食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03321500104
タイトル 米国疾病管理予防センター(CDC)、「放射線と妊娠:国民向けファクトシート」を発表
資料日付 2011年3月29日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  米国疾病管理予防センター(CDC)は3月29日、「放射線と妊娠:国民向けファクトシート」を妊婦向けに発表した。妊娠期ごとの母体から胎児への放射線被ばくの影響について説明している。概要は以下のとおり。
1. 出生前放射線被ばく
 胎児の放射線被ばくを出生前放射線被ばく(prenatal radiation exposure)と呼ぶ。この被ばくは、母体腹部が外部放射線に曝された場合に生じる。また妊婦が放射性物質を誤って嚥下・吸入した場合に、同物質が血流中に吸収されることがある。血液中の同物質は臍帯を経由して胎児に移行したり、膀胱など母胎の子宮付近に凝集したりして胎児が放射線に被ばくする。
 胎児の健康への影響度は被ばく時の在胎期間と被ばく量によって異なる。出産間近の胎児は、ほかのどの妊娠時期の胎児よりも感受性が弱いが、妊娠2週間~18週間の早期段階では放射線に対する感受性が特に強い。被ばく線量がわずかで、母親の気分が悪くなるようなケースではないとしても、胎児の健康への影響は重大である。その結果発育阻止、奇形、脳機能異常が生じるほか、後年がんに罹患する可能性がある。ただし胎児は母体の腹部に覆われているため、子宮内の胎児は外部の放射線源からある程度保護されている。したがってほとんどの場合、胎児への放射線量は母体よりも少なくなる。
2. がんのリスクが高まる
 出生前の被ばくは後年がんに罹るリスクが高まる。出生間近の胎児は、放射線の発がん作用に特に感受性が強い。リスクは被ばく量と被ばく時間に左右される。例えば、胎児が胸部X線撮影の約500回分の線量に1回で被ばくした場合、生涯がんに罹患するリスク増加は2%に満たない(標準的ながん罹患リスクは40%~50%)。
3. 被ばくによるその他のリスク
(1) 胎児への線量が極めて少ない場合、がん以外のリスクが生じる可能性は低い。
 在胎期間中のいずれかの時期に低線量(胸部X線撮影の約500回分以下)に被ばくした場合でも、出生時欠損のリスクは増えないという点で大方の研究者は合意している。
(2) 妊娠2週間以内における放射線が関係する最大の憂慮事項は胎児の死亡である。
 この期間の胎児は数個の細胞であり、1個でも損傷すると胎芽の死に至りかねない(母親は自分が妊娠していることさえ気づいていない)。しかし死なずにすんだ胎児では、被ばく量の程度にかかわりなく、出生時欠損を生じることは少ない。
(3) より感受性の強い発達時期(妊娠2週間~18週間)における大線量被ばくは、特に脳を中心に出生時欠損を生じやすい。
 この時期に胎児が大線量(胸部X線撮影の約500回分を上回る線量)に被ばくすると、健康、特に脳への影響が重大である。広島・長崎で原子爆弾に被ばくした妊娠8週間~18週間の胎児では、脳に損傷を受けていた割合が高く、その結果低IQや重度知的障害に至っている。また発育阻止(平均身長よりも最大で4%低い)やその他の出生時欠損リスクが増大する。
(4) 妊娠18週間~出生までのがん以外の健康影響は、被ばく線量が極端に多くなければ可能性は低い。
 18週間~25週間では、被ばく線量が極端に多い(1度に胸部X線撮影の約5000回分を上回る)場合にかぎり、8週間~17週間におけるのと同様の健康影響が生じ得る。この線量レベルでは、母親が放射線宿酔として知られる急性放射線症候群(http://emergency.cdc.gov/radiation/ars.asp)の兆候を示すことがある。
(5) 妊娠26週間以降では、胎児の放射線感受性は新生児と同等である。
 この時期の胎児は完全に発達しているが、成長しきっているわけではない。この時期に胎内で被ばくする出生間近の胎児の感受性は、新生児と同等である。つまり出生時欠損が生じる可能性は低く、後年がんに罹患するリスクがわずかに増えるだけである。
地域 北米
国・地方 米国
情報源(公的機関) 米国/疾病管理予防センター(CDC)
情報源(報道) 米国疾病管理予防センター(CDC)
URL http://emergency.cdc.gov/radiation/prenatal.asp
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