食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03411060475
タイトル フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、海生貝類のノカルジア症(nocardiose)の動物衛生リスクについて意見書を提出
資料日付 2011年7月13日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は、海生貝類のノカルジア症原因菌(Nocardia crassostreae)によるノカルジア症(nocardiose)の動物衛生リスクについて食品総局(DGAL)から諮問を受け、2011年6月8日付で意見書を提出した。
 Nocardia crassostreae(N. crassostreae)は、マガキ(Crassostrea gigas:C. gigas)に感染が疑われている細菌である。N. crassostreaeは、この細菌に感染したマガキの養殖場付近で養殖されているヒラガキ(Ostrea edulis:O. edulis)からも検出されている。この細菌は米国、カナダ及び日本で報告されている。欧州では、オランダで2006年以来ごく僅かに検出されている。フランスでは今日まで検出されたことはない。ノカルジア症については、フランスにも、欧州にも、また国際的にも規制がない。
 このような背景から、食用貝養殖業者は欧州でこの病気のサーベイランスを実施することを求めている。
 ANSESは、以上のことから以下の2点について諮問を受けた。
(1) 海生貝類の健康に及ぼすノカルジア症の影響(罹患率、致死率や生産損失、及び動物衛生ステータスの異なる海域間の海生二枚貝類の移動禁止)
(2) 養殖貝にN. crassostreaeの存在が指摘されている海域からフランスにこの病気が侵入し、拡散するリスク
 ANSESは、N. crassostreaeに好適な生態系の海域(泥質沿岸部、入江、汽水湖)でアクティブサーベイランス及びフランスでこの菌が検出された場合に備えた細菌研究を実施するよう提言する。このような生態系にカキ貝を垂下すると、カキ貝の感染暴露、更には感染症の臨床的発現が助長される懸念がある。
 更にANSESは、アクティブサーベイランスの結果が出るまで、感染海域の稚貝をフランスに輸入することは避けた方がよいと考える。自然条件下での当該細菌の伝播性やカキ貝における病原性発現に関する不確実性があるとしても、N. crassostreaeが成貝の大量死に関係していることやN. crassostreaeが本質的に病原性を持つことは実験的に明らかである。
 フランス国立海洋開発研究所(Ifremer)の軟体動物病理学ネットワークreseau REPAMO(REseau de PAthologie des Mollusques)が、マガキや他の二枚貝類の大量死が始まった1990年代から実施しているパッシブ・サーベイランスでノカルジア症が疑われたことはない。このパッシブ・サーベイランスは有効であると考えられているので、多分、確信をもって肯定できないが、フランスは現在のところN. crassostreaeについては清浄であると思われる。
 ヘルペス・ウイルスの潜在的な保有体であるカキの成貝は、N. crassostreaeを含む潜在的な日和見病原体感染にも高い感受性があるため、フランスは特にカキ養殖業が既にカキヘルペス・ウイルスOsHV-1による被害をかなり被っていることから、輸入に関しては非常に慎重でなければならない。
 この慎重であるべきとの勧告は、海域や国のN. crassostreaeの動物衛生ステータスを定めることができるまで、他の全ての清浄海域又はノカルジア症について清浄であるとみなされている海域についても同じように適用されるべきである。
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
情報源(報道) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
URL http://www.anses.fr/Documents/SANT2010sa0287.pdf
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