食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03530120482
タイトル 香港食物環境衛生署食物安全センター、「第1回トータルダイエットスタディ報告書(第2報):無機ヒ素」を公表
資料日付 2012年2月20日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  香港食物環境衛生署食物安全センターは2月20日、「第1回トータルダイエットスタディ報告書(第2報):無機ヒ素」を公表した。
 ヒ素は無機と有機に分けられ、天然に存在するものと人間の活動により生成されるものがあり、環境中に広く分布している。ヒトにおける無機ヒ素の主な摂取源は食品である。現代の工業化社会では、無機ヒ素は至る所に存在するため、食品に少量の無機ヒ素が含まれることはよくある。
 FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)は2010年、ヒトの肺がんの発症率が0.5%増加する無機ヒ素の摂取量の信頼下限値(ベンチマーク用量信頼下限値、BMDL0.5)を3.0μg/kg体重/日(2~7μg/kg体重/日)とし、1988年に設定した無機ヒ素の暫定耐用週間摂取量(PTWI)(15μg/kg体重/週。2.1μg/kg体重/日に相当)を取り下げた。
 結果及び結論の概要は以下のとおり。
1. 結果
(1)本研究では、600の混合試料について無機ヒ素の分析を行った。約半数(51%)の混合試料から無機ヒ素が検出された(検出限界は食品が3μg/kg、水が1.5μg/kg)。15の食品群のうち、無機ヒ素含有量が最も多かったのは「卵・卵類製品」(平均含有量は23μg/kg)で、次いで「魚類・海産物及びその製品」(平均含有量は15μg/kg)、「野菜及び野菜製品」(平均含有量は9μg/kg)の順に多かった。「穀物及び穀物製品」の平均含有量は8μg/kgだった。全ての乳製品及び油脂類からは無機ヒ素は検出されなかった。また、食品別では空芯菜(ヨウサイ)が最も多く(35~120μg/kg、平均含有量は74μg/kg)、次いで塩漬け卵(平均含有量は58μg/kg)及び牡蠣(平均含有量は58μg/kg)だった。水に関しては、本研究で無機ヒ素は検出されなかった。
(2)市民が食事から摂取する無機ヒ素の量は、平均で0.22μg/kg体重/日、高摂取群(訳注:95パーセンタイル値)で0.38μg/kg体重/日だった。年齢別及び男女別でみると、無機ヒ素の摂取量は平均摂取群では0.19~0.26μg/kg体重/日、高摂取群では0.33~0.46μg/kg体重/日だった。食事からの推定摂取量はいずれもBMDL0.5を下回った。暴露マージン(MOE)は、平均摂取群では9~32、高摂取群では5~18だった。無機ヒ素の発がんリスクを考慮すると、無機ヒ素の摂取量を減らすよう尽力すべきである。
(3)無機ヒ素の主要な摂取源は「穀物及び穀物製品」で、総摂取量の53.5%を占めた。次いで、「アルコールを含まない飲料」(13.0%)、「野菜及び野菜製品」(10.4%)、「魚類・海産物及びその製品」(7.9%)となっている。
(4)市民が食事から摂取する無機ヒ素は主に白米由来で、白米だけで総摂取量の45.2%を占めた。米が無機ヒ素の主要な摂取源である点は、米を主食とする他国で得られたデータと一致する。
2. 結論及び助言
(1)食事からの無機ヒ素の摂取量は平均摂取群及び高摂取群ともJECFAのBMDL0.5を下回り、MOEは平均摂取群で9~32、高摂取群で5~18だった。無機ヒ素の発がんリスクを考慮すると、無機ヒ素の摂取量を減らすよう尽力すべきである。
(2)食品業界は適正農業規範を遵守し、ヒ素に汚染された水を灌漑用として使用しない等、食物が無機ヒ素に汚染される機会をできるだけ減らすべきである。
(3)今回の結果は、現行の食事に関する基本的なアドバイスを変更するには不十分である。即ち、米・麺・オートミール・パン等の穀物を主食とした、バランスのとれたバラエティーに富んだ食事を保つべきである。その他の穀物の無機ヒ素含有量は米飯よりも低いため、無機ヒ素の摂取量を減らしたい場合は、食事の一部として、その他の穀物を多く選ぶとよい。また、以下の助言も参考にするとよい。米は炊く前にしっかりと研ぐ。ただし、栄養素の消失を防ぐため研ぎすぎないようにする。また、米中のヒ素、特に無機ヒ素の含有量を減らすため、研ぎ汁は捨てること。
 報告書の英語版(39ページ)は以下のURLから入手可能。
http://www.cfs.gov.hk/english/programme/programme_firm/files/Report_on_the_first_HKTDS_Inorganic_Arsenic_e.pdf
 報告書をまとめた資料は以下のURLから入手可能。
(1)中国語版(24ページ)
http://www.cfs.gov.hk/sc_chi/programme/programme_firm/files/Report_on_the_first_HKTDS_Inorganic_Arsenic_ppt_c.pdf
(2)英語版(24ページ)
http://www.cfs.gov.hk/english/programme/programme_firm/files/Report_on_the_first_HKTDS_Inorganic_Arsenic_ppt_e.pdf
 報告書に関するプレスリリースは以下のURLから入手可能。
http://www.cfs.gov.hk/sc_chi/press/2012_02_20_1_c.html
地域 アジア
国・地方 香港
情報源(公的機関) 香港食物環境衛生署食物安全センター
情報源(報道) 香港食物環境衛生署食物安全センター
URL http://www.cfs.gov.hk/sc_chi/programme/programme_firm/files/Report_on_the_first_HKTDS_Inorganic_Arsenic_c.pdf
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