食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04630790482
タイトル 香港食物環境衛生署食物安全センター、一般向けの月刊ニュースレター「Food Safety Focus」2017年1月号を発行
資料日付 2017年1月18日
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概要(記事)  香港食物環境衛生署食物安全センターは1月18日、中国語・英語併記による月刊ニュースレター「Food Safety Focus」の1月号(第126号、PDF版4ページ)を発行した。
1. 注目の出来事:紅麹米と食品安全
 先月、米国が「赤米」の販売を禁止したとするデマが香港のソーシャルメディアで伝えられ、「赤米」にはコレステロール値を下げる化学物質が含まれ肝臓や筋肉に影響を与えるとされた。この出来事に関して、食物安全センターはフェイスブックで対応を行い、「赤米」と「紅麹米」を混同していると指摘した。本号では「赤米」と「紅麹米」の食品安全について議論する。
(1)赤米と紅麹米
1)赤米
2)紅麹米
 紅麹米はベニコウジカビにより米を発酵させたものである。赤米と違って紅麹米は主食にはならない。紅麹米はアジアにおいて何世紀にもわたり食用色素、調味料、肉類の保存料、醸造原料として用いられてきた。伝統的に、紅麹米は腐乳(訳注:サイコロ状に切った豆腐を発酵させてから塩に漬けたもの)、米酒、一部の中華料理に用いられる。
 使用する紅麹菌株や発酵状況により、様々な色素(紅麹米独特の色)や薬理活性物質(モナコリンK等)等、多くの種類の物質が産生される。
(2)紅麹米の安全性
1)紅麹米と紅麹色素
 紅麹米は食材や薬として長い歴史がある。「本草綱目」(訳注:中国の明の時代における代表的な本草学研究書)では紅麹米には毒性がないと記載している。しかし、海外の食品安全機関は紅麹米及び紅麹色素の毒性について評価を行っていない。紅麹米及びその色素の毒性に関する資料は非常に限られている。
2)モナコリンK
 紅麹の発酵中に生成されるモナコリンKは、降コレステロール薬のロバスタチンの有効成分と化学的性質が似ている。モナコリンKを含有する製品を摂ると血中コレステロール値に影響を与えるかもしれない。同時に、ロバスタチンを服用したときと同様な副作用(肝毒性や筋肉障害)や薬との相互作用を引き起こす場合もある。消費者は紅麹米やその製品中にモナコリンKがどれくらい含まれるか知ることができないが、米国食品医薬品庁(FDA)の検査では食品として販売されている紅麹米にはモナコリンKが全く含まれないか含まれていても微量であることが示された。
 米国において、ロバスタチンはFDAで認可された医薬品有効成分で、血中コレステロール値が高い患者の治療に用いられる。FDAは1998年、サプリメントとして販売予定だった紅麹米に比較的高濃度のモナコリンKが含まれていたことから、これを未認可の新薬と判定しサプリメントではないとした。これ以降、FDAは微量とはいえないモナコリンKを含有する紅麹米製品を販売する企業に対して何度か措置を講じている。
 欧州連合(EU)、欧州食品安全機関(EFSA)は紅麹米製品から摂取できるモナコリンKが一般の成人において一日当たり10mgの場合に「紅麹米中のモナコリンKはコレステロール値を正常に保つのを助けます」との健康強調表示ができるとしている。
(3)業界への助言
1)食品表示において強調表示は正しく誤解のないようにする。
2)香港において紅麹米又は紅麹色素は食用色素として使用してはならない (第132H章)。
(4)市民への助言
1)バランスのとれた食事の一環として、全粒穀物(赤米等)を加える。
2)紅麹米製品によってコレステロール値を下げたい場合は医療従事者に相談すること。
2. 食品安全プラットフォーム:「One Health」と食品安全-農場から食卓まで
3. 食品事故ハイライト
(1)食品中のピロリジジンアルカロイド
(2)食品中の基質特異性拡張型βラクタマーゼ(ESBL)産生腸内細菌
 先月、香港の研究において生の鶏肉100検体のうちの約68%からESBL産生腸内細菌が検出されたことが報告された。ESBL産生腸内細菌は主要な抗菌性物質に対して耐性を持つ細菌で、動物やヒトの腸管、植物や環境中に存在する。食品安全に関しては、これら細菌のうち少数が食中毒を引き起こす。これら細菌の挙動は非薬剤耐性菌と似ていることから、食品を十分に加熱さえすれば細菌は死滅するということに注意してほしい。
 薬剤耐性は国際的に懸念される公衆衛生上の大きな問題である。このため、政府はこの問題に対処するため薬剤耐性ハイレベル監督指導委員会を発足させた。食物安全センターは委員会の活動を補助する。業界及び消費者は食品の加熱を十分に行い、生の食品と加熱調理済みの食品の交差汚染を防ぎ、食材を処理する際は個人衛生、食品衛生、環境衛生を保たなければならない。
4. リスクコミュニケーション関連業務の概要
地域 アジア
国・地方 香港
情報源(公的機関) 香港食物環境衛生署食物安全センター
情報源(報道) 香港食物環境衛生署食物安全センター
URL http://www.cfs.gov.hk/english/multimedia/multimedia_pub/files/FSF126_2017_01_18.pdf
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
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