食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu04060050475 |
タイトル | フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、飲料水と乳幼児用調製粉乳の過塩素酸イオンに関する調査研究と勧告を公表 |
資料日付 | 2014年6月20日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は6月4日、過塩素酸イオンに関する調査研究と勧告を公表した。 1.2011年にANSESの水文学研究所(Laboratoire d’hydrologie)が実施した全国調査で、幾つかの地域圏で飲料水から過塩素酸イオンが検出された。これらのイオンは、甲状腺ホルモン合成の第一段階である甲状腺のヨウ素取込みを阻害する。フランス厚生省の要請を受けてANSESは、飲料水及び生後0~6か月の乳児用調製粉乳の過塩素酸イオンに関する健康リスク評価を実施した。推定暴露量に関してANSESは、ある特定の乳児集団について、2011年に設定した毒性参照値(TRVs)の超過リスクを除外できないと結論付けた。したがってANSESは、乳児用調製粉乳及び過塩素酸イオン濃度が4μg/Lを超える水道水の過塩素酸イオン濃度を低減すること、また当局にその旨を国民に周知し、生後0~6か月の乳児には過塩素酸イオンの摂取量抑制を呼びかけるよう勧告した。 ANSESは2011年の意見書で毒性参照値(TRV:0.7μg/kg体重/日)及び飲料水のガイド値(15μg/L)を提案している。このTRVは妊娠初期の生物学的影響(effet biologique precoce)に基づいて、最も感受性の高い集団(特に妊婦、新生児、生後6か月までの乳児)を考慮して提案したものである。この値から、保健総局(DGS)は管理のための2つのガイド値を定めた。即ち成人については15μg/L及び生後6か月までの乳児については4μg/Lとした。 過塩素酸イオンの影響に感受性が高い集団である生後6か月までの乳児について、ANSESは競争・消費不正抑止総局(DGCCRF)と合同で、フランスで市販されている乳児用調製粉乳のサンプリング計画を作成し、これらの調製粉乳の過塩素酸イオン濃度を計測することとした。 2012年から実施した市販の乳児用調製粉乳の過塩素酸イオン計測サーベイランスの結果は、過塩素酸が入っていない水で溶いた生後6か月までの乳児用の調製粉乳、即ち第1期用調製粉乳(laits 1er age:生後6か月までの育児用ミルク)及び第2期用調製粉乳(laits 2eme age:生後6か月から12か月までフォローアップミルク)の過塩素酸イオン平均含有量はそれぞれ1.8μg/L及び2.8μg/L、最大含有量ではそれぞれ8.7μg/L 及び10.2μg/Lであった。 調製粉乳を溶かすのに使用する水に最大2μg/Lまで過塩素酸イオンを含むならば生後6か月までの乳児集団の5%でTRV超過が生じる懸念がある。 2.ANSESの勧告 調査研究の結果から、ANSESは以下を提案する。 ・乳児用調製粉乳のメーカーはフランスで販売する調製粉乳の過塩素酸イオン濃度を低減すること。 ・乳児用調製粉乳の汚染源に関する情報が不足していることを考慮すると、汚染源に関する情報を収集すること。 ・水の汚染源の調査を続けること。 ・過塩素酸イオン濃度が4μg/L以上の飲料水を飲んでいる集団には、生後6か月までの乳児にその飲料水の使用抑制を助言し、周知すること。 ヒトの過塩素酸イオンの健康影響評価にはヨウ素の栄養摂取量が決定的な要素である。実際、ヨウ素不足は、過塩素酸イオンが甲状腺に影響する可能性を高める。ANSESはまた、妊婦や授乳期の女性及び3歳以下の子供のヨウ素摂取量に関する最新のデータを収集するよう提言するものである。 3.現在進行中の及び今後実施する調査 果物や野菜が過塩素酸イオン暴露源となりうるので、果物と野菜の過塩素酸イオン濃度の測定が行われている。この調査で子供や成人の経口暴露評価ができるようになる可能性がある。 また、水の過塩素酸イオン濃度と新生児で測定した甲状腺刺激ホルモン(TSH)濃度の関連性を調べるために、衛生監視研究所(InVS)が、先天性甲状腺機能不全症の体系的スクリーニング事業の枠組みで、過塩素酸イオン汚染度が高いフランス最北部のノール・パ・ド・カレ地域圏で疫学調査を実施している。 ・乳児用調製粉乳及び水道水の過塩素酸イオンに関する意見書(仏文、55ページ)は以下のURLから入手可能。 http://www.anses.fr/fr/documents/EAUX2011sa0336.pdf ・飲料水の過塩素酸イオンに対する暴露と特定集団の甲状腺機能の関係に関する疫学調査についての意見書(仏文、16ページ)は以下のURLから入手可能。 http://www.anses.fr/fr/documents/EAUX2012sa0119.pdf ・水道水の新興公害物質全国調査報告書、第1部:過塩素酸塩、ニトロソアミン(仏文、56ページ)は以下のURLから入手可能。 http://www.anses.fr/fr/documents/LABO-Ra-PolluantsEmergents-T01Ra.pdf ・フランス衛生監視研究所(InVS)のサイトは以下のURLで閲覧可能。 http://www.invs.sante.fr |
地域 | 欧州 |
国・地方 | フランス |
情報源(公的機関) | フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES) |
情報源(報道) | フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES) |
URL | http://www.anses.fr/fr/content/ions-perchlorate-travaux-et-recommandations-de-l%E2%80%99anses |
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本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
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