食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03940650208
タイトル オーストラリア・ニュージーランド食品基準機関(FSANZ)、「セラリーニ論文への対応」と題する消費者向け情報を公表
資料日付 2013年11月29日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  オーストラリア・ニュージーランド食品基準機関(FSANZ)は11月、「セラリーニ論文への対応」と題する消費者情報を公表した。概要は以下のとおり。
 2012年9月に、Gilles Eric Seralini教授及び共著者はFood and Chemical Toxicology誌に研究論文を発表した。 2013年11月29日、ジャーナルが論文を撤回し、次のように述べている。
 Food and Chemical Toxicology誌は、2012年11月に掲載された論文「ラウンドアップ除草剤及びラウンドアップ耐性遺伝子組換えトウモロコシの長期毒性」を取り消す。この撤回は、当該論文の査読者への調査に加えて掲載された論文及びデータの綿密かつ時間のかかる分析後に行われた(原文現在形)。編集長は、この調査が完了し、著者らに通知するまでこの論文に関する公の発言を控えていた。
 FSANZは、 2012年12月に当該研究への対応を公表した。対応文は以下のとおりである。
 2012年9月に、Gilles Eric Seralini教授と共著者らは、用量依存性がないのは明らかであるものの、遺伝子組換え(GM)トウモロコシNK603及び/又はラウンドアップ(グリホサート)を給与された実験用ラットの寿命が短くなることを示唆する研究を発表した。最も寿命が短かったのは、最低濃度のトウモロコシNK603を含む飼料(飼料の11%)を摂取したラットであった。寿命の短縮は、一部の試験群での腫瘍(がん)の高い発生率とも関連があった。著者らはまた、腎臓への悪影響及びいくつかの血漿ホルモン濃度の乱れを報告した。方法論及び解釈上に多くの弱点が存在するために、報告された研究結果及びそれから導かれる結論の妥当性には限度がある。 主な弱点は、各試験群の動物数が少ないこと、データの選択的報告、及びこの系統の雌ラットではよく知られた乳腺腫瘍の自然発生についての確認がないことである。ラウンドアップに毒性があるとの主張は疑問があり、複数の動物種(マウス、ラット、ウサギ、イヌなど)で高用量のラウンドアップの有効成分のグリホサートを使用したが悪影響が見られなかった、十分に計画された実験で実施された長期試験から得られた広範なデータと整合しない。
 2012年10月にFSANZは、著者らに対し、オリジナルデータのコピーを提供することを要求した。そうすれば、包括的な分析を実施し、トウモロコシNK603系統の現在の認可を改正する必要があるかどうかを決定し得たであろう。Gilles Eric Seralini教授及び共著者はオリジナルデータのコピーを提出しなかった。
 当該研究で確認された多くの科学的欠陥に基づき、FSANZは著者らによる結論を認めておらず、従って、最初2002年に認可されたNK603トウモロコシの安全性を再考する正当な理由はないと結論付けた。
 NK603トウモロコシ及びその従来型との間に組成の違いはほとんどない。したがって、たとえ多くの実験動物を用いたとしても、Seraliniらによって実施された研究のような長期給餌試験は、(訳注:方法論やデザインにみられる欠陥のために)悪影響を明らかできるとする科学的に妥当な根拠がない。FSANZは、げっ歯類を対象としたこのような毒性学的研究が遺伝子組換え食品そのものの検証には適当ではないと考えている。
・追加情報
 欧州食品安全機関(EFSA)、ドイツ連邦リスク評価研究所 (BfR)及びカナダ保健省は現在、セラリーニ論文に関するレビューを完了し、その結論を否定している。
 各機関からの情報は以下のURLから入手可能。
[EFSA]
http://www.efsa.europa.eu/en/press/news/121128.htm
[BfR]
http://www.bfr.bund.de/en/press_information/2012/29/a_study_of_the_university_of_caen_neither_constitutes_a_reason_for_a_re_evaluation_of_genetically_modified_nk603_maize_nor_does_it_affect_the_renewal_of_the_glyphosate_approval-131739.html
[カナダ保健省]
http://www.hc-sc.gc.ca/fn-an/gmf-agm/seralini-eng.php

※訳注:当該論文の撤回についての関連記事
・Elsevier(Food and Chemical Toxicology誌の出版元):2013年11月28日付け記事
http://www.elsevier.com/about/press-releases/research-and-journals/elsevier-announces-article-retraction-from-journal-food-and-chemical-toxicology
・Nature誌:2013年11月28日付け記事
http://www.nature.com/news/study-linking-gm-maize-to-rat-tumours-is-retracted-1.14268
地域 大洋州
国・地方 豪州
情報源(公的機関) 豪州・NZ食品安全庁(FSANZ)
情報源(報道) 豪州・NZ食品基準機関(FSANZ)
URL http://www.foodstandards.gov.au/consumer/gmfood/seralini/Pages/default.aspx
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