食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04480230295
タイトル 国際連合食糧農業機関(FAO)、FAO/世界保健機関(WHO)合同残留農薬物専門家会議(JMPR)の概要報告書を公表
資料日付 2016年5月18日
分類1 --未選択--
分類2 --未選択--
概要(記事)  国際連合食糧農業機関(FAO)は5月16日、FAO/世界保健機関(WHO)合同残留農薬物専門家会議(JMPR)の概要報告書を公表した。概要は以下のとおり。
 この会議は2016年5月9日~13日に開催された。
1.許容一日摂取量(ADI)及び急性参照用量(ARfD)のデータに関する評価
1)ダイアジノン
 食事経由ばく露によるヒトに対する発がん性は考えられないと結論づけた。アセチルコリンエステラーゼ活性阻害作用をエンドポイントとして、ADI 0~0.003mg/kg体重を設定した。また、2006年にJMPRがラットにおける急性(神経)毒性に基づき設定したARfD 0.03mg/kg体重を再確認した。
2)グリホサート
 グリホサートへの職業ばく露後のがん発症に関する、幾つかの疫学研究が入手可能である。それら研究での評価は、非ホジキンリンパ腫(NHL)の発症に的を絞っている。全般的に、症例対照研究及び全てのメタ解析において、グリホサートへのばく露とNHLのリスク間の正の関連を示す科学的根拠もある。しかしながら、唯一の質の高い大規模のコホート研究で、いかなるばく露レベルでも、関連を示す科学的根拠がなかったことは注目に値する(notable)。グリホサートは、広範な生物種において、様々な試験手法を使用して、遺伝毒性の影響について、広範囲に試験されてきた。総合的な科学的根拠の重み付けでは、2
,000mg/kg体重の高用量でのグリホサート及びその製剤のヒトの摂食ばく露に最も関係がある経口投与では、ヒトに対する遺伝毒性の評価に適切であると見なされるモデルである哺乳類で行った試験の圧倒的多数において、遺伝毒性の影響との関連がないことを示した。今回の会議では、グリホサートは、予想される摂食によるばく露量で、遺伝毒性を示すとは考えにくい(unlikely)と結論付けた。
 幾つかのマウス及びラットでの発がん性の試験結果が入手可能である。今回の会議では、グリホサートは、ラットにおいて発がん性はないが、しかし、非常に高い用量のマウスにおいて、発がん性がある可能性を取り除けないと結論付けた。今回の会議では、ヒトに関係する用量(human-relevant doses)におけるげっ歯類での発がんの可能性の欠如(absence)、哺乳類での経口投与による遺伝毒性の欠如及び職業ばく露の疫学的根拠の検討を考慮して、グリホサートは、食事由来のばく露で、ヒトに対して発がん性のリスクをもたらすとは考えにくいと結論付けた。
 今回の会議では、唾液腺での影響に基づいて、グリホサート及びその代謝物の合計で0~1mg/kg体重に設定されたグループADIを再確認した。今回の会議では、グリホサートの低い急性毒性を考慮して、グリホサート又はその代謝物にARfDを設定する必要はないと結論付けた。
3)マラチオン
 ADI 0~0.3mg/kg体重を再確認した。このADIと発がん用量との間のばく露マージン(MOE)は、マウスで5
,000倍、ラットで1
,200倍高まる。ARfD 2mg/kg体重を再確認した。マラチオンの代謝物マラオキソンはマラチオンよりも約30倍毒性が強いと結論付け、これに基づき、マラオキソンの食事経由推定ばく露(急性及び慢性)算出に使われる残留濃度には、30倍のばく露要因を考慮すべきとした。
2.FAQ(抜粋)
Q:ダイアジノン、グリホサート及びマラチオンに関するJMPRによる結論(2016年5月)は、2015年にIARCが公表したハザード分類と矛盾するのか?
A:いいえ。JMPRの評価書は、IARCがこれら3種類の化合物に関して行った評価結果を、データ及び解釈を踏まえて考慮した。
 IARC及びJMPRの作業は補完的ではあるが異なり、個々の機能は、公衆衛生にとってハザードである可能性を特定し、その後そのようなハザードのリスクのレベルを評価する一連の作業として見ることができる。
 IARCは、発がん性のハザードの可能性を特定するために公表された研究を検討する。その特定されたハザードへのばく露に関連した集団の「リスク」のレベルは評価しない。対照的に、JMPRは、食品中の残留農薬への摂食由来のばく露に関連した、消費者の健康リスクのレベルを評価するために、公表された及び未公表の研究を検討する。
 ダイアジノン、グリホサート及びマラチオンの場合、IARCのモノグラム112巻で、3種類の化合物をハザードの観点から「おそらく発がん性がある」に分類した。このIARCのモノグラムは、これら化合物の特定のばく露源又はばく露のレベルの発がん性リスクは評価しない。
 JMPRのリスク評価では、科学的根拠の重み付け手法(weight-of-evidence)に基づき、これら化合物は、摂食由来のばく露で、人々にがんを発症させるとは考えにくいことを見出した。このことは、消費者に対してADIといった安全なばく露レベルを設定することが可能であることを意味する。人々がこれら化合物のADIを超えるレベルにばく露しないことを確保するために、農薬及び作物の組み合わせにより、多くの場合コーデックス委員会が勧告した残留基準値を受けて、政府が残留基準値を設定する。
 このFAQは以下のURLから入手可能。
http://www.who.int/foodsafety/faq/en/
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) 国際連合食糧農業機関(FAO)
情報源(報道) 国際連合食糧農業機関(FAO)
URL http://www.who.int/foodsafety/jmprsummary2016.pdf?ua=1
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