食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03960260149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、ビスフェノールAへの暴露に起因するヒト健康リスクの評価について意見公募した旨を報道発表
資料日付 2014年1月17日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州食品安全機関(EFSA)は1月17日、ビスフェノールA (Bisphenol A: BPA)への暴露に起因するヒト健康リスクの評価について意見公募した旨を報道発表した。概要は以下のとおり。
1. EFSAは、BPAへの暴露に起因するヒト健康リスクの評価書素案について意見公募を始めている。EFSAは、BPAに関する科学文献及び専門機関による過去のリスク評価について包括的な検証を引き受けた。すべての関係機関及び利害関係団体は、2014年3月13日まで行われるオンラインの意見公募を通じて、この評価素案について意見等を寄せていただきたい。EFSAは、過去にBPAを評価したことがある各国のリスク評価機関からの参考意見等を特に歓迎する。また、EFSAは、公開性及び業務に対するその責任の一環として、この意見公募で寄せられた意見等について関係機関と議論する会合を開催する予定である。
2. BPAの毒性に関する意見書素案の主な所見
(1)EFSAは、BPAへの暴露によって、腎臓及び肝臓に悪影響を及ぼす可能性並びに乳腺に影響を引き起こす可能性が高いと結論づけている。
(2)この意見書では、生殖系、神経系、免疫系、代謝系及び心臓血管系、並びにがんの発生に対して考えられるBPAの影響についてさらに検討している。EFSA は、BPAとこれらその他の影響が関連している可能が高いとは現時点において考えられないが、これらの影響は、ヒトの健康に対する潜在的な懸念である可能性があり、当該物質のリスクついての全体的な不確実性に加えられると結論づけている。
(3)EFSAの専門家らは、BPAの耐容一日摂取量(TDI)を現行レベルの50μg/kg体重/日(0.05mg/kg体重/日)を5μg/kg体重/日(0.005mg/kg体重/日)に引き下げ、暫定的に設定することを勧告している。
(4)EFSAは、すべての年齢群(胎児、乳児、幼児及び成人を含む)について(訳注:BPAの)健康リスクは低いとしている。その理由は、BPAへの経口暴露量と非経口暴露量を合わせた最大暴露量が、年齢群によって、提案されている暫定的なTDI(t-TDI)の1/3~1/5と低いためである。すべての年齢群について、経口暴露量のみではt-TDIの1/5未満である。
(5)「食品接触材料、酵素、香料及び加工助剤に関する科学パネル」(CEFパネル)は、このt-TDIを算定するにあたり、3段階に分かれた手法を用いている。
1)過去の科学的研究及び検証によって、BPA暴露と関連していることが示唆されている健康ハザード(危害要因)を科学的根拠の重み付け手法を用いて評価した。これらのハザードとは、(a)生殖系、神経系、代謝系、免疫系及び心臓血管系に対する影響、(b)遺伝毒性及び発がん性の影響、(c)乳腺の変化、(d)一般的な毒性影響である。EFSAは、BPA暴露と一般的な毒性影響(特に腎臓及び肝臓への影響)との間及びBPA暴露と乳腺の変化との間に考えられる関連性を裏付ける十分な科学的根拠があると結論づけている。
2)動物の腎臓、肝臓及び乳腺に対し、測定可能なわずかな影響を及ぼすBPAのレベルを推定するために、ベンチマーク用量手法として知られる統計学的な方法が用いられた。マウスの腎臓における所見が、最小のベンチマーク用量で確実に生じる臨界影響と考えられたため、t-TDIの根拠として用いられた。
3)また、ヒトと比較した動物の体内におけるBPAの動態経路について深い洞察を与える新しい研究結果を評価した。この比較に基づき、EFSAは、BPAがマウスに影響を及ぼす用量レベルを、相当するヒトへの経口投与量に換算することができた。これによりEFSAは、t-TDIの算定において、BPAの従前の評価で使われた標準的なデフォルト値(実データがない時に使う保守的な(訳注:より安全側に立った)推定値)の代わりに、実データを使うことができた。

国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部 食品安全情報(化学物質)No.2/2014(2014.1.22)P5~6
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL http://www.efsa.europa.eu/en/press/news/140117.htm
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