食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03800450344
タイトル ベルギー連邦フードチェーン安全庁(AFSCA)、牛以外の動物の生乳を摂取するリスク便益の評価に関する意見書を発表
資料日付 2013年4月23日
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概要(記事)   ベルギー連邦フードチェーン安全庁(AFSCA)は4月22日、牛以外の動物(馬、ロバ、めん羊、山羊など)の生乳を摂取するリスク便益の評価について意見書を発表した(87ページ、2013年3月22日承認)。
 本意見書では、牛以外の動物(馬、ロバ、めん羊、山羊など)の生乳を摂取することのリスク便益と熱処理がリスク便益に及ぼす影響を、専門家の発表論文や意見書に基づいて、微生物学的見地からのみならず(生)化学的見地、更には栄養学的見地から、定性的に評価した。
 今までに報告された生乳摂取によるヒトの感染症例、生乳から病原性微生物が分離された頻度、及び公衆衛生に及ぼす微生物による有害作用の重要性の評価など、酪農場に存在する病原性微生物の多様性に基づき、牛以外の動物の生乳の微生物学的リスクを定性的に評価した。
 生乳はヒトに病原性がある微生物に汚染されている可能性があるため、生乳の摂取は公衆衛生上危険である。これらの微生物は、臨床的に健康な動物からも、乳集荷時や乳保管時に環境からも入り込む可能性がある。ベルギーでは、病原性大腸菌やカンピロバクターによる山羊又はめん羊の生乳の汚染が、消費者にとって大きなリスクとなっている。一方、馬及びロバの乳は総細菌数が少ないことから、微生物学的品質が高く、感染リスクは低い。また、山羊やめん羊の生乳から検出された数種類の病原性微生物は、馬やロバの生乳からは検出されていない。ただし、馬とロバの生乳は、ヒトに病原性のある連鎖球菌の特定種を伝搬する可能性がある。
 牛以外の外国産の動物の生乳については更にリスクが増える。東欧では山羊の生乳のダニ媒介性脳炎ウイルス(TBEV)が、アジアではラクダの乳のブルセラ属菌が高いリスクをもたらすものとなっている。
 乳の微生物学的安全性を強化する最も有効な方法は加熱処理である。低温殺菌(pasteurisation)では、全ての病原性微生物や毒素を除去するということはできない。病原性微生物が存在しない製品とするためには、高温殺菌(sterilization)又は超高温(UHT)処理をしなければならない。ただしこの場合でも、幾つかの耐熱性の毒素や芽胞が残る可能性がある。
 生乳中の微生物に関する便益については、生乳中の乳酸菌が細菌(病原性細菌も含む)の増殖を抑制するが、低用量で感染する病原性細菌については阻害効果は十分ではない。乳酸菌は低温殺菌、高温殺菌及びUHT処理で死滅してしまう。低温殺菌後にも、病原性細菌の芽胞は低温殺菌処理した乳中で、乳酸菌に阻害されることなく発芽生長することができる。同様のことが、熱処理後の事後汚染により乳中に存在する病原性栄養型細菌についても言える。他方、高温殺菌及びUHT処理された乳は、商業的殺菌法で消毒された乳なので何ら問題は生じない。ただし、事後汚染を避けるために「無菌に近い良く衛生管理された」区画でUHT処理乳を充填・包装する必要がある。また、生乳中のプロバイオティクス細菌の妥当性及び菌数はあまりに限定的で、消費者に好ましい生理学的効果をもたらすほどではない。よって、これらの細菌を熱処理で不活化しても、公衆衛生上何ら影響がない。
地域 欧州
国・地方 ベルギー
情報源(公的機関) ベルギー連邦フードチェーン安全庁(AFSCA)
情報源(報道) ベルギー連邦フードチェーン安全庁(AFSCA)
URL http://www.favv-afsca.fgov.be/comitescientifique/avis/_documents/AVIS11-2013_FR_DossierSciCom2012-12.pdf
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