本研究ではHeらが報告した手法を用いて、中国の2省(四川省及び山東省)において、この新たに報告された2種のチゲサイクリン耐性遺伝子を有する細菌を探索した。
 同2省で回収された34の小売り豚肉検体から7株のtet(X4)陽性分離株が得られた。全ての分離菌株は多剤耐性であり、3種あるいはそれ以上の異なる系統の抗菌性物質に耐性であった。2菌株については基質特異性拡張型βラクタマーゼ(ESBL)産生性であることが確認された。
 これら菌株の全ゲノムシーケンス解析(WGS)が実施され、MLST解析が行われた結果、1つの新規sequence type (ST)を含む5つのSTが確認された。2つの分離株はST101に属していた。ST101は非EU国からEUへ輸入された肉製品由来のESBL産生性大腸菌に広く見られるSTであると以前報告されており、NDM-1(ニューデリーメタロβラクタマーゼ1)ともしばしば関連する。
 S1パルスフィールドゲル電気泳動(PFGE)解析によって、7菌株全てがサイズの異なる複数のプラスミドを有することが示された。7株中5株において、接合を介してtet(X4)による耐性形質が大腸菌J53株へ移行した。
 他の薬剤耐性遺伝子を伴うプラスミド上のtet(X4)について、その詳細な遺伝子構成が解析された。全7菌株においてtet(X4)及びfloR(フェニコール耐性遺伝子)が確認され、tet(X4)及びISVsa3(トランスポゼース遺伝子)から構成される遺伝子カセットも保存されていた。
 tet(X4)を有するプラスミドは、大腸菌においてIncFIBレプリコン(訳注:IncFIBタイプの複製装置によって複製維持されるプラスミド)に関連すると報告されていたが、本研究によって、IncFII、IncFIA、IncHIA及びIncHIBレプリコンも確認され、現在、tet(X4)関連プラスミドの範囲は拡大したとみられる。
地域 アジア
国・地方 中国
情報源(公的機関) -
情報源(報道) Eurosurveillance
URL https://eurosurveillance.org/content/10.2807/1560-7917.ES.2019.24.25.1900340
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