食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04270320301
タイトル 論文紹介:「ヒトの脂質生成(adipogenesis)及びマウスの前駆脂肪細胞におけるビスフェノールAβ-D-グルクロン酸抱合体のin vitroでの作用」
資料日付 2015年5月27日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  Environmental Health Perspectives(2015年5月27日電子版)に掲載された論文「ヒトの脂質生成(adipogenesis)及びマウスの前駆脂肪細胞におけるビスフェノールAβ-D-グルクロン酸抱合体のin vitroでの作用(In Vitro Effects of Bisphenol A β-D-Glucuronide (BPA-G) on Adipogenesis in Human and Murine Preadipocytes)、著者J.G. Boucher (Environmental Health Science and Research Bureau
, Health Canada
, Canada)ら」の概要は以下のとおり。
 背景:ビスフェノールA(BPA)といった、どこにでも存在する環境物質へのばく露は、数多くのネガティブな健康結果(negative health outcomes)と関連している。BPAは、in vivoで、迅速に、その主な代謝物であるBPAグルクロン酸抱合体(BPA-G)に変換され、BPAグルクロン酸抱合体は、エストロゲン活性を欠くために生物学的に不活性であると長い間信じられてきた。しかしながら、細胞代謝におけるBPA-Gの作用は明らかではない。今回の研究は、脂質生成(adipogenesis)におけるBPA-Gの作用を調べることである。
 方法:ヒト及びマウスの前駆脂肪細胞である3T3L1細胞(訳注:マウス繊維芽細胞で、イソブチル-メチルキサンチン、デキサメタゾン、インスリン等によって効率よく脂肪細胞に分化する)におけるBPA-Gの作用を、脂質の蓄積量及び脂質生成のマーカーの発現量を定量することによりin vitroで評価した。
 結果:10μMのBPA-Gで3T3L1前駆脂肪細胞を処理すると、著しい脂質の蓄積の増加、脂質生成のマーカーであるステロール調節エレメント結合因子1(SREBF1)及びリポタンパク質リパーゼ(LPL)のmRNAの発現並びにLPL、脂肪細胞たん白質2(aP2)及びアジプシンのたん白質を誘導した。また、ヒトの前駆脂肪細胞の初代培養のBPA-G処理でも、aP2量の測定結果としての脂質生成を誘導し、エストロゲン受容体(ER)の拮抗剤であるフルベストラント(Fulvestrant)を共存させた処理では、BPA-Gで誘導されたLPL及びaP2の増加が著しく阻害された。一方、フルベストラントの単独の処理では何の影響もなかった。更に、BPA-Gは、いかなるエストロゲン活性も示さなかった。
 結論:今回の研究は、われわれの知っている限りでは、BPA-Gが、脂肪細胞の分化を誘導し、単に不活性な代謝物ではないことを明らかにした、最初の報告である。BPA-Gが脂質生成を誘導し、エストロゲン活性が無いにも拘わらずERの拮抗剤によって阻害されるという事実は、BPA-Gが標準的なERの転写活性化機能ではなく、まだ究明されていない経路を介して作用することを示唆する。
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) その他
情報源(報道) Environmental Health Perspectives
URL http://ehp.niehs.nih.gov/wp-content/uploads/advpub/2015/5/ehp.1409143.acco.pdf
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