食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03440960475
タイトル フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、紫外線C波(280 nm 未満)照射による牛枝肉処理に関する資料について意見書を提出
資料日付 2011年8月9日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は、紫外線C波(280 nm 未満)照射による牛枝肉処理に関する資料について、食品総局(DGAL)から科学的技術的支援の要請を受けて2011年7月22日付で意見書を提出した。
 2010年に牛の枝肉を使って食用枝肉の紫外線(UV)照射処理プロセスの実験が実施された。検体数は非常に少なく、枝肉12検体である。この実験では、この新たな照射処理の効果と無害性が検討された。
 ANSESにはこの実験資料を検討し、以下の6項目の質問に回答するよう要請された。
Q1. 実験方法は適切か?
A:方法は微生物標準規格に対応しており、特別なコメントはない。一方、使用線量は、汚染水処理に使用されている線量の強さと同じ程度なので、照射効果のテストには適切と考えられる。
 しかし、「検出せず」の概念に対する分析定量限界値、方法の不確実性、サンプルの脂質の含有量に関する曖昧性や使用方法に関する情報がないことから、これらの実験結果の解釈は限定的になる。
 この実験資料にあるようなサンプリング法では、UV-C照射処理した枝肉の無害性を実証することはできない。このサンプリング法は、枝肉間に見られるマトリックスの不均質性及び変動性について考察を深めるために見直しが必要である。サンプリングの方法、サンプルの保管方法(内容物、温度、採取日付など)は明瞭に説明されなければならない。UV-Cによる表面処理は、サンプルの形状による効果減衰を避けうる方法を考慮しなければならないという特性がある。
Q2. 検査した化学分子の選択は無害性評価に適合しているか?
A:実験結果からは、新規化合物を生成するか否かが明らかでない。
 有害新規生成化合物の検査は、枝肉の表面温度上昇によって影響を受ける可能性があることを前提に設定されている。しかし、生物成分へのUV照射の影響は、部分的温度上昇に関する影響のみならず、この試験では考慮されていない光誘起反応によるものもある。よって、検査した化学物質の選択には、潜在的に調査対象化学物質が反応生成する可能性のある光化学分解物質をも含めなければならなかった。
 考慮すべき物質の選択について完全な論拠を提示することが必要である。
 これらの化学物質の中で、複素環芳香族アミンとフランは検査対象としなければならない。同様に、枝肉の温度条件を正確に評価するために、照射処理中の枝肉表面温度を計測する(温度計を使い、リアルタイムでUV-C照射処理中の温度を計測する)ことも必要である。
Q3. プロトコルは枝肉全体が対象か、またはカット肉を対象とするものか?
A:最初の試験は枝肉の前半分の部分で行い、カット肉では行わないようにすることが理論的のように思える。
 枝肉全体またはカット肉のどちらでUV-C照射処理するかについては、と畜場や食肉処理場の衛生管理能力に基づいて事業者が選択するものである。
Q4. より大きなサンプルで実験を行いこの試験結果を補足しなければならないか?
A:微生物学的観点からは、統計分析を行うに充分な量のデータを取るために追加試験が行われねばならない。
 同じように、プロセスの無害性評価に関しては、統計精度を上げるためにサンプル数を増やすこと及び枝肉内の不均質性や枝肉によって異なる変動(可変性)をより正確に特徴づけすることが必要である。
Q5. 効果を評価するために実施する微生物学的分析の選択は適切か?
A:抗菌効果を評価するために選択した細菌叢は適切である。
Q6. 枝肉のUV-C照射処理は、これらの製品の栄養価、代謝、有害物質含有量を有意に変えるか?
A:実験資料では、新生成物に関するデータは、UV-C照射が枝肉の有害物質含有量に及ぼす影響は少ないことを示唆している。
 しかし、たん白質、特に芳香族アミノ酸(特にトリプトファン)、ビタミンE(トコフェロール)の安定性評価について追加分析を実施することが望ましい。また、栄養価の潜在的な変化について最終的な判断をするために、コレステロール酸化物、脂質ヒドロペルオキシド、カルボニル化たん白質などの生成可能な物質の測定も望ましい。
 UVの作用機序を考慮すると、細菌に対する潜在的な非致死性変異原性作用を完全に無視することはできない。しかし、現在の知見では、食品安全に関するこのリスクの評価は実施することが困難なように思われる。
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
情報源(報道) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
URL http://www.anses.fr/Documents/RCCP2011sa0032.pdf
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