食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04600870295
タイトル 国際連合食糧農業機関(FAO)、FAO/世界保健機関(WHO)合同食品添加物専門家会議(JECFA)の第83回会合の結論と概要を公表(1/2)
資料日付 2016年11月23日
分類1 --未選択--
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概要(記事)  国際連合食糧農業機関(FAO)は11月23日、FAO/世界保健機関(WHO)合同食品添加物専門家会議(JECFA)の第83回会合の結論と概要を公表した。概要は以下のとおり。
 第83回会合は、2016年11月8日~17日に開催された。
 この会合の報告書はWHOのテクニカルレポートシリーズで公表される予定である。また、当該会合で検討された汚染物質又は汚染物質グループに関する毒性学及び食事経由ばく露のモノグラフは、WHOの食品添加物シリーズNo.74で公表される予定である。
 今回の概要の主な内容は以下のとおり。
1.アフラトキシン類
・JECFAは、第49回会合での結論を再確認した。即ち、動物実験及びヒトでの疫学調査に基づき、アフラトキシンは潜在的な変異原性及び発がん性の最も強い物質の一つであり、B型肝炎ウイルス(HBV)感染はアフラトキシンに肝臓がんを誘発させる重要な寄与因子である。
 特にアフリカ地域で急性アフラトキシン中毒症の集団発生の報告が増加していることを受け、JECFAは急性ばく露に関する入手可能なデータを検討した。アフラトキシンB1(AFB1)を20~120μg/kg体重/日という濃度で1~3週間、又は1mg/kg以上の濃度でAFB1を含む主食を摂取することにより、急性アフラトキシン中毒症(死亡する場合もある)を引き起こす可能性が疑われるであろう。
 食事経由急性ばく露に関しては評価を行わなかったが、食事経由推定慢性ばく露量については、急性の影響を引き起こす用量よりも2~5桁少ないと指摘した。
・JECFAは、ready to eat(RTE)ピーナッツについて異なる基準値(ML)ごとの影響評価を行った。その結果、RTEピーナツに対しMLを15μg/kgに設定するのと比べ、MLを10、8又は4μg/kgに強化すれば、一般集団におけるアフラトキシンの食事経由ばく露の影響は殆どないと考えられる。MLが4μg/kgの場合、世界規模で廃棄されるRTEピーナッツは、MLが15μg/kgの場合の約2倍となると考えられる(廃棄率は、約20%に対して約10%)。
2.ジアセトキスシルペノール(DAS)
・4
,15-DASもしくはアングイジンは、トリコテセンかび毒であり、T-2トキシン及びHT-2トキシンと類似した構造を持つA型トリコテセンである。
 4
,15-DASはこれまでJECFAによる評価は行われてこなかった。第47回会合で、構造的に関連性のあるA型トリコテセンT-2トキシン及びHT-2トキシンについて評価が行われた。今回の会合では、4
,15-DASに関して評価が行われた。JECFAは、入手可能な毒性学データが不十分であることから、 4
,-15-DAS単独のリスク評価に関してはPOD(Point of departure:毒性反応曲線の基準となる出発点)を導き出すことはできないと結論付けた。
 入手可能な短期間の毒性試験は限定的であり、慢性ばく露及び生殖毒性・発達毒性に関する研究データは無い。
・T-2トキシン及びHT-2トキシン(単独又は組合せ)の暫定最大耐容一日摂取量(PMTDI)は、豚での3週間給餌ばく露試験における白血球細胞数の変化に関連する最小毒性量(LOAEL)である0.03mg/kg体重/日を根拠に、不確実係数を500として0.06μg/kg体重と設定された。同様のin vitro及びin vivoエンドポイントを比較した場合を考慮すれば、このグループPMTDI0.06μg/kg体重に4
,15-DASを含むのは安全側に立った考えであると言える。T-2トキシンは4
,15-DASと比べ、一貫して強力である。
3.フモニシン類
・第74回会合の結論を再確認した。即ち、フモニシンは広範に亘る有毒作用と関連性があり、肝臓及び腎臓が最も感受性の高い標的臓器である。
・2011年の評価以降入手可能となった複数の論文を吟味し、2012年に公表されたBondyによる論文を、当該評価に関して引き続き最も妥当であると結論付けた。JECFAは、当該論文の研究データに関して評価を行い、以前行われた全体的な毒性学的評価を変更しないと結論付けた。これにより、フモニシンB1(FB1)、フモニシンB2(FB2)及びフモニシンB3(FB3)(単独又は組合せ)に関して、以前に設定されたグループPMTDIである2μg/kg/体重が維持された。
4.グリシジルエステル類
・グリシジルエステル類は、JECFAによる評価は行われてこなかった。
 グリシジルエステルは遺伝毒性を有する化合物であり、JECFAは、PODとなる最も感受性の高いエンドポイントでの発がん性について検討した。雄のラットの精巣鞘膜/腹膜の中皮腫に対する最も低いBMDL10は2.4mg/kg体重/日であった(米国国家毒性プログラム:NTP、1990年)。
 JECFAは、脂肪及び油脂に関する状況とは対照的に、複合食品中のグリシジルエステルを測定するための方法に関する共同研究はないことに留意した。
・JECFAは、乳児、子ども及び成人におけるばく露マージン(MOE)の低い方の値が、遺伝毒性及び発がん性を有する化合物に対して低く、また、それらのMOEがヒトへの健康への懸念を示す可能性があることを考慮した。
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) 国際連合食糧農業機関(FAO)
情報源(報道) 国際連合食糧農業機関(FAO)
URL http://www.fao.org/documents/card/en/c/feb0d3a7-cb80-4dd6-a03a-403bd20d0db4/
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