食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03250610475
タイトル フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、海生貝類のA型肝炎ウイルス感染について報告書及び勧告を提出
資料日付 2010年9月1日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は、海生貝類のA型肝炎ウイルス感染について食品総局(DGAL)及び保健総局(DGS)から諮問を受けて、2010年9月1日付けで報告書及び勧告を提出した。
1.諮問内容
(1)フランス食品衛生安全庁(AFSSA)が既に提出している意見書、及び2007年に発生したA型肝炎の流行を受けてコート・ダルモル県の食品衛生安全当局合同視察団(MISSA)が実施したペンポル湾(※訳注1)汚染指定期間中の貝類の衛生品質追跡調査を確実に施行するためのアクション・プランのレビューなどに基づいて貝類のA型肝炎ウイルス(HAV)汚染管理対策改善のための勧告を提出すること、及び必要な追加作業の有無
(2)事前に汚染除去処理した場合、B級海域(※訳注2)の海水を食用貝養殖場陸上水槽(収穫後出荷前仕上げ)用に汲み上げて使用することが可能か否かを評価すること
(3)汚染源が特定された場合に環境中のウイルス拡散パラメータを考慮したペンポル湾の海水及び貝類のサーベイランスと衛生管理方法について勧告すること
(4)汚染源が特定できない場合や複数の汚染源が懸念される場合に対処できる、より広範囲のサーベイランス及び衛生管理方法について勧告することである。
2.報告書内容
 本報告書は5つの章から成っており、その内訳は(1)本件に関する知見の現状、(2)現場のサーベイランス及び衛生管理体制、(3)ペンポル湾の状況、(4)定量的モデル化試験、(5)一般的勧告である。
 サーベイランス及び衛生管理の分析から、適切な指標がない、貝類の定点サンプリングができていないなど、ウイルス濃度の定量が現状困難など現行体制の弱点が明らかになった。
 ペンポル湾は1999年と2007年にA型肝炎流行の舞台になった。この食用貝養殖現場の特徴及び主な要因、貝類汚染の潜在的原因、即ち人口、衛生施設(下水処理施設・下水道)、最近発生した衛生施設の故障事故、湾の構造が詳細に調査された。サーベイランス及び衛生管理対策、特にMISSAが想定し、実施した対策についても記述している。
 定量化モデルの可能性についての検討は、確認した感染経路に沿ったヒトから貝へのHAVの伝播についての知見がないためにあまりできなかった。一方、様々なタイプのサーベイランスの効果については、明確な仮定の枠組みの中で検討された。検討の結果、公衆衛生の面からも経済的な面(カキ貝の販売禁止期間の日数)からも、海への下水の排水管理が他の対策よりも最も効果的であることが明らかとなった。
3.結論
 不足している情報の収集及び関係事業所のウイルス・ハザード抑制体策の改善を勧告する。食用貝生産に適合するサーベイランス及び衛生管理は必須であり、現状は不十分である。公共衛生設備網(下水処理・下水道)が適切に機能し、リスク海域での食用貝養殖事業活動を低減することによって、はじめて貝類のウイルス汚染を制御することができる。これは、特に公共衛生設備網(下水処理・下水道)に事故や故障が発生した場合は、警戒態勢(situations d’alerte:当局による貝類採捕禁止、貝類販売禁止などの管理措置が施行される)を取ることを前提としたものである。

※訳注1:フランス北西部ブルターニュ半島の先端に近い湾名
※訳注2:貝の可食部(CLI:chair et liquide intervalvaire)100gあたりのE.coli数が4600以上の海域
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
情報源(報道) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
URL http://www.afssa.fr/Documents/MIC2009sa0044-2.pdf
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