食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04640060160
タイトル 英国食品基準庁(FSA)、アクリルアミドの摂取量低減キャンペーンの開始を公表
資料日付 2017年1月23日
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分類2 -
概要(記事)  英国食品基準庁(FSA)は1月23日、アクリルアミドの摂取量低減キャンペーンの開始を公表した。概要は以下のとおり。
1.当該キャンペーン「Go for Gold」は、FSAがオリンピック出場経験のあるアスリートDenise Lewis(訳注:2000年シドニー五輪のゴールドメダリスト(七種競技))と協力して行う。FSAは当該キャンペーンを通じ、家庭での調理の際に、発がん性が考えられる物質アクリルアミドへのばく露を最小限に抑えるにはどうすべきかに関して啓発する。
 Denise Lewisは、オリンピックのゴールドメダリストであり、4児の母でもある。
2.当該キャンペーンの主要な助言は以下のとおり。
①黄金色を目指そう。
 ばれいしょ、根菜類及びパンなど、デンプンを多く含む食品をフライにする、焼く、トーストする又はローストする場合は、目安として黄金色又はそれより薄い色にする。
②包装に書かれている内容をチェックしよう。
 チップス、ローストしたばれいしょ及びパースニップスなどの包装済み食品をフライにする又は電子レンジで加熱する場合は、包装に記されている加熱調理に関する指示を良く読み、それに従う。これらの注意書きは食品の正しい加熱調理のためにある。これにより、デンプンを多く含む食品を必要以上長に長時間又は高温で加熱調理するのを確実に防ぐことができる。
③種々の食品を摂取し、バランスの取れた食事をしよう。
 食品中のアクリルアミドのようなリスクを完全に回避することは不可能であるが、健康に良い、バランスの取れた食事をすることは、発がんリスク低減の一助となる。健康に良い食事とは、炭水化物を基本にした、1日に5皿分以上の野菜・果実を摂取する食事(5 A DAY)である。
④生のばれいしょは冷蔵庫の中で保存しない。
 ロースト又はフライにすることを意図した生のばれいしょは冷蔵庫で保存してはならない。冷蔵庫で保存したばれいしょはアクリルアミドの全体量を増加させる。生のばれいしょは、6℃以上の冷暗所で保存するのが理想である。
3.FSAは、FSAが行ったトータルダイエットスタディ(TDS)の結果を受けて当該キャンペーンを開始している。当該TDSでは、英国国民の現在のアクリルアミド摂取量は望ましいレベルを超えていることが分かった。
 FSAのSteve Wearne政策部長は、「アクリルアミドによるリスクの実際の程度に関しては明らかにすべき内容がまだあるものの、アクリルアミド摂取を低減するために政府、産業界及び他の部門がすべき重要なことがある。当該キャンペーンは、消費者のアクリルアミド摂取レベルを低減するためのFSAのより広範な取り組みの一環である」と述べた。
4.TDSについて
・背景
 現在のTDSは2014年に行われたアクリルアミドに関するTDSである。加熱調理された食品が138の食品カテゴリーに分類され、更に28の食品群に分類された。この28食品群について、アクリルアミドに関するサンプリングが行われた。
 2005年のアクリルアミドに関するTDS同様、2014年のTDSの狙いは、種々の年齢層集団における食事経由のアクリルアミドばく露の推定を行い、各年齢層集団ごとの食事経由ばく露に最も寄与する食品を特定することであった。
・結果
 アクリルアミド濃度が最も高かったのはスナック菓子であった(360μg/kg)。次いでばれいしょ加工品(181μg/kg)及び種々の穀類(65μg/kg)であった。アクリルアミド濃度が最も低かった又は検出限界値(LoD)未満だったのは、水道水及びボトル入り飲料水であった。
 2005年のTDSでの結果と同様、英国の食事における主要なアクリルアミド寄与源となる食品群は、種々の穀類及びばれいしょ加工品であった。
 2014年のTDSは、食品群別の検体を用意した初めての調査であった。全部で42種類の食品カテゴリーからの検体について分析が行われた。これらのカテゴリーは、食事経由のアクリルアミドばく露における寄与度を定量化するために更に絞られた。アクリルアミド濃度が最高(100μg/kg超)だったカテゴリーは、甘いビスケット及びセーボリービスケット(訳注:塩、香辛料などで風味付けしたビスケット)、加熱調理した生鮮ばれいしょ、加熱調理済みばれいしょ加工品及び他のスナック菓子(非ばれいしょ加工品)であった。
 アクリルアミド濃度が最低(10μg/kg以下)だったカテゴリーは、魚ベースの持ち帰り食品、コーヒー、ココア及びブランド入り食品・飲料(摂取する状態)、缶詰の又はジャー入りのトマト、スライスしていない白パン、木の実類、缶詰の又はジャー入りの豆類、肉又はイースト抽出物、他の穀物製品、スプレッド及びドレッシング、マッシュルーム、カブ及びスウェーデンカブ、他の缶詰の又は冷凍の果実、缶詰のモモ、洋ナシ及びパイナップルであった。
 TDSのほとんどの食品群でアクリルアミドは検出可能なレベルであった。従って、食事経由のアクリルアミドばく露は完全に回避することは不可能である。
 食事経由ばく露の主要寄与源はばれいしょ(特にフライドポテト)及びシリアル類(朝食用シリアル及び甘いビスケット)であった。ここ数年、食品中のアクリルアミド濃度を低減する努力が行われているが、食事経由ばく露が減少したかを示すエビデンスは十分ではない。
 欧州食品安全機関(EFSA)の報告に基づく英国のばく露レベルは2014年のTDSの結果と類似しており、他の欧州諸国のばく露レベルの範囲内であることが分かった。
 当該調査結果は英国の食事におけるアクリルアミドに関する懸念を増大するものではないが、FSAによる消費者に対する助言や、食品産業がアクリルアミドレベルを低減するためにFSAが行う支援努力は間違いなく再強化される。
 当該TDSの概要は以下のURLから入手可能。
https://www.food.gov.uk/science/research/chemical-safety-research/env-cont/fs102081
 「最終報告書:英国におけるTDS(2014年12月15日)」(12ページ)は以下のURLから入手可能。
https://www.food.gov.uk/sites/default/files/fs102081-tds-hallmark-report.pdf
 「TDS:アクリルアミドに関する調査フェーズ2、食品カテゴリー検体に関する分析(2016年4月)」(23ページ)は以下のURLから入手可能。
https://www.food.gov.uk/sites/default/files/pas-tds-acrylamide-phase2.pdf
 FSAによる助言は以下のURLから入手可能。
https://www.food.gov.uk/science/acrylamide-0
地域 欧州
国・地方 英国
情報源(公的機関) 英国食品基準庁(FSA)
情報源(報道) 英国食品基準庁(FSA)
URL https://www.food.gov.uk/news-updates/news/2017/15890/families-urged-to-go-for-gold-to-reduce-acrylamide-consumption
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