食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03240130208
タイトル オーストラリア・ニュージーランド食品基準機関(FSANZ)、食品中のヨウ素に関するファクトシートを公表
資料日付 2010年10月21日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  オーストラリア・ニュージーランド食品基準機関(FSANZ)は10月21日、食品中のヨウ素に関する12項目のファクトシートを公表した。
 ヨウ素欠乏に対応するため、パンにはヨウ素添加塩によるヨウ素の添加が義務付けられているが、これは胎児及び幼児にとって特に重要である。入手可能なすべての科学的証拠に基づいて、豪州でパンにヨウ素添加塩を使用することは安全である。
1. ヨウ素とは何か、我々は何故必要としているか。
2. ヨウ素はどの程度必要か。
 ほとんどの成人は一日当たり150μg摂取する必要がある。妊婦や母乳ほ育中の女性は胎児及び乳児へヨウ素を与えるためにもう少し必要である。妊娠期間中には一日当たり220μg、また母乳ほ育期間中には一日当たり270μgの摂取が推奨される。
3. ヨウ素を含むのはどのような食品か。
 豪州並びにニュージーランドの食品の多くはヨウ素の含有量が低い。そのために、ヨウ素の欠乏が発生している。含有量が多い食品としては、カキ(160μg/100g)、海藻を含む寿司(92μg/100g)、缶詰サーモン(60μg/100g)、オーガニックパン以外のパン(46μg/100g)、蒸スズキ(40μg/100g)などである。
4. 食品に追加のヨウ素をどのように添加出来るか。
 最も簡単な方法は、非ヨウ素添加塩をヨウ素添加塩に替えることである。国際的なガイダンス及び経験では、ヨウ素添加塩の使用はヨウ素欠乏を是正する最善策の一つであることが示されている。FSANZは、ヨウ素欠乏の再発生に対応するためにヨウ素の添加義務化規則を策定した。この規則では、オーガニックパンを除く全てのパン製品において非ヨウ素添加塩をヨウ素添加塩に替えることが義務付けられている。2009年10月以降、豪州並びにニュージーランドでは、ほとんどのパンにヨウ素が添加されている。
5. ヨウ素添加塩中のヨウ素はどこから由来するか。
6. 食品にヨウ素添加塩が含まれているかどうかどのようにして分かるか。
 製造業者は、表示ラベル上の食材リストに「ヨウ素添加塩」を記載しなければならない。未包装のパンや店頭で作られるか包装されるパンについては食材情報を表示する必要はない。
7. ヨウ素添加塩を含まないパンはあるか。
 オーガニック食品にはヨウ素添加塩が認められていないので、オーガニックパンには含まれていない。家庭でのパン製造用のブレッド・ミックスにはヨウ素添加塩含有の義務はない。しかしながら、製造業者は希望すれば、ヨウ素添加塩の添加を選択出来る。さらに、無塩パンにはヨウ素が含まれていない。
8. パンを食べない場合にはどうか。
 パンにはヨウ素添加塩の含有が義務付けられているが、製造業者は他の食品についてもヨウ素添加塩の使用が可能である。これにより、パンを食べない人々には代替ヨウ素源となる。
9. 塩分の摂取を減らすべきではないか。
 塩分は高血圧に繋がるために、世界的に減塩努力が推奨されている。ヨウ素添加義務化規則では、パン中の既存塩分をヨウ素添加塩に替えることが義務付けられている。これは、人々が食品に追加のヨウ素添加塩を添加することより望ましい。
10. 妊婦や母乳ほ育中の女性は十分な量のヨウ素を摂取できるか。
 ヨウ素の添加義務化により一般の人々には十分なヨウ素量を提供するが、妊婦並びに母乳ほ育中の女性のニーズを満たさない。全国保健・医療研究協議会(National Health and Medical Research Council: NHMRC)は、妊婦、母乳ほ育中の女性もしくは妊娠予定の女性に対し毎日150μgのヨウ素サプリメントを摂取するよう推奨している。甲状腺機能不全の症状がある女性は、サプリメントの摂取前に医師の助言を求めるべきである。昆布や海藻のサプリメントは様々な量のヨウ素を含んでいるので薦められない。
11. 過剰なヨウ素からは健康に有害な影響があるか。
 ヨウ素添加の義務化により豪州人のヨウ素摂取量は一日当たり約54μg増えると推定される。この量は大瓶入り牛乳(300mL)のヨウ素含有量に等しい。かかるヨウ素摂取の増加は、ヨウ素に敏感な人々にとっても有害となる可能性は少ない。ヨウ素に敏感な人々は、昆布、海藻及びシーフードのようなヨウ素の含有量が高い食品を避けるよう助言される。
 ヨウ素添加義務化の策定に際して、FSANZは様々な分野の専門家を含むヨウ素に関する科学諮問グループを設置した。FSANZは、同グループと協議を行い、ヨウ素の添加義務化による健康への有害リスクが全ての人々に対し非常に小さいとの結論に達した。
12. ヨウ素添加義務化計画の責任者は誰か。
 FSANZは、食品の安全な製造及び表示に関する全ての規則を規定する食品基準コードについて責任を有している。豪州の保健当局は、食品供給におけるヨウ素量増加の効果に関しモニタリングを行っている。オーストラリア保健・福祉研究所(Australian Institute of Health and Welfare)は、添加義務化のモニタリングについて全体的な調整の役割を担っている。

国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部 食品安全情報
 No.23/2010(2010.11.04) 化学物質 p17-18
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/
地域 大洋州
国・地方 豪州
情報源(公的機関) 豪州・NZ食品安全庁(FSANZ)
情報源(報道) 豪州・NZ食品基準機関(FSANZ)
URL http://www.foodstandards.gov.au/scienceandeducation/factsheets/factsheets2010/iodineinfoodoctober24961.cfm
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
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