食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04460680160
タイトル 英国食品基準庁(FSA)、全ゲノムシーケンシングの発展に関する報告書を公表
資料日付 2016年4月13日
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概要(記事)  英国食品基準庁(FSA)は4月13日、全ゲノムシーケンシング(WGS)の発展に関する報告書を公表した。概要は以下のとおり。
1)この報告書は、主席科学顧問(CSA)のGuy Poppy博士による最新号(第3号)である。同博士は、微生物の遺伝的な構成のマッピング法であるWGSを取り上げ、この新しい技術がFSAの食品の安全及び信頼性を確保する取組にどう役立っているかを論じている。
 WGSのスピードアップ及びコストダウンにより、集団食中毒に関して、汚染源の解明及び集団発生の制御の迅速化が可能となった。
2)2014年、英国公衆衛生庁(PHE)は、イングランド中部の病院におけるサルモネラ集団食中毒発生の注意喚起を受けた。その後行われた調査は、PHE及びFSAによりWGSの優れた有効活用が行われたことを物語っている。両者は、WGSを用いて汚染源を迅速に特定し、それ以上の患者発生の防止に繋げた。
 原因菌となったSalmonella entericaの菌株は、当初、2種類の従来のルーチン技術(血清型及びファージ型)を使って分析が行われ、S.Enteritidis PT14bと特定された。更に、MLVA法を用いた分析が行われ、ゲノムの9つの特定領域に注目した。その結果、集団食中毒の一部の患者が、正確に一致するMLVAプロファイル又は9領域中の1領域のみが異なるプロファイルを有することが明らかになった。
3)WGSの便益
 WGSの利用は多岐にわたっており、公衆衛生の向上に関わる作業方法を変える多くの可能性が潜在する。
 その一つは、前述したサルモネラ属菌による集団食中毒におけるWGSの利用である。この事例は、WGSは国際的な集団食中毒における汚染源の特定にも力を発揮することを示している。
 将来的に、集団食中毒の調査において、WGSがどのようにして、菌株の特定、特徴付け及び比較するための主なツールとなり得るかは、想像に難くない。
 PHEは、この進歩中の分野において非常に重要な貢献を果たした。その試みの成功により、菌株特定のための従来の微生物学的手法(サルモネラ属菌、志賀毒産生性大腸菌、カンピロバクター及びリステリアなど、種々の食中毒原因菌について行われているルーチン分析)は、WGSに代替されていくであろう。
 WGSがもたらす詳細性により、類似する菌株の差異を明らかにする能力が強化されるだけでなく、菌株同士の進化状況(類似度合や、どのように変化を繰り返すのか)に関する情報も得られる。このことは、クラスターの特定能力や、個別の散発事例と考えられてきた集団食中毒を特定する能力が遥かに大きく向上することに繋がる。その結果、感染源の追跡及び更なる患者の発生防止の一助となる。
4)課題
 WGSの潜在的可能性を最大限に活用するためには、データ共有が最大の重要点となる。特定の細菌又はウイルスのゲノム配列が分かっても、比較対象となるゲノム配列に関する情報が無ければ無駄である。
 しかし、データ共有に関しては、検体及び検体データの所有権、ひいては知的所有権の問題が生じる。更には、データを自由に共有することへの抵抗に繋がる可能性がある。
 もうひとつの問題は、異なる情報源から得られるデータが有意義に比較されるためには、データに関する基準や、質的管理の手続き・方法が、国際的に設けられる必要がある。特に重要なのは、検体追跡が行われる場合に、患者はプライバシーの侵害から保護されるべきである。
 新たに注目されるビッグデータや、FSAの作業においてビッグデータが果たす重要な役割については、今後のCSAレポートで取り上げる予定である。
 もうひとつの課題は、WGSに関して得られた膨大な量のデータの取り扱い方法、保存方法、分析方法である。データの適切な解釈には、バイオインフォマティクス分野の高スキルの専門家が必要とされる。従って、この分野で研鑽を積んだ人材の十分な確保が重要となるであろう。
 この報告書「主席科学顧問による科学レポート第3号:食中毒原因菌の全ゲノムシーケンシング」(16ページ)は以下のURLから入手可能。
http://www.food.gov.uk/sites/default/files/csa-whole-genome-seq-reportv2.pdf
地域 欧州
国・地方 英国
情報源(公的機関) 英国食品基準庁(FSA)
情報源(報道) 英国食品基準庁(FSA)
URL http://www.food.gov.uk/news-updates/news/2016/15064/chief-scientific-advisor-science-report

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