食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03650020110
タイトル カナダ保健省(Health Canda)、食品中のアクリルアミドの評価書を更新
資料日付 2012年8月23日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  カナダ保健省(Health Canda)は8月23日、食品中のアクリルアミドの評価書を更新し公表した。目次と概要は以下のとおり。
1. アクリルアミドモニタリングプログラムの一環として収集されたデータ
 カナダ保健省は2009年に、カナダ国内における食事由来暴露の最新及び正確なデータ提供を狙いとして、より広いアクリルアミドモニタリングプログラムを導入した。当該プログラムでは、アクリルアミドの暴露の潜在するリスクの評価及び業界により実施されてきているアクリルアミド低減戦略の有効性のモニタリングも意図している。カナダ保健省は同年に、パン(トーストされたもの及びトーストしていないもの)、コーヒー、フライドポテト、シリアル類、スナック菓子、ベビーフードなどの多くの食品産品中のアクリルアミドの試験結果を含むモニタリングプログラムのフェイズ1を完了した。同省は2010年にフェイズ2を完了した。フェイズ2では、より多くの食品ブランドの試料を含み、新たな一般のブランド名を対象とし、既に非常に変化に富んだアクリルアミド値を示している食品産品試料を含んで設計された。
 更新されたデータにより、カナダ保健省はさまざまな食品中に発生するアクリルアミドに関して、食事由来暴露評価の基準となり得、定期的な評価の更新を可能とする“新たな基準ライン”を設定した。
2. 食事由来暴露評価
a. 表1、各年齢ごとの、アクリルアミドの推定された確率的食事由来暴露量
確率的暴露評価の結果から、1~8歳の子供は、体重換算で他の年齢のグループよりも食事からより多くのアクリルアミドを摂取していることが示された。1~18歳の各グループの平均アクリルアミド摂取量は0.356~0.609μg/kg体重/日、19~71歳の各グループは0.157~0.288μg/kg体重/日であった。確率的手法によって算出された成人の平均推定暴露量はカナダ保健省の初期暴露評価の結果より僅かに低かった。1歳未満の乳児の暴露は幼児の暴露より低く、成人の暴露の範囲内であった。
b. 食品別アクリルアミド暴露の寄与
小売店で購入した冷凍食品をオーブンで加熱調理したフライドポテトは、全体の総食事由来暴露量のおおよそ1%に過ぎず、アクリルアミド摂取への寄与はごく僅かであった。このことは、カナダ地域健康調査(CCHS)の参加者から報告されたように、主として家庭で冷凍食品をオーブンで加熱調理したフライドポテトを摂取する頻度が低いことから、一般的に油で揚げて調理するレストランのフライドポテトの寄与よりも著しく低い。家庭で冷凍食品をオーブンで加熱調理したフライドポテトの、より低いアクリルアミド量及び市場占有率のデータからの重みもまた、要因に寄与している。
 c. 表2、食事由来のアクリルアミド暴露に占める食品別の寄与の割合、上位10品目
3. リスク判定
a. 表3、食事由来のアクリルアミド暴露及び無毒性量(NOAEL)200μg/kg体重/日並びにベンチマーク用量95%信頼下限値(BMDL10)180μg/kg体重/日における暴露マージン(MOE)
 FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)の評価は、単一点推定法(a single point estimate approach)を用い、一般人のアクリルアミドの平均摂取暴露を1μg/kg体重/日、高摂取レベルを4μg/kg体重/日と推定した。無毒性量(NOAEL)の200μg/kg体重/日を用いると平均及び高摂取群のMOE値は、それぞれ、200及び50である。より低いBMDL10(ベンチマーク用量信頼下限値)の180μg/kg体重/日を用いると、MOE値は、平均アクリルアミド暴露で180、高摂取群暴露で45である。JECFAは遺伝毒性及び発がん性の両方で、アクリルアミドのMOE値はヒトの健康懸念を示すと結論づけた。
 アクリルアミドの平均及び高摂取群の暴露マージン(MOE)の値は1~8歳の幼児で最も低く、19歳以上の各成人グループ及び1歳未満の乳児で最も高かった。全般的に、カナダでのアクリルアミドの食事由来暴露はJECFAの報告よりも低いと推定され、カナダでのMOE値はJECFAによる推定MOE値より高い結果であった。それにもかかわらず、カナダ保健省は、アクリルアミドの食事由来の暴露が潜在的にヒトに健康懸念を示すというJECFAの意見に同意する。
b.不確実性
4. 次へのステップ
 カナダ保健省は2012年3月14日に、「食品及び医薬品規則」を改正し、一部の食品へのアスパラギナーゼの使用を認可した。アスパラギナーゼは、一部の食品中に自然に存在するアミノ酸のアスパラギンの量を減少させる酵素製剤である。一部の食品においては、特定の加熱調理方法下で、アスパラギンが食品中に存在する他の天然成分と化学反応し、その結果、アクリルアミドを生成する可能性がある。これらの食品中のアスパラギン量の低減は、加熱調理中に生成されるアクリルアミド量の低減につながるであろう。
5. 参考文献
6. 添付書類
 カナダにおける、消費に基づいた入手可能な食品製品中のアクリルアミド濃度(μg/kg食品:ppb)
地域 北米
国・地方 カナダ
情報源(公的機関) カナダ保健省(Health Canada)
情報源(報道) カナダ保健省(Health Canada)
URL http://www.hc-sc.gc.ca/fn-an/alt_formats/pdf/securit/chem-chim/food-aliment/acrylamide/rev-eval-exposure-exposition-eng.pdf
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。