食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04850880314
タイトル ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、食品中のミネラルオイル成分に関するFAQを公表(2/2)
資料日付 2017年12月12日
分類1 化学物質
分類2 化学物質・汚染物質
概要(記事)  ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は12月12日、食品中のミネラルオイル成分に関するFAQを公表した(2017年12月12日付けFAQ)。概要は以下のとおり。(2/2)

Q6:食品に移行するミネラルオイルはMOSH及びMOAHのみか?

A6:この2種類の他にも、一部のプラスチックから作られる容器内で食品が保管される又は一部のプラスチックフィルムで食品が包装される場合に、ポリオレフィン由来のオリゴマー(ポリオレフィンオリゴマー飽和炭化水素(POSH))が食品に移行する可能性がある。

Q7:POSHとは?

A7:POSHは、ポリオレフィン類(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)中にオリゴマーとして含まれる飽和炭化水素である。これらの物質が食品包装又は保存に使用された場合、食品へ微量移行する可能性がある。

Q8:食品中のPOSHによる健康影響は?

A8:BfRは、POSHに関する毒性学データは持ち合わせていない。現時点で、POSHによる健康影響に関する評価を行うことは不可能である。

Q9:消費者は包装由来のミネラルオイル成分を食品経由でどのくらい摂取するのか?

A9:欧州食品安全機関(EFSA)による推定摂取量は、MOSHに関しては0.03~0.3mg/kg体重/日である(2012年)。小児ではこれよりも多いと考えられる。同様にMOAHに関してはMOSHの約20%、則ち0.006~0.06mg/kg体重/日である。体重10kgの小児の場合、最大で0.6mg/日に相当する。

Q10:BfRは、チョコレート中のミネラルオイル成分による健康影響をどう考えるか?

A10:Stiftung Warentest(訳注:商品テスト財団)が提出したデータ(2015年)に基づき、BfRはチョコレート中のミネラルオイル成分による健康影響に関する予備評価を行った。カレンダー(訳注:クリスマスシーズンに贈られるボール紙製の待降節カレンダー。日付部分が窓になっており、その中にチョコレートが入っている)に入っているチョコレート1粒中のミネラルオイル成分を最大約7mg/kgとする最悪のシナリオに基づき評価を行った結果、チョコレート1粒当たりの芳香族炭化水素含有量は0.022mgであった。一日に1粒のチョコレートを摂取すると仮定することから、当該含有量からは、EFSAが推定した食餌経由の一日当たりのミネラルオイル芳香族炭化水素の摂取量(2012年)をごく僅かに超える程度であると推定される。たとえ寄与度は低くても、発がん性は排除できないことから、食品中に芳香族炭化水素が存在するのは望ましくない。

Q11:ミネラルオイル成分は、段ボール包装で供給される冷凍食品にも移行するのか?

A11:現時点では、段ボールから冷凍食品へのミネラルオイル成分の移行に関するデータは殆どない。しかし、ミネラルオイル成分は低温下では放出しないことから、冷凍環境ではそのような移行は予見されない。

Q12:包装から食品へ移行するミネラルオイル成分に関する基準はあるのか?

A12:現時点で、食品中のミネラルオイル成分濃度に関する基準は定められていない。現在、ドイツ連邦食糧農業省(BMEL)が、再生紙から作られる段ボールから食品へのミネラルオイルの移行に関する規制方針を策定中である。

Q13:包装から食品へのMOAH及びMOSHの移行に関して、BfRが推奨する基準値は?

A13:MOAHに関する評価を行うため及び基準を導き出すための入手可能な毒性学データはない。再生紙から作られる段ボールから移行する芳香族炭化水素の発がん性は排除できないとするBfRの考えは、EFSAの意見書で再確認された(EFSA、2012)。従って、包装から食品へのMOAHの移行は検出されてはならない。
 再生紙から作られる段ボールからのMOSHの移行に関しては、分子レベルで評価を行うにはデータは不十分である。低粘度のホワイトオイルに関しては、国連食糧農業機関(FAO)/世界保健機関(WHO)合同食品添加物専門家会議(JECFA)が暫定許容一日摂取量(PADI)を導き出している(JECFA、2012)。
 BfRは、炭素鎖長(C)10~16及びC16~C20のMOSHを含む溶媒の食品への移行に関するガイドライン値を、それぞれ12及び4mg/kgと導き出した。現在の知見に基づけば、MOSHに関する健康影響評価では、微量のMOSHが特定種のラットにおいて肝臓への蓄積及び炎症作用に繋がるということは特に重要である。
  食品から検出される、認可されている性質を逸脱したMOSHに関する評価を行うため、EFSAが資金提供して種々の炭化水素に関する調査研究が行われた。それに関するEFSAの結論はまだ入手可能ではない。データからは、特定種のラットにおけるMOSHの蓄積は構造的なものであり、特定の組織に関するものであることが示されている。当該調査研究のデータが毒性学的にヒトにも当てはまるかは、当該結果からは断定できない。
 現時点で、再生紙から作られる段ボールに由来するMOSHに関する分子レベルでの最終的な健康影響評価は行われておらず、また、特定種のラットで見られる肝炎症作用の原因が解明されていないことから、包装から食品へのMOSHの更なる移行は技術的に可能な範囲で最小化すべきである。

Q14:段ボール包装から食品へのミネラルオイル成分の移行を最小化するための、BfRの助言は?

A14:ミネラルオイル成分の移行は、包装材料中の含有量だけでなく、食品の種類及び保存方法によっても左右される。バージンパルプから作られるカートンの使用、ミネラルオイルフリーの印刷インキの使用又は包装に移行防止機能(バリア)を付けることなどにより、段ボール中のミネラルオイル成分の食品への移行を防ぐことが可能である。食品接触材料だけでなく、外装からの移行の可能性も考慮すべきである。
地域 欧州
国・地方 ドイツ
情報源(公的機関) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
情報源(報道) -
URL http://www.bfr.bund.de/cm/343/fragen-und-antworten-zu-mineraloelbestandteilen-in-lebensmitteln.pdf
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