食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04070020111
タイトル カナダ食品検査庁(CFIA)、子ども向け食品中の残留農薬及び金属に関する調査結果を公表
資料日付 2014年6月20日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  カナダ食品検査庁(CFIA)は6月20日、子ども向け食品プロジェクト(CFP:Children’s Food Project):2歳から15歳の子ども向け食品中の残留農薬及び金属の調査結果を公表した。概要は以下のとおり。
 CFIAは、毎年行う食品モニタリングの一環として、「2011年~2012年CFPの報告書」(44ページ)を公表した。
 2011年から2012年のCFPの主な目的は、①2歳から15歳の子どもが摂食する食品中の農薬残留物の順守の評価、②学校での昼食用の市販の食品に的を絞り、③カナダ保健省が子どもの摂食する食品の健康リスク評価に使用するデータの提供である。

 2011年から2012年のCFPでは、加工製造された合計710検体をオタワ及びガティノー地域で収集した。これらの検体は、クッキー・クラッカー・ケーキ、ドライフルーツ、穀類、乳製品、果物及び野菜加工品で2歳から15歳の子ども向けに摂食される食品である。これら検体中の残留農薬及び金属類量を測定した。合計2
,310の試験分析を行い、286
,000件を超える結果を得た。

 710検体のうち、残留農薬の試験では、全体の69%に当たる491検体で残留農薬は検出されなかった。残りの219検体では、残留農薬が検出され、このうち68検体では3種類またはそれ以上の種類の残留農薬を含んでいた。検出可能な量の残留農薬を含む219検体のうち、2検体が基準値を超えていた。2011年から2012年のCFPの総順守率は99.7%であった。適切なフォローアップ措置を決めるため、この違反を評価した。

 食品中の金属のカナダでの基準値はほとんど設定されていない。ヒ素、カドミウム、鉛及び水銀を含み、重金属は、低用量でヒトの健康に最大の特有のリスクをもたらす可能性がある。前年の結果と一致して、コメの加工品で最も高い量のヒ素が検出された。検出された金属量の大多数は同様な食品で検出された標準的なバックグラウンドの範囲内であった。

・農薬

 710検体について、1
,600件の試験が行われ、270
,000の結果が得られた。基準値超えは、輸入の有機トウモロコシパスタ及び国産のタブレ(訳注:クスクス料理のサラダ)用パセリのサラダ製品にみられ、トウモロコシパスタでは、メトラクロールが、トウモロコシにおけるMRL0.01ppmを超える0.16ppm、パセリのサラダ製品ではジニコナゾールが、一般的なMRL0.1ppmを超える0.106ppm検出された。

・重金属

1)ヒ素:高濃度のヒ素(総ヒ素量)が検出された約44%の検体では、その濃度は0.05ppm未満であった。平均濃度が最も高かったのはコメ加工品で、0.120ppmであった(濃度の範囲は0.004~0.435ppm)。朝食用シリアルの1検体の0.422ppm及び野菜加工品の1検体の0.14ppmは、それぞれの種類における濃度と比較してかなり高かった。

 フルーツジュース、ネクター製品、そのまま飲める飲料及び水では、ヒ素の許容レベルを超えていなかった。

 カナダ保健省(Health Canada)は、検出された総ヒ素量によりヒトの健康への懸念があるとはしなかった。

2)カドミウム:食品中のカドミウム量に関するカナダの許容値又は基準値は設定されていない。カドミウムを含む土壌で栽培される食用作物が、ヒトのカドミウム暴露の最大の暴露源である。

 検体の約75%が検出可能レベルのカドミウムを含んでいた。カドミウムは、リンゴジュース、缶詰の肉、チーズ、乳製品及びヨーグルトからは検出されなかった。最も高い濃度でカドミウムが検出されたのは朝食用シリアルの1検体で、0.284ppmであった。ナッツ加工品では、検体の97%からカドミウムが検出され、最も高い平均濃度の0.053ppmであった(濃度の範囲は0.002~0.210ppm)。

 カナダ保健省は、検出されたカドミウムの濃度によりヒトの健康への懸念があるとはしなかった。

3)鉛:検体の約66%が、検出可能レベルで鉛を含んでいた。様々な製品で、鉛の濃度は0.05ppm未満に分布し、同様のレベルであった。

 他の種類よりもかなり高濃度で検出されたのは、ドライフルーツ(0.002~0.151ppm)、コメ加工品(0.002~0.129ppm)及びトマト加工品(0.001~0.081ppm)であった。

 カナダ保健省は、検出された鉛の濃度によりヒトの健康への懸念があるとはしなかった。

4)水銀:約15%の検体から、0.0001~0.0033ppmの範囲で水銀が検出された。種類別では、朝食用シリアル、キャンディー、ドライフルーツ、飲料/ジュース、ナッツベースの製品、パスタ(缶詰/乾燥)及びコメ加工品から検出された。レーズンからは、最も高濃度(0.033ppm)で検出された。

 調査対象の種類別では、検出された水銀の平均濃度の範囲は0.001ppm~0.013ppmであった。

 カナダ保健省は、検出された水銀の濃度によりヒトの健康への懸念があるとはしなかった。

結論

 この調査で収集した検体の分野及び数量は限られていることから、加工品の種類及び原産国との間に明確な関連性はみられなかった。しかし、CFPのような調査で得られたデータは、カナダの子供が摂取する食品中の残留農薬及び金属についての、食事経由暴露の評価におけるツールである。

 報告書は以下のURLから入手可能。

http://inspection.gc.ca/food/chemical-residues-microbiology/chemical-residues/2011-2012-children-s-food/eng/1402583730176/1402583731567
地域 北米
国・地方 カナダ
情報源(公的機関) カナダ食品検査庁(CFIA)
情報源(報道) カナダ食品検査庁(CFIA)
URL http://news.gc.ca/web/article-en.do?nid=859869
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