食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu03411050475 |
タイトル | フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、熟成期間が60日以上の牛の生乳製品におけるマイコバクテリウムの影響について意見書を提出 |
資料日付 | 2011年5月20日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は、熟成期間が60日以上の牛の生乳製品におけるマイコバクテリウムの影響について食品総局(DGAL)から諮問を受けて2011年5月20日付で意見書を提出した。 と畜牛のサーベイランス(結核病を示唆する病変の検出)を介して及び定期検査(毎年、隔年、3年毎又は4年毎)で数万の牛群についてツベルクリン検査(2009年には18 ,000の動物群、即ち約780 ,000頭が皮内ツベルクリン検査(IDT)を受け、及び牛の取引時に約280 ,000頭が皮内ツベルクリン反応検査を受けている)により、フランスの全ての牛について牛型結核菌(Mycobacterium bovis及びM. tuberculosis)サーベイランスが実施されている(Fediaevsky et al. , 2010)。 このサーベイランスで、と畜場のツベルクリン反応検査で陰性反応を示さなかった牛が出た場合、この牛の出身の群は法律上「懸念がある」群に分類されることになる(2011年1月4日付で改正された2003年9月15日付け省令)。 これらの懸念があるとされた群が監視体制下(フランスの動物衛生管理県条例:APMS)に置かれたなら、清浄ステータスが停止され、飼育場の調査が実施される。即ち、聞き取り調査とツベルクリン皮内反応検査が行われる。ツベルクリン皮内反応検査(CIDT)で群の全てが陰性なら、群は再度清浄ステータスを得る。陽性反応の牛は診断のために殺処分される。この場合、「懸念」を解除するには、新たにCIDT(2段階比較ツベルクリン皮内反応テスト法)を行ない、検査結果が陰性でなければならない。 動物由来食品に適用する衛生規則を定める欧州規則(EC)No853/2004は、その附属書III、第IX部、第1章、1.2b項に、乳製品製造用の生乳は公的に結核病清浄ステータスが認められた動物群の牛由来の乳でなければならないと規定している。ただし、これらの要件を満たさない動物由来の生乳でも、当局の許可があれば使用できる。 消費者の安全を保証するために、DGALは、この熟成期間で牛の生乳製品中のマイコバクテリウムの危害要因を抑制することができると考えられるか否かをANSESに諮問した。具体的にはDGALの質問は以下のとおりである。 牛群の清浄ステータスが中断した場合、中断前の期間について、清浄ステータス中断時の結核病検査の結果の如何を問わず、60日間を超える生乳製品熟成期間で考えられる危害要因を確実に抑制できるか? 1.危害要因抑制 10件中9件とよくあるように、もし清浄ステータスを中断された牛群が調査後に清浄とされたなら、60日間のチーズの出荷停止は無用となる。また、もし牛群が実際感染しているが菌を乳中に排泄していない場合も同様である(上述したように、菌を乳中に排泄するのは感染牛の2%以下である)。 もし、乳が実際に牛型結核菌(M.bovis:現在フランスで唯一牛結核病の原因菌)に感染していたとして、60日間の熟成期間が危害要因を抑制することを肯定するような情報は存在しない。危害要因はかなり高い確率でマイコバクテリウム(抗酸菌)の初期負荷量(charge initiale)、チーズ製造用の菌株、及び微生物生態系に左右される。 2. リスク リスクの問題は諮問されていないが、下記を付言する: 法律上牛結核病感染の疑いのかかった群の乳牛の乳に牛型結核菌排泄の可能性があったとしても、非常に例外的である。乳中にマイコバクテリウムを排泄する結核性乳房炎は実際感染乳牛の0.5~2%にすぎない。フランスでは、乳牛の牛結核病感染は年間20~30頭で、その感染牛が属する群は10ほどで、感染農場が生乳からチーズの製造を行ったり、また、チーズ製造工場に生乳を出荷する確率は統計的に非常に少ない。 結核性乳房炎の乳牛の菌排泄は平均で10の3乗CFU/mLであるが、たとえこれらの牛結核病感染乳牛の乳中のM.bovisの濃度が、まれにではあるが10の6乗CFU/mLを超過したとしても、群のほかの牛の乳と混合することで菌濃度は大幅に希釈される。この乳の希釈はごく一般的に行われているが、諸方の農場から乳を収集する工業的生産工場に出荷された場合は希釈倍率は更に大きくなる。また、M.bovisはある種の乳製品中で一部は殺菌されてしまう。 暴露すると必ず感染するというものではない。従って、フランスでは、60日間以上熟成した生乳を使った乳製品を摂取したことによってヒトが結核に罹患するリスクは「ほとんどない」と考えられる。 |
地域 | 欧州 |
国・地方 | フランス |
情報源(公的機関) | フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES) |
情報源(報道) | フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES) |
URL | http://www.anses.fr/Documents/MIC2010sa0295.pdf |
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。
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