食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04660090314
タイトル ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、グリホサートの認可に関する報道に対する反論書簡を公表
資料日付 2017年1月27日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は1月27日、グリホサートの認可に関する報道に対する反論書簡を公表した。概要は以下のとおり。
 この書簡はdie tageszeitung:taz(訳注:ドイツの全国版日刊紙)の編集長宛てのもので、BfRのAndreas Hensel長官名で出されている。当該書簡は、同紙が2016年12月30日付け紙面で取り上げたフランスLe Monde Diplomatique紙の「ロビイストが氾濫する中で」という記事に多くの矛盾があると指摘している。また、これらの矛盾は、同紙が、詳細な事実確認をBfRと直接行っていたならば回避できたはずであると指摘している。事実確認は、ジャーナリズムに期待されている通常の行動である。
 複数の指摘内容は以下を含む。
taz1:「農薬メーカー即ち認可申請者は、新たな農薬の認可において、欧州連合(EU)のどの加盟国が評価を行うかを自ら決定することが認められている。認可に関する決定がドイツに好意的なものとなったことを考えれば、このことに疑いはない。BfRのこの仕事は、ここ数年で最も重要な物質のEUによる認可延長に関係していた。」
BfR1:それは誤りである。正しくは、欧州委員会(EC)がドイツを評価担当国に指名した。グリホサートの試験はグリホサートの有効成分に関する認可延長に係わっていたことから、メーカーは評価担当国を選ぶことはできなかった。
taz2:「EUにおける農薬の認可申請が始まると、評価の根拠となる科学論文の事前選択が自動的に行われる。この事前選択は「グリホサートタスクフォース(GTF)が行った。GTFは、モンサント社を中心としたグリホサートメーカーから成る集団である。」
BfR2:これも正しくない。実際は、メーカーは、過去10年間に公表された論文及び自社によるリスク評価と共に、法的に義務付けられた全ての書類を当局に提出しなければならない。これが、認可延長申請の第一歩である。その後も、あらゆる第三者が論文を提出することが可能である。更に、一部のハザードの特性が関連する場合は、認可に関する決定が行われる前に、検査機関は独立した立場で、他の論文に関する調査及び評価を行わなければならない。このことは、EC及び欧州議会により決められた。有効成分グリホサートの認可延長の枠組みでは、法律で定められた検査に加え、健康影響に関する1
,000件以上の研究論文、資料及び出版物について吟味・評価が行われた。
 更には、BfRは、GTFが提出したデータに加え、補助剤及び残留に関する包括的な試験結果も独立した立場で考慮した。BfRや、グリホサートに関する評価を委託した当局((ドイツ連邦消費者保護・食品安全庁(BVL)、ドイツ連邦環境保護庁(UBA)及びユリウス・クーン研究所(JKI))は、これらの資料に基づき、また、それぞれの独自の調査研究結果に基づき、各々が独立したリスク評価を行った。
 EUにおける有効成分認可手続きは、ドイツではBVLが主たる担当である。当該手続きの決定に関連する内容が、BfR又は連邦政府がウェブサイト上で公表している情報により簡潔に示されている(BfRによるFAQ及び連邦政府からの回答)。
taz3:「ドイツの評価当局は、植物保護製剤の認可手続きにおいて業界に好意的であるとも考えられる。関連書類は農薬メーカーにより委託され、費用も農薬メーカーが出している。いわゆる「グレーゾーン論文」は公表されず、多くの場合、独立した研究者による検証も行われない。この秘密主義の背景には貿易機密があるとされている。」
BfR3:論文の結果を考慮する上での唯一の基準は、論文の科学的な質及びエビデンスである。委託者、政治家又は他の利害関係者は、科学に基づく評価においていかなる役割も担っていないし、担うことは許されない。GTFが提出したデータを巡り専門家による議論が行われたが、それは法律が定める評価過程の一環である。
taz4:「世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関(IARC)がグリホサートを「ヒトに対しておそらく発がん性がある」に分類したことで、論文に関する評価結果の差異がどの程度になるかが明確になった。一般の人たち同様、専門家も、ドイツで行われたリスク評価を尊重することを疑問視した。WHOはBfRと異なり、公共の資金提供を受けた論文を使い、結果を検証するために、その論文の生データの利用を主張している。」
BfR4:ジャーナリズムの視点で考えれば、IARCはハザード評価を行ったに過ぎないと正直に伝えるべきであった。国際連合食糧農業機関(FAO)/世界保健機関(WHO)合同残留農薬専門家会議(JMPR)は、WHOの委託によりグリホサートに関する最新のリスク評価を行った。JMPRは、BfR及び非EU加盟国の他の評価当局と同様、現在の科学的知見に基づけば、グリコサートは意図された目的で適切に使用されれば、食品を介したグリホサート摂取に由来するヒトに対する発がんリスクは予見されないと結論付けた。
地域 欧州
国・地方 ドイツ
情報源(公的機関) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
情報源(報道) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
URL http://www.bfr.bund.de/cm/349/open-letter-of-the-bfr-to-the-taz-die-tageszeitung.pdf
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