食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03271400344
タイトル ベルギー連邦フードチェーン安全庁(AFSCA)、燻製サケにおけるリステリア菌のリスク評価について意見書を発表
資料日付 2010年12月15日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  ベルギー連邦フードチェーン安全庁(AFSCA)は10月15日付けで、自ら実施した燻製サケにおけるListeria monocytogenesリスク評価について意見書を発表した。
 AFSCAは衛生管理事業計画に基づき毎年非常に多くの分析検査を実施している。本意見書は、「非加熱喫食調理済み食品中のリステリア菌」の分析結果を定量的リスク評価に使用するのが妥当であるかを評価した。ケース・スタディとして「サケにおけるListeria monocytogenes」が選ばれた。
 最初の確率論的リスク評価では、サケの摂取によるリステリア症平均患者数を2002~2005年のサケ中のL.monocytogenes分析結果から算出した(保存期限の2/3の期間の保存温度を4℃及び保存期限の1/3の期間を7℃で保存)ところ、平均患者数は年間0.2~1.0人と推定された。但し、この数値はサケの燻製は保存期限当日に消費されると推定している点で過大評価であり、一方で流通段階や消費者の冷蔵庫での温度変化を考慮していない点で過小評価となっている。
 第二回目の確率論的リスク評価では、様々なシナリオで燻製サケ中のリステリア菌増殖のシミュレーションを行い、リステリア症患者数を推測した。この評価には2006~2009年の燻製サケ中のリステリア菌分析検査結果を用いた。燻製サケの喫食によるリステリア症推定平均患者数は、第一回目のリスク評価と同様の条件で増殖シミュレーションすると年間1~1.6人であった(選択された確率分布による)。現実により近い条件(コールドチェーン流通部門及び消費者の冷蔵庫における温度分布を使用、保存期限の75%の時点で消費され、サケの燻製の保存期限の半分は流通部門で、残り半分は消費者の冷蔵庫で保存されたと仮定)のモデルを使うと、シミュレーション後の燻製サケの喫食によるリステリア症年間罹患数は3.1人となる。2008年にベルギーでヒトからリステリア菌が分離されたのは53回あった。これらのデータは燻製サケがリステリア暴露を生じさせる食品の一つであることを示唆している。シナリオ分析を使って、リステリア症の多くの症例について流通部門及び消費者の冷蔵庫の燻製サケの保存温度の影響を評価した。結果から消費者の庫内温度の影響が最も大きいことが示された。保存期限の短縮効果も同様に評価すると、例えば、燻製サケを保存期限の75%の時点ではなく50%の時点で消費した場合、リステリア症罹患者数は1/5に減少した。
 一般的に、リステリア管理計画の枠組において実施した分析検査の結果(規則2003/2005の基準の検証)を確率論的リスク評価に使用することは適切ではない。しかし、分析結果が他の補足的分析結果(改正された検出限界での菌数検出)で補完されるのであれば、これらのデータは(幾つかの仮定条件の下で)確率論的リスク評価に使用できる。
 科学委員会は、リスク評価を実施するに当たっては最終目標を設定することを勧告する。実際、得られたデータのタイプは最終目標によって変わる。例えば、最終目標が流通部門における食品リスクの比較ランク付けであれば、流通部門のデータが使用できる。反対に介入措置(保存期限短縮など)の影響評価が目的であれば食品加工部門のデータが必要となる。食品加工部門での分析結果を基に暴露評価を実施しようとするのであれば、評価対象食品のリステリア菌増殖モデルを用いること、特性に関する数値データ(pHや水分活性awなど)や外的状況(温度、保存期限など)が必要である。
 AFSCAにとって、消費者のリステリア症リスクに照らして様々な食品のランク付けをすることが必要である。これらの情報は将来管理計画の調整に使用できる。本意見書に紹介した研究はより広範なランク付けの方法論的基礎となるものである。
地域 欧州
国・地方 ベルギー
情報源(公的機関) ベルギー連邦フードチェーン安全庁(AFSCA)
情報源(報道) ベルギー連邦フードチェーン安全庁(AFSCA)
URL http://www.favv-afsca.fgov.be/comitescientifique/avis/_documents/AVIS35-2010_FR_DOSSIER2005-79.pdf
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。