食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03580570344
タイトル ベルギー連邦フードチェーン安全庁(AFSCA)、フードチェーンにおけるヒトのベロ毒素産生性大腸菌(VTEC)感染の予防、検出、迅速トレース及び管理について意見書を発表
資料日付 2012年5月8日
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概要(記事)  ベルギー連邦フードチェーン安全庁(AFSCA)は5月7日、フードチェーンにおけるヒトのベロ毒素産生性大腸菌(VTEC)感染の予防、検出、迅速トレース及び管理について2012年4月20日付けの意見書(19ページ)を発表した。
 2011年春にドイツにおいて発生し及びフランスのクラスターが関係した腸管出血性大腸菌O104 :H4感染の重大さに鑑み、AFSCAの科学専門委員会(CS)は、フードチェーンの病原性ベロ毒素(細胞毒素)産生性大腸菌の予防、検出、迅速トレース、管理に関する意見書を出した。
 ヒト病原性VTECは現在その病原性の深刻さが知られており、ベロ毒素産生遺伝子(stxまたはvtx遺伝子)を持ち、次の菌力を有する遺伝子の組み合わせを含んでいる。これらは、腸管内で働く接着遺伝子(例:eae
,遺伝子、saa遺伝子、lpf遺伝子など)、他の定着因子をコードする遺伝子(例:凝集型接着線毛:Aggregative Adherence Fimbriae:AAF線毛)、及び制御因子などである。エンテロヘモリシンをコードする遺伝子ehxは、しばしばヒト病原性VTECで見られる。
 食品は、培養法や特にstxとeaeを検出するためのポリメラーゼチェーンリアクション(PCR)法によるスクリーニングの対象である。スクリーニングで陽性となれば、免疫捕獲及び/又は選択分離培地(色素生成)によって菌株を採取し、上記の病原性遺伝子の存在を分離細菌コロニーで確認することを推奨する。食品中に病原性遺伝子の組合せの分子検出は、病原性遺伝子が別々に採取したヒトに病原性が殆どない又はない複数の大腸菌株に存在することが排除できないので、分離により菌株を確認する必要がある。
 次の食品、即ち、生乳(または加熱不十分な乳)、生乳を主原料とする乳製品、生肉または牛や小型反すう動物由来の肉(または加熱不十分の肉)、生の葉菜類や果菜類、スプラウト(新芽野菜)、生の香草(食用野菜)、赤い小軟果(イチゴ・スグリなど)、野菜、果物、シリアルの非加熱喫食用食品(quatrieme gamme)などには病原性ヒトVTECリスクがある。
 CSは、AFSCAの2012年の管理計画事業を、2011年に調査した血清型に対して他の血清型のVTECの検出まで拡大する直接的な科学的基盤を持っていない。ヒトで流行している病原性血清型に関する知見によりヒト病原性VTECの管理プログラムを毎年評価し、VTEC管理と並行して、大腸菌分析により糞便汚染を抑制するための管理を実施し、また、VTECの国立リファレンスラボラトリー(LNR)、VTECの欧州リファレンスラボラトリー(EU-RL)及び他の専門家研究グループが提言するstxとeaeに加え、優先的にVTECの血清型の有無について検査し、関係する病原性因子の組み合わせが存在することに注意を払うことを推奨する。
 CSは、AFSCAが畜産や農業生産に適正衛生基準が使用されるよう監視することを助言する。フードチェーンの全ての段階で個人の衛生、特に従業員の手洗いが重要であることを指摘する。じゃがいも、果物、野菜の第一次生産部門用ガイド及び農産物加工産業の部門用ガイドには、葉菜類、生の食用ハーブ、スプラウト(新芽野菜)などのリスク製品のために出された特別の勧告を取り込まなければならない。野菜の第一次生産及び加工では、微生物危害要因、ヒトへの感染経路に関する十分なガイダンス及び情報があらかじめ準備されている必要がある。微生物学的基準に適合している品質の水を使用することが特に注意を要する点である。
 医療の分野においては、臨床ラボラトリーと中央集中報告システム間で、溶血性尿毒症症候群(HUS)のヒトの症例、分離株における感染性(菌力)、血清型などの特徴を迅速かつ効果的に連絡できる優良なコミュニケーションシステムが必要となる。全ての出血性下痢やHUSは、微生物学診断に基づいて検討されなければならない。従って、それを可能にする全てのリソース(資源)を医療部門で使用できるようにしなければならない。更に、複数のナショナルラボラトリーや欧州連合リファレンスラボラトリーの間の情報の相互作用、連携、適切な情報交換が必要で、これらによってヒト、動物、食品の検体のVTECの検査ができる。CSは、全ての関係者(当局、ラボラトリー、ナレッジセンター、関係部門など)がヒトに病原性があるVTECによる食中毒症を早期に検出するために、対策を立て、迅速にコミュニケーションをとり、適切に及び協調して危機管理計画とコミュニケーション体制をしっかりと更新しておくことを支持するものである。最後に、VTECの国立リファレンスラボラトリー(NRL)、VTECの欧州リファレンスラボラトリー(EU-RL)又は他の専門家研究グループが、広範な病原性因子に関しては、培養物や分離株の迅速で効果的なスクリーニングができるような分子技術を開発するよう示している。例えば、特に微生物負荷が高い製品について、適正な蓄積段階でPCR法などによるスクリーニングが出来るような検出技術の開発にも傾注する必要がある。
地域 欧州
国・地方 ベルギー
情報源(公的機関) ベルギー連邦フードチェーン安全庁(AFSCA)
情報源(報道) ベルギー連邦フードチェーン安全庁(AFSCA)
URL http://www.favv-afsca.fgov.be/comitescientifique/avis/_documents/AVIS15-2012_FR_DOSSIER2011-18.pdf
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