食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu04530960314 |
タイトル | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、生乳(未処理乳)を介したダニ媒介性脳炎(TBE)ウイルスの伝播に関するQ&Aを公表 |
資料日付 | 2016年7月27日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は7月27日、生乳(未処理乳)を介したダニ媒介性脳炎(TBE)ウイルスの伝播に関するQ&A(2016年7月27日付けFAQ)を公表した。概要は以下のとおり。 TBEは、ダニが媒介するウイルス性の感染症である。重症例では、中枢神経系における炎症に繋がる場合がある。 生乳(未処理乳)の摂取を介してTBEに感染した消費者の散発事例が複数報告されていることから、BfRはFAQを作成した。 Q1:TBEとは? A1:フラビウイルス科フラビウイルス属のウイルスによって生じるヒトの疾病である。このウイルスに感染すると風邪に似た症状が起こる場合があり、重症化すれば中枢神経系が炎症を起こす場合もある(髄膜炎、髄膜脳炎及び脊髄炎)。 Q2:TBEの感染経路は? A2:多くの場合、TBEウイルス感染はダニに噛まれることで生じる。家畜などの動物も感染する場合がある。感染すれば、ウイルスは体内で増殖し、数日後に乳を通して排泄される。従って、消費者が生乳(未処理乳)の摂取を介してTBEに感染する可能性がある。 Q3:ライム病も生乳(未処理乳)を介して感染する可能性があるのか? A3:TBEの他に、ダニはライム病の原因となる細菌Borrelia burgdorferiを伝播する場合がある。ドイツでは、TBEの発生は一部の地域でしか見られないが、ライム病感染リスクはドイツ全土で想定される。しかし、現時点では、生乳(未処理乳)の摂取後にライム病に感染したとの症例は報告されていない。 Q4:TBEはどの国で発生しているのか? A4:TBEウイルスを媒介するダニは、欧州の多くの国々、ロシア及びアジアに生息する。ロベルト・コッホ研究所(RKI)が、ドイツにおけるTBEリスク地域を示すマップを毎年公表している。ドイツではバーデンビュルテンベルグ州、バイエルン州、ヘッセン州及びテューリンゲン州の南部が最もリスクの大きい地域である。 Q5:ドイツにおける乳を介したTBE感染の深刻さはどの程度か? A5:ダニに噛まれたことによる感染に比べ、生乳(未処理乳)摂取が原因の症例は非常に稀である。 2005年及び2006年にエストニア、ラトビア及びスロバキアで、山羊の生乳(未処理乳)の摂取後に散発性の集団食中毒が報告された。2008年にオーストリアで、山羊の生乳(未処理乳)から作るクリームチーズを摂取した後に4人が発病した。 2016年にバーデンビュルテンブルグ州で、山羊の生乳(未処理乳)を摂取後に発病した2人の患者が報告されている。殺菌処理済み乳又は高温殺菌乳の摂取に起因すると考えられる患者は報告されていない。 Q6:消費者が身を守るにはどうすべきか? A6:TBEのワクチン接種が可能である。RKIのワクチン接種に関する特別委員会(STIKO)は、林業及び農業従事者など、職業上TBE感染リスクが考えられる人たちなどにはワクチン接種を推奨している。 Q7:消費者が乳中のTBEウイルスから身を守るにはどうすべきか? A7:TBE病原体は熱に弱く、乳を十分加熱すれば(殺滅処理、超高温加熱処理又は煮沸など)死滅する。リスク集団は、認証済み生乳を煮沸して摂取すべきである。一般的に、生乳(未処理乳)は摂取する前に加熱するべきである。 Q8:TBE感染が特に危険となる集団はあるか? A8:高齢者及び一部の基礎疾患(免疫不全など)を持つ人たちにおいては、重症化する可能性がある。 Q9:ドイツにおける生乳(未処理乳)及び認証済み生乳の販売に関する法律はあるのか? A9:ドイツでは、疾病予防の観点から、生乳(未処理乳)の販売は原則禁止されている。例外は「農家の乳」である。「農家の乳」を販売する農家に対しては、衛生上の特段の要件はない。しかし、「生乳(未処理乳)につき、煮沸してから摂取すべし」と販売時に明確に示さなければならない。 もう一つの例外は、「認証済み生乳」である。これは、特別に管理された乳牛に由来する包装済み乳で、小売店で販売される。特別な衛生規則で管理される認証済み生乳は、生で摂取することも認められるが、特に脆弱者集団が感染する病原体を含む可能性を完全には排除できない。認証済み生乳の包装には、「生乳(未処理乳)」及び消費期限と共に、保存する場合は8℃以下でとの表記を行わなければならない。 Q10:生乳(未処理乳)から作られる食品に関する規則は? A10:生乳(未処理乳)から作られる全ての食品は、その旨を示さなければならない。例えば、包装されたチーズ製品には「生乳(未処理乳)を使って生産された」との表記が求められる。ドイツの種々のチーズの大半は、殺菌乳から作られる。 生乳(未処理乳)から作られるドイツのチーズと言えば、アルゴイ産ベルクケーゼ及びエメンタールであるが、これらのハードチーズ中に細菌が尚も存在したとしても、長期の熟成期間を経れば大半は生存しない。 一方、クリームチーズは非熟成チーズで、通常は熱処理(殺菌)した乳又は無脂肪乳を凝乳化して作る。クワルク、生鮮クリームチーズ、カッテージチーズなどがあり、製造後すぐに摂取することが可能である。 |
地域 | 欧州 |
国・地方 | ドイツ |
情報源(公的機関) | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR) |
情報源(報道) | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR) |
URL | http://www.bfr.bund.de/cm/349/questions-and-answers-on-the-transfer-of-tbe-viruses-through-raw-milk.pdf |
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本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。
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