食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03270310208
タイトル オーストラリア農薬・動物用医薬品局(APVMA)、内分泌撹乱物質管理方法に関する情報シートを公表
資料日付 2010年12月7日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  オーストラリア農薬・動物用医薬品局(APVMA)は12月7日、内分泌撹乱物質管理方法について概説した情報シートを公表した。その概要は以下のとおり。
 環境中には多数の内分泌撹乱物質(Endocrine disrupting chemicals: EDC)がある。そのうち男性ホルモンや女性ホルモン及び植物エストロゲン(plant oestrogens or phyto-estrogens)のようないくつかは、自然に発生する。それ以外では、経口避妊薬、ホルモン補充療法薬のような人工的に製造されたホルモン及び工業用、農業用並びに消費財に用いられるいくつかの化学物質などが含まれる。EDCに対する主要な懸念は、環境中に低濃度で存在するこれらの物質が魚や水棲生物に悪影響を及ぼす可能性があるかもしれないということである。食品中あるいは水中の残留及び一部の消費財使用による暴露を通じたヒトへの懸念も存在する。
 ヒトの健康影響については明確な因果関係は証明されていないが、リスクが存在する可能性については国内外の科学者達に理解されている。例えば1996年に、オーストラリアも加盟している経済協力開発機構(OECD)は、以下の目的を持つ内分泌撹乱物質検査及び評価に関する特別活動(Special Activity on Endocrine Disrupter Testing and Assessment)を設置した。
1. 内分泌撹乱物質検出のための新規並びに改訂検査ガイドラインを策定すること、
2. 情報を提供し、また加盟国間の活動を調整すること、
3. EDCについてのハザード並びにリスクの特定評価アプローチの統一を図ること。
 この問題に関する一般の認識の高まりを受け、国内的並びに地域的規制機関も対応をしている。欧州連合(EU)は、短期、中期並びに長期の行動戦略を策定した。これには、EDCを特定・評価し、有害な物質の使用並びに生産を規制していくことが含まれる。2011年6月に施行予定の法律は、ヒトに悪影響を引き起こす可能性のある内分泌撹乱性を固有の基準として特定している。米国環境保護庁(EPA)もまた、内分泌撹乱潜在力を持つ化学物質を特定化することによりEDCについの理解を促進するプログラムを実施している。
 オーストラリアはこの問題について1998年から対応している。化学物質規制に係わる連邦政府機関は、潜在的なリスクを認識し、EDCの追加的検査、スクリーニング及び評価に関する国際的ガイドラインの策定を支援してきており、現在も継続中である。オーストラリア連邦科学産業研究機関(Commonwealth Scientific and Industrial Research Organization: CSIRO)、大学、地域水道当局などは、水環境におけるEDCの存在、挙動及び運命に関する理解を促進する研究並びにモニタリング・プロジェクトを有している。
 規制という視点では、現在のオーストラリアの立場としては、内分泌撹乱は、動物やヒトが正常な代謝及び排泄作用に大きく影響するようなレベルに暴露される際に化学物質が引き起こす可能性のある影響の一部にすぎないとしている。従って、内分泌撹乱それ自体は悪影響とはみなされず、全生物における生殖、成長、発がん性あるいは生態影響のような毒性または環境毒性の悪影響に繋がる恐れのある化学物質の作用メカニズムである。
 潜在的にEDC源の一つである、農薬及び動物用医薬品については、現在の規制は比較的厳格である。新しい農薬または動物用医薬品が販売される前に包括的に評価されなければならない。この評価手続きは、内分泌撹乱潜在力を持つ化学物質を特定する能力のある具体的要素で広範な毒性及び環境毒性検査を必要とする。これらの手続きは、海外の規制機関が使用しているものと同等であり、規制体制が保守的且つ保護的であることを確保している。現在、リスクの特定化及び一層機敏な評価方法の策定のためにOECDの検査ガイドラインを通じた国際的な作業が進行中である。オーストラリアでは、EDCに関する研究が関連政策の策定と共に継続されている。農薬並びに動物用医薬品については、APVMAは他の機関と協力し積極的な役割を果たし続ける。

国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部 食品安全情
報 No.26/2010(2010.12.15)化学物質p20
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/
地域 大洋州
国・地方 豪州
情報源(公的機関) 豪州・NZ食品安全庁(FSANZ)
情報源(報道) オーストラリア農薬・動物用医薬品局(APVMA)
URL http://www.apvma.gov.au/news_media/community/2010-16_endocrine.php
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。