食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04650190470
タイトル 欧州疾病予防管理センター(ECDC)、欧州における薬剤耐性サーベイランス2015年報告書を公表
資料日付 2017年1月30日
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概要(記事)  欧州疾病予防管理センター(ECDC)は1月30日、欧州における薬剤耐性サーベイランス2015年報告書を公表した(120ページ)。
 本報告書は公衆衛生上重要である主な7種の微生物についての薬剤耐性を調査したものである。7種の微生物は、大腸菌(Escherichia coli)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、アシネトバクター属(Acinetobacter spp.)、肺炎レンサ球菌(Streptococcus pneumoniae)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、腸球菌(Enterococci)である。2015年報告書では、データは29か国から報告されており、また2012~2015年の期間の傾向分析もされている。
 総じて、薬剤耐性率は北部の国々では低く、南東部の国々では高くなっていた。これらの相違は、各国の抗菌性物質の使用、感染予防、感染管理習慣、医療機関利用パターンの違いに大いに関連していた。
 本報告書では特に、グラム陰性菌での懸念される状況に焦点を当てている。直近の4年間(2012~2015年)では、欧州連合/欧州経済領域(EU/EEA)全体で大腸菌及び肺炎桿菌での第三世代セファロスポリン耐性が有意に増加しており、また多くの個々の加盟国においても同様であった。第三世代セファロスポリン耐性分離株の大部分が基質特異性拡張型βラクタマーゼ(ESBL)を産生していた。第三世代セファロスポリン耐性はしばしば、フルオロキノロン耐性及びアミノグルコシド耐性との組合せで観察された。大腸菌及び肺炎桿菌でのこれらのタイプの複合耐性もまた、2012~2015年のEU/EEAにおいて顕著に増加していた。この増加傾向は薬剤耐性率の高い国と低い国の双方でみられた。
 EU/EEAの人口加重平均カルバペネム耐性率は肺炎桿菌では8.1%だったが、大腸菌では極めて低い値を保っていた(0.1%)。
 カルバペネム及び他の重要抗菌性物質グループの双方に耐性である細菌に感染した患者の代替治療は、併用療法や、ポリミキシン、例えばコリスチンなどのような薬効の低い、古い抗菌性物質に限定されることがしばしばある。欧州薬剤耐性サーベイランスネットワーク(EARS-Net)のサーベイランスでのポリミキシン感受性のデータはまだ完成しておらず、ポリミキシンの感受性試験は技術的に難しいが、数か国、特に既にカルバペネム耐性が高い割合となっている国で多数のポリミキシン耐性分離株の報告があることは、グラム陰性菌感染症への有効な抗菌性物質治療の選択肢が今後なくなることの兆候である。
 当該報告書は以下のURLから入手可能。
http://ecdc.europa.eu/en/publications/Publications/antimicrobial-resistance-europe-2015.pdf
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州疾病予防管理センター(ECDC)
情報源(報道) 欧州疾病予防管理センター(ECDC)
URL http://ecdc.europa.eu/en/publications/_layouts/forms/Publication_DispForm.aspx?List=4f55ad51-4aed-4d32-b960-af70113dbb90&ID=1637
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