食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03560390475
タイトル フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、みつばちのコロニーの衛生状態:みつばちの挙動に及ぼす農薬有効成分に関する研究報告書について検討を開始したことを発表
資料日付 2012年4月2日
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概要(記事)  フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は3月30日、みつばちの挙動に及ぼす農薬有効成分に関する研究報告書について検討を開始したことを発表した。
 殺虫剤成分、チアメトキサムについてみつばちの挙動に及ぼす作用を観察し、みつばちのコロニーの衛生状態に与える潜在的作用に関する新たな研究報告が発表された。ANSESが実施している常時監視体制の枠組みにおいて及び農業水産省から要請があったことから、ANSESは、必要な場合にはフランス当局への勧告を行うため、速やかにこの新たな研究報告書及び現在入手可能な他の新たな研究報告書すべてについて検討することになった。ANSESは、このタイプの殺虫剤有効成分に関する評価プロセスに、この検討作業で得られた情報を取り入れるよう、必要があれば他の欧州の評価機関とも連絡を取る。
 ここ数年来、みつばちのコロニーの脆弱化や大量死現象が多くの国で観察されている。このような背景から、みつばちのコロニーの衛生状態に相乗作用する様々な要因の影響評価(病気、寄生虫、食物源の変化によるストレス、農薬、気候条件など)が様々な科学的調査研究によって確実に進んできている。
 みつばちの挙動に及ぼすチアメトキサムの作用及びみつばちの挙動の変化がコロニーに及ぼす間接的影響について新たな研究報告書が発表された。
 チアメトキサムはネオニコチノイド系の殺虫有効成分である。この物質は、農薬の市場流通認可について定めた欧州規則(EC)No.1107/2009に基づいて、欧州域内でトウモロコシやセイヨウナタネの害虫防除の製剤に使用することが認可されている。
 この研究報告書の著者の仮説は、致死量に至らない低用量のチアメトキサムに暴露したみつばちは方向感覚を失い(失見当識:desorientation)、これらのみつばちが巣箱に戻れない帰巣能力喪失(コロニーの食物減少)により間接的にコロニーの死亡率の増加を引き起こすというものである。
 この研究は、みつばちの帰巣を調べるためにみつばちの胸部に取り付けたラジオ周波識別(RFID)チップによりみつばちを追跡するという新しい試みである。ANSESは、みつばちの帰巣は、現在は規制法が求める調査の対象となっていない興味深いパラメータであると考える。ANSESは、この研究の再現性確認のため、自然界規模の野外実験を実施する。
 ANSESが実施している常時監視体制の枠組みにおいて及び農業水産省からの要請により、ANSESは、速やかにこの新たな研究報告書及び現在入手可能な他の新たな研究報告書すべてを検討しする。ANSESは、この研究の著者らが実施した方法の詳細(みつばちの暴露方法、みつばちごとの暴露量の変動など)を明らかにするために著者らに聞取り調査することも予定している。ANSESは、もし必要ならば、フランス当局に対して勧告し、殺虫剤有効成分の評価プロセスに、この検討作業で得られた情報を取り入れるよう、他の欧州の評価機関とも連絡を取る。
・関連情報
「フランス農業水産省、ネオニコチノイド系農薬クルーザーOSR(Cruiser OSR:有効成分チアメトキサム)の認可の見直しをANSESに諮問したことを発表」
http://agriculture.gouv.fr/procedure-reevaluation-cruiser
 3月29日にフランス農業水産省は、ネオニコチノイド系農薬クルーザーOSR(Cruiser OSR)に暴露したみつばち(abeilles butineuses)が「群れ崩壊症候群」を引き起こすとの研究報告が科学論文雑誌≪Science≫に掲載されたことを受けて、この農薬の認可の見直し(再評価)をANSESに諮問したことを発表した。
 科学論文雑誌≪Science≫に掲載された研究論文は、研究室におけるチアメトキサム低用量投与での実験条件で、みつばち(働き蜂)の挙動に及ぼす影響をモデル化している。
 フランス農業水産省は先に、このCRUISERに関して新たな科学的データが出たならば、この殺虫剤の認可を取り消すとしていた。
 農業漁業基本法の第R.253-46条に定める手続きに則り、農業水産省はANSESにこの検討を諮問した。ANSESの答申期限は5月31日である。この新たな科学的データが確認されれば、CRUISERの認可は取り消されることになる。
 農業水産省は同様にフランス国立農学研究所(INRA)及びフランス農業技術調整協会(Association de coordination technique agricole:ACTA)に対しても、このラボラトリー実験の結果が実際の農業現場でも再現するかどうかの野外実験を速やかに行うよう要請した。
 農業水産省は欧州委員会(EC)及び欧州食品安全機関(EFSA)に対しても、科学論文雑誌≪Science≫に掲載されたこの研究論文について通知した。欧州におけるチアメトキサムの評価への影響を調べるよう、また、必要であれば、みつばちに対する農薬評価を欧州統一基準の枠組みで補完するよう要請した。
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
情報源(報道) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
URL http://www.anses.fr/PMGC00KB01.htm
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