食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03721040314
タイトル ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、食品が関与する人獣共通感染症の管理の進展及び新たな課題に関する見解を公表
資料日付 2012年11月23日
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分類2 -
概要(記事)  ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は11月23日、食品が関与する人獣共通感染症の管理の進展及び新たな課題に関する見解を公表した。概要は以下のとおり。
1.2011年初夏にドイツにおいて、生のスプラウト中の腸管出血性大腸菌が大問題となり、その後、2012年秋には、冷凍イチゴ中のノロウイルスが大きな問題となった。この2つの大集団食中毒は、食品を介して伝播される疾病の深刻さを改めて我々に警告した。「食品由来感染症の発生件数は減少しているが、人獣共通感染症に対する一貫した効果的な管理を確保する努力をし続ける必要がある」とBfR所長は述べている。
2.11月12~14日に200人を超える科学者が当該分野における最新の知見について討議を行なった。そこで、衛生対策の遵守及び管理、診断法の開発、全国的なアウトブレイクの際の調査手法の改善、及び人獣共通感染症モニタリングプログラムの期間延長が必要であることが明らかにされた。
3.ドイツでは、カンピロバクター及びサルモネラ属菌による食中毒が圧倒的に多い。サルモネラ属菌については、家畜生産管理が奏功し、年間感染者数が5年間で約55
,000人から25
,000人未満に減少した。しかし、カンピロバクターは依然として、ヒトでの人獣共通感染症としては最も頻発しており、感染者数の減少も見られない。
4.細菌性感染症以外では、ドイツではノロウイルス及びロタウイルスによるものが大きな問題となっている。しかし、伝播経路、生残性及び不活性化に関する重要な知見が未だに不足している。さほど広く調査されていない人獣共通感染症のE型肝炎患者の報告数も着実に増加している。
5.参加者は衛生管理、特に多様な人獣共通感染症病原体制御のための洗浄及び消毒の重要性を強調した。また、フードチェーンの全段階におけるサルモネラ属菌及びカンピロバクターなどの主要な病原体に対する集中的な管理対策の他にも、病原体と食品の稀有な組合せもハザードとなり得ることを考慮しなければならない。最近のさまざまな集団食中毒では、病原体が植物由来の食品を介して広がる可能性が示された。
6.病原体の検出手法は現在進歩してきているが、それに伴う新たな課題が起きている。病原体の全ゲノム解析が容易になり、それによって病原体の性状及び遺伝子突然変異についての知見も得られるようになった。しかし、こうした分析ツールは、得られたデータの解釈をめぐる議論を招く。病原体が性状を変化させたり、植物などの別の生息環境でも定着する能力を有するのかなどの問題である。ゆえに、診断及び疫学のための手法は常に改良され、固有の問題に対処できるようにしなくてはならない。
7.人獣共通感染症の管理において、消費者教育、衛生及びフードチェーンのモニタリングが重要な柱であることに変わりはない。当該管理の改善における重要な要素は、新たな科学的知見の活用であり、それに合わせて管理対策を常に調整することである。

国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部 食品安全情報(微生物)No.26/2012(2012.12.26)P17-18
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html
地域 欧州
国・地方 ドイツ
情報源(公的機関) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
情報源(報道) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
URL http://www.bfr.bund.de/en/press_information/2012/40/pathogens_in_food__progress_and_new_challenges_for_zoonosis_control-132159.html
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