食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04520900314
タイトル ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、3-MCPD脂肪酸エステル、2-MCPD脂肪酸エステル及びグリシドール脂肪酸エステルによる食品汚染に関するQ&Aを公表(2/2)
資料日付 2016年7月7日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は7月7日、3-MCPD脂肪酸エステル、2-MCPD脂肪酸エステル及びグリシドール脂肪酸エステルによる食品汚染に関するQ&Aを公表した。概要は以下のとおり。
Q5:グリシドール及びその脂肪酸エステル類による有害な影響として分かっているのは?
A5:グリシドールには遺伝毒性及び発がん性があり、国際がん研究所(IARC)、ドイツ学術振興会(DFG)のMAK(許容濃度委員会)など種々の科学機関が、ヒトに対しておそらく発がん性があると分類している。バイオアベイラビリティ研究では、グリシドール脂肪酸エステルは臓器中に侵入し、ほとんどの場合グリシドールが放出されることが示された。グリシドールには潜在的な遺伝毒性が考えられることから、グリシドール脂肪酸エステルに関しては、許容できる摂取基準値を設定することは不可能である。
Q6:食品中のグリシドール及びグリシドール脂肪酸エステルの濃度は、どのくらいであるべきか?
A6:原則として、食品中のグリシドール又はグリシドール脂肪酸エステルは可能な限り最小限にするべきである。2009年のBfRによるレビューと同様、EFSAは、グリシドール又はグリシドール脂肪酸エステルのリスク評価にばく露マージン(MOE)手法を用いた。BfRによる意見書に基づき、EFSAは、動物実験で、グリシドール脂肪酸エステルのMOEを決定するための基準点(reference point)のT25値であるグリシドール10.2mg/kg体重/日を導き出した。このT25値のMOEは25
,000よりも大きくなると考えられる。
Q7:3-MCPD脂肪酸エステル、2-MCPD脂肪酸エステル及びグリシドール脂肪酸エステルはどの食品で検出されたのか?
A7:精製した食用油及び脂肪及びその製品(マーガリン、ベーカリー及びペストリー類、多量の油を使ったフライ(deep-fried)製品、種々のスナック菓子製品及び乳児用調製乳・フォローアップ調製乳で検出された。
 最新のデータは、EFSAの2016年の意見書で示されている。この意見書には、食品中のこれらの加工汚染物質の分布について、欧州連合(EU)加盟国のうち23か国からのデータ(2009年~2015年)に関する合計7
,175件の分析結果が盛り込まれている。
 ドイツにおける推定ばく露に関するデータベースの精度を向上させるために、BfRは、食品中の3-MCPD脂肪酸エステル、2-MCPD脂肪酸エステル及びグリシドール脂肪酸エステルの分布に関するデータ収集プロジェクトを開始した。
Q8:検出された濃度の3-MCPD脂肪酸エステルは、消費者、特に乳児の健康に対して高いリスクとなるのか?
A8:EFSAがデータ分析から推定した平均ばく露量は、特に若年集団(1歳超10歳未満の子供)において、TDIの0.8μg/kg体重/日を有意に超えていた。工業生産される乳児用調製乳のみを与えられる乳児において、ばく露量が特に大きかった(平均で2.4μg/kg体重/日)。
 これはTDIを3倍以上超過していたことから、EFSAは、健康影響が懸念されると考える。
Q9:検出されたグリシドール脂肪酸エステルの濃度により、どのような健康影響が考えられるか?
A9:EFSAは、特に、乳児用調製乳(初期及びフォローアップ乳)のみを与えられる非母乳哺育児を含む若年集団が摂取するグリシドールの濃度による健康影響が懸念されるとしている。
 従って、グリシドール脂肪酸エステルの濃度を、「合理的に達成可能な範囲で出来る限り低く」との考え(ALARAの原則)に基づき最小化する措置が必要である。
Q10:母乳哺育ではなく、工業生産される乳児用調製乳で哺育する母親はどんなことを注意すべきか?
A10:乳児用調製乳は、生後直後の数か月間に必要な栄養を考慮して調整されている。また、個々の成分は、栄養に関する最新の科学的知見に基づいて調整されている。
 3-MCPD脂肪酸エステル、2-MCPD脂肪酸エステル及びグリシドール脂肪酸エステルが精製植物油から検出されたことから、これらは、乳児用調製乳からも検出される。
 非母乳哺育児に対するこれらの物質の高負荷が分かったのはここ数年であるが、おそらく数十年前から生じていたと考えられる。現時点では、工業生産される乳児用調製乳が乳児の健康に対して有害であると示すエビデンスはない。
 BfRは、非母乳哺育児の現在のばく露レベルでは健康影響が考えられる可能性はほとんどないであろうと考える。
 非母乳哺育児には、乳児用調製乳に代わる選択肢はない。BfRは、保護者に対しては必要な場合は乳児用調製乳の使用を推奨する。乳児用調製乳は、乳児にとって不可欠な栄養を正しい成分で調整しているからである。
地域 欧州
国・地方 ドイツ
情報源(公的機関) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
情報源(報道) -
URL http://www.bfr.bund.de/de/fragen_und_antworten_zur_kontamination_von_lebensmitteln_mit_3_mcpd___2_mcpd__und_glycidyl_fettsaeureestern-10538.html
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