食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03700340295
タイトル 国際連合食糧農業機関(FAO)、FAO/世界保健機関(WHO)合同専門家会議の報告書(暫定版)「食品媒介性寄生虫のリスク管理に関する、複数基準に基づくランク付け」を公表
資料日付 2012年10月24日
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概要(記事)  国際連合食糧農業機関(FAO)は10月24日、FAO/世界保健機関(WHO)合同専門家会議(2012年9月3日~7日)の報告書(暫定版)「食品媒介性寄生虫のリスク管理に関する、複数基準に基づくランク付け」を公表した(57ページ)。概要は以下のとおり。
 2010年12月の第42回Codex食品衛生部会(CCFH)会議において、CCFHはFAO及びWHOに対し、寄生虫の食品及び公衆衛生に関する現在の知見を検証するよう要請した。CCFHはその結果に基づき、リスク管理者が取り組むべき問題である特定の寄生虫用医薬品の併用について助言及びガイダンスを策定する。
 上記要請に応じるために、会議に先立つデータ収集、データ照合などのFAO及びWHO主導で行われた一連の作業の結果、食品媒介性の可能性がある95種類の寄生虫が、検討の対象としてまず特定された。ランク付けツールの策定についてはオンラインによる予備作業が行われ、当該作業及び会議での討議に基づき、24種類の寄生虫がランク付けの対象となった。専門家らは更に、これら24種類の寄生虫に関して特定の感染経路を明らかにした。
 寄生虫疾病の多くは保健当局への届出義務の対象ではないことから、公的報告書は当該疾病の真の全体像を網羅してはいない。寄生虫は複数の宿主などの複雑なライフサイクルを有する場合がある。食品を経由する場合又は寄生虫そのものが食品を汚染する場合もある。それら寄生虫が原因で生じる疾病は、潜伏期間が数年と長期になる場合や不顕性/無症候性である場合があることから、特定の種類の食品での疾病に関する疫学調査は不可能かもしれない。
 専門家らは前述の24種類の食品媒介性寄生虫についての国際評価基準を定め、それに沿って当該24種類を個別に評価した。評価基準の概要は以下のとおりである。
1.世界規模で発生する疾病の数、2.世界規模での伝播、3.急性罹患率、4.慢性罹患率、5.慢性化の割合、6.死亡者数、7.負担増加の可能性、8.貿易関連、9.社会経済的影響
 合同専門家会議では、ランク付けツールが策定され、主に健康への影響に基づき実際のランク付けが行われた。「重要度」順及び主要な伝播経路ごとの食品媒介性の寄生虫の世界ランク付けは以下のとおりである。
1. Taenia Solium、豚肉
2. Echinococcus granulosus、生鮮農産物
3. Echinococcus multilocularis、生鮮農産物
4. Toxoplasma gondii、小型反すう動物由来肉、豚肉、牛肉、ジビエ(赤肉及び内臓)
5. Cryptosporidium属、生鮮農産物、果汁、乳
(6~23 略)
24. Spirometra属 魚類、は虫類、両生類
 このランク付けは、現時点でのランク付けに使われた基準及びその基準の重要度を示す「イメージ」としての位置づけであり、いくつかの寄生虫は似たようなランク付けであることから、個々の寄生虫の順位よりも、問題とする寄生虫のグループ、例えば上位5種類又は上位10種類などのグループで捉えるほうが妥当であるかもしれない。情報の充実、また、ヒト又は動物の行動変化及び気候変動などにより、寄生虫に対するスコア及びランク付けが変わる可能性がある。
 基準の重要度は個々の寄生虫のスコアとは切り離して計算されることから、合同専門家会議が着手した寄生虫のスコアリングをリスク管理者が判断材料に使い、他の重要度計算手段に基づく代替ランク付けを策定することも可能である。
 合同専門家会議は最後に、これらの食品媒介性の寄生虫の一部に関して実施可能な管理手段などのリスクマネジメントについて検討がなされたことを強調し、現行のリスク管理の内容に妥当性があることに言及した。
 このことは、寄生虫の国際ランク付け及び主要な媒介食品の特定と共に、Codexが優先順位及び寄生虫に関連する危害管理として次に行動することを決定する一助としての狙いがある。しかしその場合も、特定の寄生虫の管理にはさらなる科学的情報の提供が求められるであろう。
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) 国際連合食糧農業機関(FAO)
情報源(報道) 国際連合食糧農業機関(FAO)
URL http://www.fao.org/fileadmin/user_upload/agns/news_events/Parasite%20report%20final%20draft-25October2012.pdf
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