食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03620290149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、毒性学的懸念の閾値(TTC)の概念に基づき、考えられるヒトの健康リスクに係る助言提供のための選択肢の検討に関する科学的意見書を公表
資料日付 2012年7月2日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州食品安全機関(EFSA)は7月2日、毒性学的懸念の閾値(TTC)の概念に基づき、考えられるヒトの健康リスクに係る助言提供のための選択肢の検討に関する科学的意見書(2012年5月22日採択、103ページ)を公表した。概要は以下のとおり。
1. 食品及び飼料中に存在する合成化学物質及び天然化学物質は、それらの分解生成物及び反応生成物とともに物質数が多数に上り、その多くはリスク評価が必要とされる。EFSAの科学委員会は、低濃度暴露によって考えられるヒトの健康リスクに関する科学的助言を提示するツールとしてのTTC手法及び当該手法のEFSAの業務に対する適応性を評価し、また、TTC手法の基礎となる根拠を強化するために必要とされる可能性がある追加データに関して助言するよう要請された。
2. 科学委員会は、(1)TTC手法に関する公表文献の調査、(2)独自の分析、(3)TTC手法を支えるデータベースのin silico調査の委託を行った。科学委員会は、優先順位を設定するため、あるいは、健康への悪影響の確率が低く、追加データを不要にするほど、ある物質への暴露量が低いかどうかを決めるための有用なスクリーニング手法(screening tool)として、TTC手法を推奨できると結論づけた。
3. ヒト暴露量の閾値として、遺伝毒性の警告構造を有する物質については0.15μg/人/日、抗コリンエステラーゼ活性を有する有機リン系物質及びカーバメート系物質については18μg/人/日、Cramer Class III(※)及びCramer Class II(※)の物質については90μg/人/日、Cramer Class I(※)の物質については1
,800μg/人/日といった値は、EFSAの業務に用いる上で十分に保守的である(訳注:より安全側に立っている)。しかし、地域住民の全年齢区分に当てはめるときは、これらの値は、それぞれ体重ベースの表記(すなわち、0.0025μg/kg体重/日、0.3μg/kg体重/日、1.5μg/kg体重/日、 30μg/kg体重/日)が望ましい。
4. 代謝系機能及び排泄系機能が未熟な生後6か月歳未満の乳児へのTTC手法の使用については、ケースバイケースで検討することが望ましい。科学委員会は、TTC手法が使用されない物質について多数の例外区分を明確にした。

※訳注
Cramer Class I~III:Cramerらによる構造の分類。
Cramer Class I:単純な化学構造を有し、効率のよい代謝経路があり、経口毒性が低いことが示唆される。
Cramer Class II:クラスIの物質のように経口毒性が低いとはいえない構造を有するが、クラスIIIの物質と違って毒性を示唆する特徴的構造を有しない。
Cramer Class III:安全であると推定できないような化学構造を有するか、又は重大な毒性を示唆する可能性のある化学構造を有する。

国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部 食品安全情報(化学物質)No.14/2012(2012.07.11)P8~9
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/doc/2750.pdf
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