食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03591170208
タイトル オーストラリア・ニュージーランド食品基準機関(FSANZ)、主任研究者のコラム「量次第で毒になる」を公表
資料日付 2012年5月25日
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分類2 -
概要(記事)  オーストラリア・ニュージーランド食品基準機関(FSANZ)は5月、主任研究者のコラム「量次第で毒になる」を公表した。概要は以下のとおり。
 FSANZが直面している問題についての主任研究者Dr. Paul Brentの意見。
 「すべての物質は用量次第で毒になる」(訳注:毒性学の父パラケルススの言葉)
 化学物質に対する健康及び安全性についての人々の懸念は新しいものではない。今日の世界では、この懸念はいろいろな病気や影響と化学物質との関連性についての報告、あるいは人々に関連した動物実験についての推定によって引き起こされる。これらの報告に欠けていて、また一部の人が認識していないことは、「すべての物質は用量次第で毒になる」という毒物学の基本原理である。大量に消費されない限り毒ではない物質が少量存在することについても、時には懸念を提起している。また、同一の化合物が自然界に存在しても、合成化合物の方が一般的により懸念があるとみられている。天然又は合成の多くの化学物質は、本質的にハザードとなりうる。事実、健康にとって不可欠であり、少量で十分であるビタミンAなどは摂取しすぎると重大な害をもたらす。規制当局は、ヒトの健康及び安全にとっての実際のリスクはハザードに暴露された回数にあること、食品の安全性の場合、食事を通じて暴露された回数にあることを最も重要な概念の一つとして説明すべきである。ハザードは、有害影響をもたらす原因となる可能性のある物質が世界保健機関(WHO)のような国際機関によって定義されている。例えば、鉛のような重金属はヒトの胎児に有害影響を引き起こす可能性があることが知られており、その結果、ヒトの健康及び安全性へのリスクは高い。重金属などの化合物は環境中に天然に存在し、非常に少量の暴露が避けられない。この課題はこれらの化合物のレベルを合理的な限り低く保つ効果的なリスク管理戦略を策定することによってリスクを軽減することである。暴露量が少ない場合には、重金属でさえリスクは低い。したがって、「すべての物質は用量次第で毒になる」ということである。
 化学物質ビスフェノールA(BPA)の低濃度暴露の安全性に関する最近の議論は、暴露は極めて低いが一部の研究によって懸念が起きたという興味深い例である。BPAは、食品及び飲料の包装容器を含む広範な製品で長年安全に使用されている。BPAは、内分泌系及び生殖系(BPAは多くの科学者によって「内分泌かく乱化学物質」と考えられている)、心血管疾患、糖尿病及びがんに関する多くの有害影響と関連付けられており、そのリストは常に拡大している。しかし、米国食品医薬品局(FDA)及び欧州食品安全機関(EFSA)によって行われた、全ての入手可能なBPAに関するデータの最近の包括的なリスク評価では、BPAのハザードの可能性はほとんどなく、暴露は非常に少なくヒトの健康と安全につながるリスクは非常に低いと結論づけている。
 食事暴露量の重要性に関するポイントを説明するために、研究は食品中に検出されるBPAの濃度がppbレベルであることを明らかに示している。肝酵素はBPAに関して非常に効果的であり、99.9%が無毒である。全ての年齢のヒトで尿中に排泄され暴露は極めて低レベル(ppbからpptレベル ppt=1
,000
,000
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,000分の1)であり、シドニーの水中のBPAと同量である。BPAへのこのような少量の暴露で、ヒトの健康及び安全にいかなるリスクもほとんどないようである。
 論文が発行され、報告された場合、世界中の規制当局にとっての課題は情報ギャップを埋めることである。我々は大衆が理解できる言葉を用いて消費者の懸念に科学を明確にする必要がある。

国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部 食品安全情報(化学物質)No.11/2012(2012.05.30)P22~23
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html
地域 大洋州
国・地方 豪州
情報源(公的機関) 豪州・NZ食品安全庁(FSANZ)
情報源(報道) 豪州・NZ食品基準機関(FSANZ)
URL http://www.foodstandards.gov.au/scienceandeducation/scienceinfsanz/fromthedeskofthechiefscientist/
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