食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03970380294
タイトル 世界保健機関(WHO)、ヒトの鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルス感染に係るリスク評価書を更新
資料日付 2014年1月21日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  世界保健機関(WHO)は1月21日、ヒトの鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルス感染に係るリスク評価書を更新した(4ページ)。概要は以下のとおり。
1. サーベイランスの概要及び調査結果
 これまでに鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスによるラボ確定症例の届出が中国、香港及び台湾の各当局からあった。2013年2月~5月に第1波の患者(n=133)が、7月~8月には2人が、そして10月以降これまでに第2波の患者(n=74)が出ている。患者は多様な年齢層の男女で、第1波では大半が中高年だった。第2波では年齢分布が高齢者に偏ってはいないが、小児は1人のみでティーンエージャーは1人もいない。平均年齢は第1波の58歳に対し、第2波は52歳と若干低い。性別では依然男性の方が女性よりも多い。致死率は今のところ第2波の方が低いが、入院患者がまだ多数いるため注視していく必要がある。中には軽症の患者もいるが、主として急激な重症肺炎を発症する点が従来からの臨床所見である。非定型の臨床所見はこれまでのところない。
2. ウイルスの特徴
 第2波の間にヒト、動物及び環境試料から分離したウイルスをラボ解析した結果、HA及びNA遺伝子とも第1波と同様で、抗原的にはどのウイルスも同源であり、H7N9ワクチン開発用に推奨されているA/Anhui/12013(H7N9)ウイルスに酷似していた。
 最近のウイルス試験のうち、オセルタミビルやザナミビル等のノイラミニダーゼ阻害薬に耐性を示す既知のアミノ酸置換は特定されていない。よってH7N9ウイルスはノイラミニダーゼ阻害薬に感受性であると考えられる。試験を行ったウイルスは、どれも抗ウイルス薬アダマンチン(adamantine)への耐性を付与する置換が見られた。
3. ヒトの感染源
 このウイルスに関しては、(1)ウイルスが循環している動物宿主、(2)感染の主たる接触源及び経路、(3)ヒト及び動物におけるウイルスの分布及び有病率など依然として不明な点が多いが、ヒトの感染は生きた家きんや汚染環境(生きた家きん市場等)との接触が関係しているとみられる。その理由は以下のとおり。
・ 患者の大半が鳥又は生きた家きん市場との接触歴があると答えている
・ ヒトから分離したウイルスは総じて鳥及び環境から分離したものと類似している
・ 家きん及び患者と疫学的に関係のある生きた家きん市場内環境を対象とした標的試験の結果、患者と関係のない地域で行った試験結果に比較して陽性が多かった
4. ヒトからヒトへの感染に関する証拠
 現時点では、持続的なヒトからヒトへの感染を裏づける情報はない。これまでに非季節性インフルエンザウイルスによる患者の全クラスターを評価した結果、ヒトからヒトへの感染を示唆するクラスターが数例あったものの、それ以降の更なる感染は生じていない。医療関係者の感染は、ヒトからヒトへの感染を示し得るものとして特に注視した。第2波で医療関係者1人の感染が確認された。調査の結果、家きん又は汚染環境と接触していることが示唆され、この患者に関係した感染者はほかにいなかった。
 これらを総合すると、当該ウイルスはヒトの間で容易に感染する能力を獲得していないと考えられる。とは言え、比較的重症でない患者もいることから、引き続き警戒を怠ってはならない。
5. リスク評価
 鳥インフルエンザA(H7N9)の公衆衛生上のリスクは、2013年12月20日発表のリスク評価から変更はない。
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) 世界保健機関(WHO)
情報源(報道) 世界保健機関(WHO)
URL http://www.who.int/influenza/human_animal_interface/RiskAssessment_H7N9_21Jan14.pdf?ua=1
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