食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03230150149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、香料グループ評価8改訂1:追加の酸化官能基を持つ又は持たない脂肪族及び脂環式硫化物、二硫化物、三硫化物及び多硫化物に関する科学的意見書を公表
資料日付 2010年7月19日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州食品安全機関(EFSA)は7月19日、香料グループ評価8改訂1 (FGE.08Rev1):化学物質グループ20及び30の追加の酸化官能基を持つ又は持たない脂肪族及び脂環式硫化物、二硫化物、三硫化物及び多硫化物に関する科学的意見書(2009年3月26日採択)を公表した。概要は以下のとおり。
1. 本グループ評価の対象は、1つ以上の硫黄原子を含む直鎖、分岐鎖又は不均一環の脂肪族炭化水素66種類である。硫黄含有官能基がチオール類、硫化物類またはスルホン類として存在している。それらの構造に基づき、当該評価対象物質は10のサブグループに分類できる。
2. 香料の年間生産量から推定する標準的MSDI法(Maximised Survey-derived Daily Intake)によると、当該66香料物質のうち香料業界がデータを提出した62物質の欧州における推定摂取量は0.0012~6.1μg/人/日で、いずれも各構造クラスの物質の懸念を引き起こす閾値(構造クラスI:1
,800μg/人/日、構造クラスII:540μg/人/日、構造クラスIII:90μg/人/日)を下回る。MSDI法に基づくと、(1)構造クラスIに属する43評価対象物質のうちデータが提出され、FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)の評価手順(訳注:摂取量、構造活性相関、代謝及び毒性に関する情報を統合する段階的な手法)で評価された38物質、(2)構造クラスIIに属する19検討対象物質のうちデータが提出され、JECFA手順で評価された17物質、(3)構造クラスIIIに属する4検討対象物質のうちデータが提出され、JECFA手順で評価された3物質の構造クラスごとの複合摂取量は、それぞれ(1)11μg/人/日、(2)6μg/人/日及び(3)4.0μg/人/日で、各構造クラスの懸念を引き起こす閾値を超えない。評価対象物質の安全性を確認する127物質のうち68物質について、報告された生産量に基づく欧州における1人当たりの摂取量(MSDI)を推定することができる。評価対象物質及びその安全性確認物質(欧州における摂取データがある)を合計した複合摂取量は、構造クラスIで648μg/人/日、構造クラスIIで115μg/人/日、構造クラスIIIで4μg/人/日であり、各構造クラスの懸念を引き起こす閾値(構造クラスI:1
,800μg/人/日、構造クラスII:540μg/人/日、構造クラスIII:90μg/人/日)を超えない。
3. 当該評価対象物質の遺伝毒性に関するデータは限られており、これらの物質について遺伝毒性を十分に評価することができなかった。しかし、利用可能なデータによって、2つの検討対象物質(2-メチルプロパン-2-チオール及びメタンチオスルホン酸メチル)の遺伝毒性の可能性について多少の懸念が生じる。したがって、これら2つの評価対象物質並びに2つの構造類似体(2-メチルブタン-2-チオール及び2
,4
,4 -トリメチル- 1
,3 -オキサチアン)について、十分なin vivo遺伝毒性データが利用可能になるまで、JECFA手順を適用することができないと当該パネルは結論づけた。前回の香料グループ評価8(FGE.08)における5種類の安全性確認物質が、本グループ評価(FGE.08Rev1)で遺伝毒性の懸念が生じている第三チオール類であることに当該パネルは留意した。残る評価対象物質について利用可能な遺伝毒性データは、当該物質のJECFA手順による評価を妨げない。
4. 構造クラスI の3物質(3‐メルカプトオクタナール、3-メルカプトデカナール及びメタンジチオールジアセタート)、並びに、構造クラスIIの3
,5-ジメチル-1
,2-ジチオラン-4-オンについて欧州における香料物質としての使用データが利用可能ではないため、摂取量が推定できず、これらの物質をJECFA手順で評価することはできない。
5. 標準的MSDI法に基づくと、評価対象の当該66物質のうちJECFA手順で評価された46物質は、香料物質としての用途由来の推定摂取量において安全性の懸念を引き起こさないと考えられる。評価対象物質のうちサブグループIIの3物質、サブグループVIの8物質、及び、サブグループIXの1物質について、追加の毒性データが必要である。評価対象物質の2-メチルプロパン-2-チオール、メタンチオスルホン酸メチル、2-メチルブタン-2-チオール及び2
,4
,4-トリメチル-1
,3-オキサチアンについて、遺伝毒性に関するin vivoデータが必要である。
6. 食品摂取量に香料添加率を掛けて累計するmTAMDI法(modified Theoretical Added Maximum Daily Intake)に基づいた場合、摂取データが提出され、JECFA手順で評価された構造クラスIに属する評価対象の43物質のうち36物質の推定摂取量は28μg/人/日~8
,000μg/人/日であった。これらの推定摂取量は、(S)-メチルオクタンチオエートを除き、構造クラスIの懸念を引き起こす閾値1
,800μg/人/日を下回った。摂取データが提出され、JECFA手順で評価された構造クラスIIに属する評価対象の19物質のうち16物質のmTAMDI法に基づく推定摂取量は46μg/人/日~78μg/人/日で、構造クラスIIの懸念を引き起こす閾値540μg/人/日を下回った。JECFA手順で評価された構造クラスIIIに属する評価対象の3物質のmTAMDI法に基づく推定摂取量は78μg/人/日~370μg/人/日である。このうち1物質(レンチオニン)のmTAMDI法に基づく推定摂取量は、懸念を引き起こす閾値90μg/人/日未満である。mTAMDI法による推定摂取量が構造クラスI、II及びIIIの懸念を引き起こす閾値未満である52物質についても、無害な産物に代謝されると予見される。JECFA手順で評価された3香料物質については、mTAMDI法による推定摂取量が該当する各構造クラスの懸念を引き起こす閾値を超えており、信頼性のより高い暴露データが必要である。
7. JECFA手順で評価された58物質についての結論が市販原料に適用できるか否かを確定するために、利用可能な規格を検討する必要がある。評価対象の66物質のうち64物質について完全な純度基準及び市販原料の同一性などの規格が提示されている。当該66物質のうち39物質について、追加情報が利用可能になるまで、市販原料の確定評価を行うことができない。JECFA手順で評価された残り27物質は、MSDI法による推定摂取量において、安全性に懸念はない。
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL http://www.efsa.europa.eu/en/scdocs/doc/1021.pdf
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