食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04610700316
タイトル ドイツ連邦消費者保護・食品安全庁 (BVL)、人獣共通感染症に関するモニタリング結果(2015年)を公表
資料日付 2016年11月21日
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分類2 -
概要(記事)  ドイツ連邦消費者保護・食品安全庁 (BVL)は11月21日、人獣共通感染症に関するモニタリング結果(2015年)を公表した(ドイツ語、75ページ)。概要は以下のとおり。
1.モニタリング結果から、サルモネラ属菌のキャリアとして豚が部分的に寄与しており(糞便検体の5~10%が陽性)、と畜時にと体及び肉がサルモネラ属菌に汚染される場合があることが示された。特に、生の豚肉(挽肉など)を摂取する一部の慣習が、豚肉によるヒトのサルモネラ属菌感染に繋がる可能性がある。
 薬剤耐性検査では、子豚(体重30kgまでなど)、肉用子牛及び若齢牛に由来するサルモネラ属菌で薬剤耐性を有する割合が最も大きかった。
 2015年人獣共通感染症モニタリングでは、フードチェーンのあらゆる段階から全部で6
,106検体が収集され、重要な食品媒介病原体について調査が行われた。得られた分離株2
,063株に関して、ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)による特徴付け及び特定の抗生物質に対する耐性に関する調査が行われた。
2.主な結果は以下のとおりである。
2-1:サルモネラ属菌
・哺乳子豚生産農場での調査では、繁殖用雌豚の糞尿検体の5.6%、子豚の糞尿検体の10.3%がサルモネラ属菌を保菌していた。
・と畜施設での調査では、と体の4.5%がサルモネラ属菌検査陽性であった。
・小売り生鮮豚肉では0.4%がサルモネラ属菌検査陽性であった。
・豚肉のサルモネラ属菌汚染率は比較的低いが、一部に生肉摂取の食習慣があることから、豚肉は依然としてヒトのサルモネラ属菌感染の重要な感染源である。
2-2:ベロ毒素産生性大腸菌(VTEC)
・と畜施設での調査では、肉用子牛及び若齢牛の盲腸検体の25.7%から、また小売段階での調査では、生鮮牛肉検体の0.9%から検出された。特に、腸管出血性大腸菌感染症及び溶血性尿毒症症候群(HUS)の原因菌として知られるO群VTECが検出されている。
2-3:コアグラーゼ陽性ブドウ球菌
・めん羊及び山羊の生乳(未処理乳)に由来するチーズ検体の9.3%で検出された。検体の1.2%が菌数が汚染度の大きい10万CFU(コロニー形成単位)/gを超えていた。この調査結果は、生乳(未処理乳)の生産においては、乳生産動物の乳房の健康に関して高水準の義務要件が求められる、また、公衆衛生及び生産衛生が遵守されるべきであると示している。乳中のブドウ球菌は、チーズ生産工程で多く増殖する。
2-4:メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)
・繁殖用雌豚検体の26.3%から検出された。肥育用子豚では、依然として有意に高い検出率であった(41.3%)。これらの結果は、肥育後に市場に出る豚が肉用豚生産施設のMRSA汚染リスクの一つであると示している。
・肉用豚のと体及び生鮮豚肉のMRSAによる汚染率は、それぞれ20%及び13%であった。
2-5:基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ(ESBL)/AmpC産生大腸菌
・繁殖用雌豚及び子豚の糞便検体の47.6%、肉用豚の糞便検体の53.9%から検出された。
・と畜施設での検査では、肉用子牛及び若齢牛の盲腸検体の60.6%が検査結果陽性で、豚と比べても汚染率は大きかった。
・生鮮豚肉及び生鮮牛肉におけるESBL/AmpC汚染率は、それぞれ5.7%及び4.0%であった。
・現在の知見に基づけば、ESBL/AmpC産生大腸菌は食品を介してヒトにも伝播する可能性が考えられるものの、現時点では感染リスクは推測できない。
2-6:Dunker’scher Muskelegel
・Dunker’scher Muskelegelは、吸虫Alaria alataのメソセルカリアである。イノシシのトリヒナ検査で多く検出されている。今回の人獣共通感染症に関するモニタリングでは、イノシシ検体の4.7%から検出された。この結果は、イノシシ肉がヒトのDunker’scher Muskelegel感染の潜在的な感染源であることを示している。
 しかし、現時点では、ヒトの感染例は北米で数例が報告されているのみである。メソセルカリアを含むイノシシ肉を十分加熱しないで摂取したことが原因であった。
2-7:薬剤耐性
・2015年の調査の結果、薬剤耐性の割合は前年と比べて全体的に減少した。しかし、MRSA分離株で、シプロフロキサシン及び他の重要なヒトに使用する抗生物質に対する耐性獲得が加速度的に増大したことに留意すべきである。
・豚肉チェーンから分離された大腸菌の50~70%が、1種類以上の抗生物質に対する耐性を有していた。
・子豚からの分離株で、多種類の抗生物質に対する耐性を有する割合が最大であった。また、1種類の抗生物質に対する耐性に関しては、肉用子牛及び若齢牛の盲腸検体からの大腸菌分離株が、牛肉からの分離株と比べて高い割合であった(それぞれ46.1%及び11.5%)。
 当該報告書「人獣共通感染症モニタリング(2015年)」は以下のURLから入手可能。
http://www.bvl.bund.de/SharedDocs/Downloads/01_Lebensmittel/04_Zoonosen_Monitoring/Zoonosen_Monitoring_Bericht_2015.pdf?__blob=publicationFile&v=6
地域 欧州
国・地方 ドイツ
情報源(公的機関) ドイツ連邦消費者保護・食品安全庁(BVL)
情報源(報道) ドイツ連邦消費者保護・食品安全庁(BVL)
URL http://www.bvl.bund.de/DE/08_PresseInfothek/01_FuerJournalisten/01_Presse_und_Hintergrundinformationen/01_Lebensmittel/2016/2016_11_21_PI_Zoonosen_Monitoring.html
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