食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04490910295
タイトル 国際連合食糧農業機関(FAO)、FAO/世界保健機関(WHO)合同残留農薬物専門家会議(JMPR)の報告書を公表(2/2)
資料日付 2016年5月30日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  国際連合食糧農業機関(FAO)は5月、FAO/世界保健機関(WHO)合同残留農薬物専門家会議(JMPR)の報告書を公表した。概要は以下のとおり。
 この会議は2016年5月9日~13日に開催された。

3-3 マラチオン
1)毒性学的評価
・ADIである0~0.3mg/kg体重を再確認した。これは、ラットでの2年間毒性及び発がん性試験(安全係数100)における、脳のアセチルコリンエステラーゼ活性阻害に基づくNOAELである500ppm(29mg/kg体重/日に相当)(1997年の会議で設定)に基づく。このADIと、マウスにおける肝臓腺腫発現用量及びラットにおける鼻腺腫発現用量とのばく露マージン(MOE)は、それぞれ5
,000及び1
,200であった。
・男女のボランティア被験者に関して行われた試験での、赤血球のアセチルコリンエステラーゼ活性阻害に基づくNOAELである15mg/kg体重(安全整数10)(2003年の会議で設定)に基づき、ARfDである2mg/kg体重が再確認された。
 このARfDは、男女のボランティア被験者に関して行われた別の試験でのNOAELである15mg/kg体重により裏付けられる。マラチオンに対するアセチルコリンエステラーゼの感受性は、ヒトではラットと比べて僅かに低い(2倍未満)ことから、このARfDは保守的な(conservative)数値と考えられている。
・JMPRは、マラチオンの代謝物マラオクソンはマラチオンよりも約30倍毒性が強いと結論付け、これに基づき、マラオクソンの食事経由推定ばく露(急性及び慢性)推定に使われる残留濃度は、潜在的リスク要因を30倍にして考慮すべきとした。
・このADI及びARfDは、いずれも、マラチオン及び親化合物としてのマラオクソンの総量に関して設定された。取り上げられた他のマラチオン代謝物は、親化合物よりも潜在的な影響を及ぼす強さが低いことから、マラチオンのADI及びARfDでカバーできると考えられる。不純物イソマラチオンは、食品中の濃度によってはリスク評価の際に考慮する必要性が考えられる。
2)食事経由リスクに関する評価
・通常、食品中のマラオクソン濃度は、マラチオン濃度の約3%である。もしマラオクソンを食事経由リスクに関する評価における残留として捉えるのであれば、健康を考慮したガイドラインとの比較用に算出された以下のばく露量が、およそ2倍となると考えられる。
2)-1:長期食事経由ばく露
・マラチオンのADIは0~0.3mg/kg体重である。マラチオンのIEDIsは、最大ADIの0.1~0.5%と推定された。JMPRが考慮してきたマラチオンの使用による残留への長期食事経由ばく露が公衆衛生上の懸念となるとは考えられないと結論付けられた。
2)-2:短期食事経由ばく露
・マラチオンのARfDは2mg/kg体重である。マラチオンのIESTIは、一般集団ではARfDの0~5%、子供では0~9%と算出された。JMPRが考慮したマラチオンの使用による残留への短期食事経由ばく露が公衆衛生上の懸念となるとは考えにくいと結論付けられた。
3.提言
 遺伝毒性研究を評価する際のガイドラインの策定に当たっては、この会議での結果を考慮すべきである。
 JMPRの報告書「食品中の残留農薬(2016年報告書)」(123ページ)は以下のURLから入手可能。
http://www.fao.org/3/a-i5693e.pdf
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) 国際連合食糧農業機関(FAO)
情報源(報道) 国際連合食糧農業機関(FAO)
URL http://www.who.int/foodsafety/areas_work/chemical-risks/jmpr/en/
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