食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04600880295
タイトル 国際連合食糧農業機関(FAO)、FAO/世界保健機関(WHO)合同食品添加物専門家会議(JECFA)の第83回会合の結論と概要を公表(2/2)
資料日付 2016年11月23日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  国際連合食糧農業機関(FAO)は11月23日、FAO/世界保健機関(WHO)合同食品添加物専門家会議(JECFA)の第83回会合の結論と概要を公表した。概要は以下のとおり。
 5.3-MCPDエステル
・3-MCPDエステルは、1種類又は2種類の同一の又は異なる脂肪酸でエステル化された3-MCPDの一般的な用語である。油脂中の脂肪酸の組成によって種々の3-MCPDエステルが加工過程で生成される可能性がある。精製された植物油又は油脂を含む食品からは、主にジエステルが検出される。精製オイル中の3-MCPDエステルの濃度は、低い順に、ナタネ油、大豆油、ひまわり油、べにばな油、クルミ油、パーム油である。
・3-MCPDエステルは、JECFAによる評価は行われてこなかった。3-MCPDは第41回、第57回及び第67回会合で評価が行われている。第67回会合では、ラットでの長期発がん性試験における腎臓の尿細管過形成に対する最小影響量(LOEL)、1.1mg/kg体重/日に基づき、PMTDIを2μg/kg体重と設定した。明確な無作用量(NOEL)が無いこと、雄の生殖機能への影響及び生殖毒性試験における不十分さを考慮し、不確定係数500を適用した。
・試験で得られたエビデンスでは、3-MCPDエステルは腸管内で3-MCPDに加水分解され、遊離3-MCPDとして毒性を生じる。従ってJECFAは、3-MCPDエステルが完全に加水分解され3-MCPDになるとの保守的な前提に基づき、評価を行った。
 実質的な加水分解を裏付ける実験データが、離乳後の動物での試験から導かれているが、JECFAは、新生児の腸内における実質的な加水分解能力は効率良く(efficient)、従って、同様の前提が新生児の集団に拡大適用できると結論付けた。
 ラットの3-MCPD及び3-MCPDエステルの主な標的臓器及びマウスの3-MCPDの主な標的臓器は、腎臓及び雄の生殖器官である。3-MCPDは2種類の系統のラットで発がん性を有していたが、マウスでは発がん性は見られなかった。3-MCPDの潜在的な遺伝毒性はin vivoでは示されなかった。極めて重要な試験として、2つのラットでの長期発がん性試験が特定され、腎臓の尿細管過形成が、最も感受性の高いエンドポイントとして特定された。
 雄ラットでの尿細管過形成の最も低いBMDL10は0.87mg/kg体重/日と算出された。JECFAは、不確実係数を200として、3-MCPD及び3-MCPDエステル(単独又は組合せ、3-MCPD等量として表す)のグループPMTDIを4μg/kg体重と算出した。全体の不確実係数200には、生殖毒性試験における不十分さに関連する係数である2が組み込まれている。
・第57回会合で設定され、第67回会合で維持された以前の3-MCPDのPMTDIである2μg/kg体重は取り下げられた。
・JECFAは、油脂に関する状況とは対照的に、複合食品中の3-MCPDエステルを測定する方法に関しての公表された共同研究が無いことに留意した。従って、複合食品からの分析データの解釈には注意が必要である。JECFAは、更に、研究機関の間での比較の欠如、また、熟達した試験法から得られるデータが無いために、異なる地域からの同一の食品に関して報告された濃度を比較するには不確実性があることに留意した。
・JECFAは、一般集団における食事経由の3-MCPD推定ばく露は、最大で3.8μg/kg体重/日の高摂取群であっても、新たなPMDTIを超えないことに留意した。しかしながら、乳児用調製乳を与えられる乳児における食事経由の平均推定3-MCPDばく露量は、生後一か月間で10μg/kg体重/日のように、一部の国々では新たなPMTDIを最大で2.5倍まで超える可能性がある。
・現在の評価は3-MCPDエステルに特化したものであったが、JECFAは、一部の食品からは3-MCPDエステル同様2-MCPDエステルが検出される可能性に留意した。しかしながら、ハザードを特定するには、GEMS/Food contaminants(訳注:地球環境モニタリングシステム/食品汚染モニタリングプログラム)のデータベースにおいて、食品中の2-MCPD及び2-MCPDエステルの存在量に関する入手可能なデータは、現在限定的であり、毒性学データベースは現在不十分である。
6.ステリグマトシスチン
・ステリグマトシスチンは、JECFAによる評価は行われてこなかった。
 食事経由の平均及び最大推定ばく露が算出された。アッパーバウンド(UB)及びローアーバウンド(LB)に基づく成人における平均推定に関するばく露マージン(MOE)は、9
,400~530
,000超であった。最も低いMOEはアフリカ地域で見られた(高ばく露のUB~LBで4
,700~5
,000、平均ばく露のUB~LBで9
,400~10
,000)。JECFAは、これらの推定は成人集団のみに基づき且つ1種類の食品(ソルガム)のみが考慮されたことから、ヒトの健康への懸念が示される場合があると指摘した。
 検体からステリグマトシスチンが検出されていない欧州又は日本の場合に関してはMOEは計算しなかった。
7.フモニシンとアフラトキシンの共汚染
 以前及び現在の評価で得られた実験動物でのエビデンスからは、前がん病変又は肝細胞がんの発生におけるフモニシン及びアフラトキシンの共汚染における付加又は相乗効果が示唆されているものの、現時点では、ヒトにおけるそのような作用に関する入手可能なデータは無い。
 当該概要(15ページ)は以下のURLから入手可能。
http://www.fao.org/3/a-bq821e.pdf
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) 国際連合食糧農業機関(FAO)
情報源(報道) 国際連合食糧農業機関(FAO)
URL http://www.fao.org/documents/card/en/c/feb0d3a7-cb80-4dd6-a03a-403bd20d0db4/
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。