食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03590190149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、農薬有効成分フッ化スルフリル及びフッ化物イオンのくりに対する既存の残留基準値の修正に関する理由を付した意見書を公表
資料日付 2012年2月16日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州食品安全機関(EFSA)は2月16日、農薬有効成分フッ化スルフリル(Sulfuryl fluoride)及びフッ化物イオン(Fluoride ion)のくりに対する既存の残留基準値(MRL)の修正に関する理由を付した意見書(2012年2月15日承認)を公表した。概要は以下のとおり。
1. 評価担当加盟国(EMS)のフランスは、くりに対するフッ化スルフリル及びフッ化物イオンの既存MRLを修正する申請を受けた。当該EMSは、フランス及びポルトガルにおけるくりに対するフッ化スルフリルの意図された使用に適応するため、くりに対するフッ化物イオンの既存MRLの25mg/kgを110mg/kgに引き上げることを提案した。フッ化スルフリルについては、既存MRLの10mg/kgを修正する必要は当該EMSによって確認されなかった。
2. フッ化スルフリルの毒性学的プロファイルが指令91/414/EECに基づくピアレビューの枠組みの中で評価されており、0.014mg/kg体重/日の一日摂取許容量(ADI)及び0.7mg/kg体重の急性参照用量(ARfD)を算定するデータは十分であった。当該ピアレビューにおいて、フッ化物のADI及びARfDも検討された。0.005mg/kg体重/日のADIが、親化合物に基づき、分子量を考慮に入れて算出されている。EFSAの「栄養製品、栄養及びアレルギーに関する科学パネル」(NDAパネル)によって、8歳以下の小児におけるフッ化物の許容上限摂取量(UL)が0.1mg/kg体重と設定されている。しかし、当該ピアレビューは、現時点でフッ化物のADI値及びARfD値について科学的根拠に基づく結論を出すことができず、さらに試験が必要であると結論づけた。
3. くん蒸後の食用産品におけるフッ化スルフリルの性質については調べられていない。関与した反応を評価し、報告された試験成績の妥当性を確認するには、当該ピアレビューにとって利用可能な試験は不十分であると考えられ、したがって当該ピアレビューは、フッ化スルフリルによるくん蒸時における食品基質中の残留物の性質を完全に解明するために、最新の基準に従った試験を行う必要があると提案した。リスク評価及び規制対象の暫定的な残留物定義としてフッ化スルフリル及び無機フッ化物(Inorganic fluoride)が(別々に)提案された。くん蒸処理された食品中で、たん白質に結合したフッ化物が形成され、何らかの方法で消費者によって取り込まれる可能性がある場合、たん白質に結合したフッ化物を残留物定義に含めることが望ましいということで意見が一致した。
4. 当該ピアレビューによって特定されたデータ要件が満たされておらず、このためEFSAは、くん蒸処理後のくりにおけるフッ化スルフリルの代謝は十分に解明されていないと結論づける。
5. 意図された農業生産工程管理(GAP)に従ったくりのくん蒸には、フッ化物の既存MRLの引上げが必要であるが、フッ化スルフリルの欧州連合(EU)のMRLを修正する必要はないことが、提出された残留データによって示される。しかし、くりのくん蒸処理後のフッ化スルフリルの性質に関する調査が終わるまで、MRLを現時点で提案することはできない。EFSAは、また、植物基質におけるフッ化スルフリル残留物の保存安定性について調べる必要があることに留意する。
6. EFSAは、規則(EC) 396/2005の附属書IIIAで設定されたEUの既存MRLを入力値に用いて、フッ化スルフリルの残留物に対する消費者の暴露量を算出した。当該推定暴露量は、フッ化スルフリルについて算定された毒性学的参照値と比較された。EFSAの残留農薬摂取量の算出モデル(PRIMo)に組み込まれた欧州の食習慣のいずれにおいても、長期間摂取による消費者への懸念は確認されなかった。くりのフッ化スルフリルに対するEUの既存MRLに関して、急性暴露による消費者への懸念は確認されなかった(ARfDの6%)。(1)くん蒸処理後のくりにおけるフッ化スルフリルの性質に関する調査が終わっていないため、並びに(2)フッ化物の毒性学的参照値及び残留農薬以外の供給源に由来するフッ化物に対する消費者暴露量に関する知見が不足しているため、現在、フッ化物の残留物に対する消費者の暴露量の確定的な評価を行うことはできない。
7. EFSAは、フランス及びポルトガルにおけるくりに対するフッ化スルフリル及びフッ化物イオンの意図された使用の安全性を裏付けることはできないと結論づける。
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/doc/2591.pdf
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。