食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03240640475
タイトル フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、チョウ目害虫抵抗性遺伝子組換え大豆MON87701について意見書を提出
資料日付 2010年11月1日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は、欧州規則(EC)No.1829/2003に基づき、チョウ目害虫抵抗性遺伝子組換え(GM)大豆MON87701を輸入、加工及び食糧及び動物飼料に使用するための市場流通認可申請書について競争・消費・不正抑止総局(DGCCRF)から諮問を受けて2010年8月24日付で意見書を提出した。
 GM大豆MON87701はCRY1Acたん白質を発現する。CRY1Acたん白質はチョウ目害虫(Anticarcia gemmatalis、Pseudoplusia includens、Epinotia aporemaまたはRachiplusia nu)に対する抵抗性をGM大豆MON87701に付与するものである。
 GM大豆MON87701は、栽培種大豆A5547の分裂組織にアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)を用いて直接遺伝子を導入することで形質転換して得られたものである。ベクター(15.5kb)は2つのtDNAからなっており、その1つにはcry1Ac遺伝子発現カセットを、もう1つにはcp4epsps遺伝子発現カセットを含んでいる。cp4epspsは形質転換マーカーとして使用され、cp4epspsを含むインサートは分離によって除去される。最終的には自家受粉を繰返した後cry1Ac遺伝子発現カセットを含んだインサートのみを有するGM大豆MON87701が得られる。
 導入cry1Ac遺伝子が産生するCRY1Acたん白質の量は、茎葉で70(10~150)μg/g乾燥重量及び種子で5.1(3.9~6.7)μg/g乾燥重量(アルゼンチンで2007-2008年に実施)であった。
 インサートの遺伝的安定性及び植物表現型の安定性は交配実験で第4代から第9代までのGM大豆MON87701についてサザンブロッティング法により検証し、ゲノムで導入遺伝子が安定していることを確認した。
 化学成分組成比較分析や農産物特性の比較ではGM大豆MON87701と対照大豆A5547や在来品種の間に、遺伝子導入で期待したある種の害虫に対する抵抗性のパラメータを除き有意な相違は観察されていない。
 CRY1Acたん白質の安全性については、cry1Ac遺伝子提供生物Bacillus thuringiensisが環境中に広く生息しており、その健康有害影響は知られていない。また、CRY1Acたん白質の配列は、データバンクの最新データに登録された毒性たん白質の配列と全く異なっている。加えて、マウスの雌に最大1
,290mg/kg体重を及び雄に1
,460mg/kg体重を(強制)経口投与しても死亡例は観察されていない。
 90日間の亜慢性毒性試験でも異常の所見はない。
 アレルギー誘発性についても、バイオインフォマティクス調査でアレルゲン配列とされたものと同じ配列はないことが明らかにされている。また、アレルギー患者及び大豆アレルギーでない患者のGM大豆MON87701及び在来型大豆のたん白質部分に対する免疫グロブリンE(IgE)結合力を比較し、さらにGM大豆MON87701を含む様々な大豆抽出たん白質に対する大豆アレルギー患者のIgE結合を二次元電気泳動で分離し、ウエスタンブロット法で定量した。その結果、GM大豆MON87701抽出たん白質と対照大豆A5547及び同じ特性を示す在来品種の大豆の抽出たん白質の間に差はなかった。
 栄養試験が肉用鶏を用いて実施され、GM大豆MON87701と対照大豆A5547の特性を比較している。この実験で、第一期(0~7日)GM大豆MON87701のグループの死亡率は5%で、他のグループでは0.83~4.17%であり、第二期(7~42日)ではGM大豆MON87001グループは5%で変わらず、他のグループ(0~2%)より高い死亡率であった。この死亡率が有意差に相当するものであるかを判定する統計学的分析が一つも実施されていない。死亡率以外は試験で計測されたパラメータの結果の統計分析はGM大豆MON87701給餌グループと対照大豆A5547や実験に供した市販品種大豆給餌グループの間に如何なる差もなかった。
 提出書類によりGM大豆MON87701を分子の面からその形質転換(遺伝子組換え)を特徴付けることができる。また、この書類から当該大豆の化学成分組成が遺伝子的にほぼ同質の対照大豆及び在来種の大豆に較べ異ならないことが示されている。
 GM大豆MON87701の安全に関するデータから、報告書にある実験条件では大豆種子及びその植物本体に発現するたん白質に毒性がないと結論できる。
 肉用鶏を使って42日間の栄養テストが実施されている。GM大豆MON87701を給餌したグループと対照大豆A5547を給餌したグループで差が出たパラメータは一つも観察されなかった。しかし、栄養テストでGM大豆MON87701を給餌したグループの死亡率について解明が必要である。従ってANSESは本申請書ではGM大豆MON87701の安全性について結論することはできないと考える。
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
情報源(報道) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
URL http://www.afssa.fr/Documents/BIOT2010sa0146.pdf
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