食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03460430475
タイトル フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、TSEロードマップ2で提案された特定危険部位(SRM)の取扱いについて意見書を提出
資料日付 2011年10月21日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は、TSEロードマップ2で提案された欧州規制の変更の中の特定危険部位(SRM)の取扱いについて食品総局(DGAL)、保健総局(DGS)及び競争・消費・不正抑止総局(DGCCRF)から諮問を受けて2011年9月30日付で意見書を提出した。
 ANSESはTSEロードマップ2に関し、2011年2月8日にBSEサーベイランスについて、7月22日にBSEコホート排除による牛の健康に関する意見書を提出しており、今回の3番目の意見書はSRMの取扱いに関するものである。
1.検討結果
(1)SRM(特定危険部位)
 欧州委員会はTSE抑制管理体制を国際獣疫事務局(OIE)の推奨する体制に統一することを考えている。正しいSRMの除去は、消費者のTSE病原体暴露リスクを抑制する鍵である。これは、もし今後食用動物にTSEが流行することがあるとしても伝達リスクを抑止できる措置である。OIEは、牛海綿状脳症(BSE)のみに人獣共通感染リスクがあると考えている。従って、OIEは牛のBSEと小型反すう動物のスクレイピーを明確に区別している。また、OIEは全ての牛の非定型TSEを定型BSEとして認識している。
 OIEの定義による「無視できるリスク」国ではSRMの除去は義務付けられていない。現在、EU加盟国全てが欧州規則(EC)No.999/2001に定めるSRM除去対策を実施しなければならない。ロードマップ2では、OIEの「無視できるリスク」カテゴリーに属するEU加盟国においては、欧州以外の同カテゴリー国と同様に、この規定を廃止する可能性を提起している。
(2)牛のSRM
 「無視できるリスク」ステータスを得るための基準の一つに、自国で生育した牛の最後のBSE発症例から11年間経過すること、という規定がある。フランスは現在「管理されたリスク」ステータスに属している。フランスでは2004年出生のHyper NAIF(2001年1月以降出生のBSE患畜)がいるため、フランスが「無視できるほどのリスク」ステータスを得るには最短で2015年まで待たなければならない。
 2007年7月17日付け旧フランス食品衛生安全庁(AFSSA)の意見書では、疫学サーベイランス体制で2001年以降にフランスで出生した牛から患畜が検出されていないとしても、BSE患畜が若干数存在することは除外できず、最多で年間約20頭出ると考えられる、と述べている。
1)非定型BSE
 「定型」BSE流行が減少しているにもかかわらず、発生率が時間経過と共に変化しない「非定型」H型及びL型BSE患畜が少数存在することを考慮する必要がある。
 非定型BSEの年間の検出患畜数が非常に少ないといえども、現在のTSEサーベイランスでのこれらの非定型BSE検出感度を評価した証拠が一つもないことに注意を払うべきである。牛の諸器官におけるこれらの病原体の分布に関する研究は大半が進行中であるが、幾つかの研究結果から、L型BSEを脳内接種した牛において感染性が末梢組織に見られることが示唆された(Fukuda et al.
, 2009、Lombardi et al.
, 2008、Iwamaru Y et al 2010、Balkema-Buschmann et al 2011)。
 詳細情報不足のため、非定型BSEリスクに対する現在のSRM措置の有効性、及び変更による消費者暴露リスクの評価はできない。
2)定型BSE
 定型BSEに関するSRM除去処置に関するANSESの勧告は、牛の腸に関する勧告を除き、変更はない。2007年の旧AFSSA意見書提出以降に、牛の腸内での定型BSE病原体分布に関し、回腸、空腸、回盲部、腸神経系、遠位空腸及び結腸に感染性があるとする新たな研究報告が発表された(Hoffmann et al. 2011年、Okada et al. 2010及び2011年、M.Stack et al. 2011年)。これらのデータは、定型BSE病原体が低レベルであるが回腸以外の腸の部位に存在することを示している。
 これらの結果により、ANSESは2001年7月1日以降にフランスで生育し、と畜された牛の腸については回腸のみをSRMとする軽減SRMリストを考慮した先の勧告(2007年7月17日付け旧AFSSA意見書)を見直すこととなった。
(3)結論
 ANSESのSRMに関する勧告の撤回は、専らTSE病原体がフードチェーンに入る可能性をできる限り減少させることを目的としている。この観点から、ANSESが勧告する目的と基準は、OIEが推奨する措置の目的及び基準とは異なる。
 ANSESは、牛のSRM(2007年7月17日付け旧AFSSA意見書)及びめん羊のSRM(2010年3月17日付け意見書)の勧告を全面的に変更するものではないが、最新データを考慮して「牛の腸全体はSRMリストに維持されなければならない」ものであると考える。
2.結論及び勧告 
 牛では回腸に加え(訳注:回腸以外の)腸にも病原体が存在することを示唆する最新研究データが出ていることから、ANSESは牛の腸をSRMリストに維持することを勧告する。
 小型反すう動物に関しては、EU統一措置及びフランス国内SRM除去規則によって、これらの病原体に対する消費者暴露の減少を示す量的推定が出ていることを付言する。
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
情報源(報道) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
URL http://www.anses.fr/Documents/ESST2010sa0208-3.pdf
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