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資料管理ID syu05150390450
タイトル 論文紹介:「2019年中国本土のヒトにおける高病原性鳥インフルエンザH7N9ウイルスの再出現」
資料日付 2019年5月23日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  Eurosurveillance (2019;24(21):pii=1900273)に掲載された論文「2019年中国本土のヒトにおける高病原性鳥インフルエンザH7N9ウイルスの再出現 (The re-emergence of highly pathogenic avian influenza H7N9 viruses in humans in mainland China
, 2019)、著者D Yu (Gansu Provincial Center for Disease Control and Prevention
, Lanzhou
, 中国)ら」の概要は以下のとおり。
 一年以上高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)H7N9のヒト症例は報告されていなかったが、2019年3月下旬に1件の重篤な疾患を伴う症例が発生した。
 患者は中国内モンゴル自治区で暮らす80代前半の人物であり、寒気や咳などの初期症状が見られ、発病6日後に入院、7日目には症状が悪化し、甘粛省の病院へ移送された。当該患者の咽頭標本検体よりインフルエンザA(H7N9)が確認された。患者は発病19日目、二次性細菌感染及び多臓器不全により死亡した。
 内モンゴル自治区アルシャー盟の患者の住まいから200メートル離れた地点にある2か所の生きた家きん食肉処理場において、計51の環境検体が回収された。このうち22検体がH7N9陽性であり、これらは同じ処理場由来のものであった。患者由来のA(H7N9)陽性検体からウイルス5株が分離され、上述環境検体からは6株のウイルスが分離された。これら分離株に加え、3つの臨床検体及び2つの環境検体からも全塩基配列情報が得られた。
 当該H7N9ウイルス株の塩基配列はインフルエンザウイルスゲノムの8遺伝子それぞれについて高い相同性(99.9%-100%)を示し、これらが類似した遺伝子構成を持ち、共通の進化系統に属することが示唆された。
 ヘマグルチニン(HA)遺伝子の系統解析の結果、これら全てのHPAI H7N9ウイルスがワクチン候補株(GD/SF003)と共に一つのクラスターに分類され、さらに本研究のヒト及び環境由来株は単一のサブクレードに分類された。これらの結果は、当該再出現H7N9ウイルスはGD/SF003様ウイルスから派生したが、2019年以前の既知のウイルス近縁株から分岐した可能性を示した。HA遺伝子と同様に、他の7つの遺伝子も同じ進化的パターンを示し、遺伝子再集合は観察されなかった。
 HA1タンパク質についてワクチン候補株と比較した結果、15のアミノ酸置換が確認された。そのうちの4つ(R47K、G114R、V125T/A及びS134P)は過去に免疫逃避変異と報告されており、これら再出現HPAI H7N9ウイルスの抗原性変異の可能性が示された。抗原性評価や受容体結合プロファイルなどの形質特性について今後さらに調べる必要がある。
地域 アジア
国・地方 中国
情報源(公的機関) -
情報源(報道) Eurosurveillance
URL https://eurosurveillance.org/content/10.2807/1560-7917.ES.2019.24.21.1900273
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